静岡市のミニシアター「シネギャラリー」で映画「マーズ・エクスプレス」を観てきた。
半分は暇つぶし、ほとんど気まぐれで選んだ作品だが、これがめっぽうおもしろかった。
フランス発のアニメ映画。
火星に人が住むようになった未来を舞台にしたSF作品で、ジャンルとしてはサイバーパンクもの。というか、ニューロマンサー、攻殻機動隊、ブレードランナーといった過去の名作を明確に意識した映画となっている。
世界設定や登場人物の境遇などは序盤にわかりやすく開示されはするけれど、アンドロイドやハッキング、デジタル管理社会のようなサイバーパンク的な"常識"がわかっていたほうがすんなりと楽しめるだろう。
物語の後半で明らかになる仕掛けも、物語のところどころでヒントがあるし、終盤の「こうなるしかない」って思わせる話の流れも感心した。
物語が終わった後に「この先どうなるのだろう」と想像が止まらなくなるところも含めて、本当に楽しいSFだった。
そんなわけで、僕はすっかり気に入ってしまった。
今回は字幕版を選んだが、次は吹き替え版のために映画館に足を運んでもいいと思っているくらいに好きな映画となった。
いささか「ジャパニメーション」への傾倒は感じられるが、絵柄は大人っぽい。バンド・デシネを最新のCGアニメーションで動かしまくる映像はすばらしい。
ただ、登場人物の顔や声が少し判別しづらいこと、言い回しや仕草のせいで日本のアニメ映画ほどわかりやすくないところはあった。といっても、日本の小説と、邦訳された外国の小説を比べるくらいの違いしか無いので、これはこれで作品の"味"として楽しめる。
心身のデジタル化が完了したサイバーパンク世界…という今となっては古臭ささえ感じる題材なのに、最初から最後まで集中して楽しませてくれる。
最初に書いたように、特別な期待をせずに観た映画だったから、余計に嬉しい。
これは良い映画を観た!とほくほくしながら「笠井珈琲店」へ行き、少し遅いおやつを食べた。すんなり帰宅しても良かったのだが、なにしろ気分が良かったのだ。

今日はコーヒー(ミルクなし・多め)と、バタークリームケーキを選んだ。
この店のバタークリームケーキは本当においしいのだ。
軽くて食べやすいとか、バターの油脂っぽさが無いとか、そういう褒めかたはできない。きちんとバタークリームらしいこってりとしたバタークリームが使われていて、バタークリームケーキを食べたい時に嬉しくなるおいしさがある。
薄く塗られたジャムが良いのだろうか。あるいは、このバタークリームらしいバタークリームにも秘密があるのかもしれない。
おいしさの正体はよくわからないけれど、食べる分には全く問題が無い。
良い映画を偶然に選んだ自分へのご褒美、そして素敵な土曜日への祝福として、このバタークリームケーキは最適だと思う。
明日は少しだけ仕事…というか副業のようなものをしなければならない。
趣味の延長だから苦ではないけれど、それでも仕事である。
明日の仕事が簡単に済むように、今から少しだけ下拵えをする。
そして寝る。実はもう眠いのだ。
お題「大好きなおやつ」