静岡県でいちばんおいしい磐田の豚汁

早朝から静岡県の西部地方へ。
出発時刻が早すぎてお弁当を作る時間が無い。というわけで、昼食は外食となった。

訪問先*1の方に教えていただいたのは「静岡県でいちばんおいしいと思っている豚汁の専門店」。
なかなかユニークなカテゴリーではある。静岡県内に豚汁専門店がそれほど多く存在するとは思えないし、食べ比べたこともない。
しかし教えていただいた方々は真剣で、せっかく磐田市に来たのなら行くべきだと地図まで用意してくれた。

実際とてもおいしい豚汁を食べることができた。
再訪したいくらいに気に入った。

店の名前は「枡形」。
天竜川から程近く、国道1号線バイパスからもすぐそこ。でも今までは全く見落としていた。

豚汁というから長距離トラックドライバーや土木作業員向けの店かと思っていたが、客層は幅広い。地元の老人やタクシードライバーもいるし、住宅会社のインテリアコーディネーター風の女性が一人でカウンターに座っていたりもする。ロードバイク集団もいた。

店の仕組みは社員食堂というかカフェテリアに近い。
お盆を手に、まずはお惣菜を選ぶ。刺身もあれば卵焼きやフライもある。とにかく種類が多くて目移りしてしまう。僕は卵焼きと明太子、それにメンチカツを選んだ。

本来はそのまま、ご飯と汁物を注文するカウンターに移る。ただ忙しい時間だったからか、お惣菜を選んでいる時に、ご飯の量や汁物の種類(豚汁や味噌汁に、それぞれ大小がある)を店のおばあさん*2に聞かれた。
2人だったのでカウンターに案内されて、そのまま席についたら、ご飯や豚汁が運ばれてくる。その状態で、お盆の状態から伝票が作成される。
なかなか臨機応変な対応で、感心してしまった。

問題の豚汁は、豚肉とネギと豆腐をたっぷり使ったシンプルなもの。他の野菜は無い。でも、これが本当においしかった。なるほど見た目を整えれば、大昔のku:nelや天然生活に載りそうな豚汁だ。その時にはシンプルで気取らない(あえて具を限定した)豚汁として紹介されるだろう。

 

 

豚汁は通常サイズでも丼いっぱいで、これとご飯*3だけでお昼は成立するだろう。お惣菜は蛇足だった。メンチカツは同行者に譲ったが、下に唐揚げが隠されていて驚いた。

 

ちょっとおもしろかったのが、追加注文の声があちこちで挙がること。
こういう食堂で聞くのは初めてかもしれない。
とにかく若い女性でも老人でも、豚汁を追加で頼むのだ。

もちろん食事の量が多そうな男性は、ご飯も追加で頼む。
そうして、多くの人が無駄口を叩かずに、ひたすら昼食に取り組んでいく。

高級なご馳走なんて一つもないけれど、豚汁を含め全てが十分においしくて、人によっては、思わずおかわりをしてしまう。
そして「おいしかったー」「でも食べすぎたー」と言いながら精算をして、店を出る。当たり前のような気もするけれど、なんだかとても不思議な店だった。

ふと思ったが、香川県における讃岐うどん店に近いかもしれない。
安くて誰も気取らず、でも量や安さだけではなくておいしさも目的としていて、老若男女が訪れる昼食の店。カジュアルの極地ではあるが、完全に雑でもないところが似ている。

 

もちろん僕もお腹いっぱいになった。
でも、例えばラーメン屋で満腹になるよりは、いくぶんヘルシーな気がする。実際に、食後に30分ほど散策をしたのだが、苦しく感じるような事はなかった。

帰路はずっと、この「枡形」のことを思い出していた。
自分もこの店のことを誰かに勧めたい。その時は、「いちばんおいしい」と伝えるのだ。他に豚汁専門店なんて知らなくてもかまわない。とにかく行ってみて、食べてもらいたいのだ。

お題「昨日食べたもの」

*1:磐田市の西部にあった。

*2:とても親切。勝手がわからない客に慣れている。

*3:僕は小サイズを注文。

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