夕食に「どぶ汁」を作ってみた。
北関東から東北の沿岸部の漁師料理で、簡単に言えば「アンコウの味噌仕立て鍋」だ。
以前どこかで食べたことがあった。
今日はスーパーマーケットで新鮮なアンコウがおそろしく安かったので、作ってみた。
アンコウは家で食べる食材という印象が薄い。
実際、普段はスーパーマーケットの鮮魚売り場で並ぶことも少ない*1。
まだ新鮮なアンコウが安かったのは、売り難いからではないかと推測している。子供のいる家族が積極的に買うような魚でもないし、料理法も限られる。平日の夕方に、とりあえずカゴに入れるようなものではない。
ある程度大きくて日持ちしない魚であることも、理由かもしれない。
でも、作ってみると簡単な料理である。
なにしろ鍋物だ。基本は、切って煮るだけ。
それでも十分においしい夕食になるのだから、アンコウは偉い。
今日のアンコウは、身のほかに皮や消化器の一部(腸?)、それに肝臓が付いてきた。
この肝臓をまず炒めることから、どぶ汁作りは始まる。
炒めていると脂がたっぷり出てくるので、酒でのばしてから味噌を溶く。個人的には、あまり味噌を強くしたくないので、醤油などで調整する。本来はこの脂を出す工程から土鍋で行うのだろうが、僕は別に小鍋を用意して作る。そのほうが安全かつ楽なのだ。
切った大根や白菜、ねぎ、にんじんなどを土鍋に敷き、この肝&味噌スープを注いで加熱していく。水分は少なめだが、本来は”食材から出る水分だけで作る”というので、これで大丈夫。
肝臓以外の部位は、さっとお湯で煮てから鍋に加える。
軽く湯通しor下茹でしたほうが身が崩れないし、アクや汚れを落とすこともできる。
最後に豆腐などを加えて煮立ったら完成。
薬味は、刻んだネギを大量に使うのが良いと思う。七味唐辛子も合う。
それが今日の晩ごはん。
今年はあまり鍋料理を作っていない。父も僕も、小さなおかずをたくさん並べたほうが好きなのだ。