JR高松駅のすぐ近く、玉藻公園(高松城跡)で開催中のブックイベント、瀬戸内アートブックフェアに行ってみた。
午後のおやつの時間を過ぎた時刻、混雑とまではいかないがずいぶんと賑わっていた。島巡りから帰ってきた瀬戸内国際芸術祭のお客さんも多いようで、顔ぶれは国際色豊か。
外の飲食ブースは地元のお店から、野外イベント定番の個人店舗まで揃っている。自家焙煎コーヒーのお店なんて飲み比べができるくらい。そしてどういうわけか、どの店もまだ食べものが買える状態だった。静岡でも三重でも東京でも、この手のイベントでは昼にめぼしいものは売り切れるのが当たり前だと思っていたので、ちょっと意外。お店の人達も値引きなどせず、のんびりしていた。
ブックフェア会場は、城内にある大きなお屋敷。1階のお座敷を丸ごと使っていた。
そしてこのブックフェア、地方のイベントとは思えないほど充実していたのだ。昔の東京アートブックフェアを思わせる参加者(まさか高松市でこんな人が!と驚く顔ぶれ)に加えて、海外からの参加者もたくさん*1。
特に海外枠はアジアの若い作家さん、特に台湾の人達が目立った。少し前は、台湾の若手作家は伝統的な台湾らしさを、そしてベトナムの人達はベトナムっぽさを売りにしているところがあったけれども、今はもうそういう区別は曖昧になっている。むしろ日本人作家のほうが「和」を強調して、ありきたりな印象さえある。
もちろん作品には繁体や簡体の中国語やタイ語やベトナム語も使われているけれど、日本語や英語でしっかり説明してくれる。皆、世界で活躍するプロフェッショナルなのだ。
写真集や額装された絵はさすがに手が出なかったが、いくつか絵葉書サイズの作品を買った。アートの世界の人達だから、連絡先の名刺(カード)も素敵。そこに書かれているURLを辿るだけで数日間は楽しめそう。
本当は会場を冷やかしつつ玉藻公園を抜け、香川県立ミュージアムで開催中の企画展*2に行くつもりだった。
でも結局、このブックフェアを存分に楽しんだので、県立ミュージアムは後日のお楽しみとする。1日に楽しいことは1つでいい。
明日も再訪したい、とさえ考えている。
それくらいに気に入った。おすすめです。
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しかし明日は、もし天気が良かったら島に渡って瀬戸内国際芸術祭に参加する予定。そのつもりで今夜は食材の買い出しと料理の下ごしらえ、お弁当の準備をしている。
昔の料理本、ku:nelに連載されていたものをまとめたようなやつを書棚から発掘したので、久しぶりに本を眺めながら料理をしている。自分の定番になった料理のいくつかが、これらの本を源流としている。長い時間を経てヨーロッパの火縄銃と日本の種子島くらいに異なってしまった、本の料理と自分の料理。なかには自己流で改良した理由がわからないものもある。これを期に、あの懐かしい平成ざっくり料理へと戻ってみようか。