家族の遺産整理と、親戚のそれに必要な書類が足りなくて、今日は東奔西走した。
言葉の通り、自分の居住地を中心に東と西を行き来して、役所巡りをしてきたのだ。
合間に、知人経由で頼まれた急ぎのパソコン仕事も進めていたから、帰宅した時にはどっと疲れた。
でも、これでようやく手続きが進む。
問題は封筒だ。
いくつかの銀行や役所に届ける書類を、昨晩に揃えた。
郵送するものは、きちんと糊を使って封をした。あとは郵便ポストに投函するだけ。
しかし、地元の銀行に手続き書類一式を持参してみたら、これでは足りないのだと言う。だから今日の夕方は、あちこちの役所を巡って不足分をかき集めたのだ。
ならば、郵送するつもりだった同様の書類(他行や役所宛の書類)も、不足している可能性が高い。
今から問題の封筒を開けて、中に追加の書類を入れなければならない。せっかくの「料金後納郵便」である封筒を無駄にして、大きな封筒を買って宛名を書いて書留料金を払うなんて面倒は避けたいところ。
でも糊付けした封筒って、どうやって開けるのだろうか。
役所の書類は面倒くさい。
同じ名前(例:戸籍謄本)でも、内容が違う。「遺産整理に必要な情報が載っているやつを全部くださいな」と伝え、市役所の担当者が「ああ、それなら」と用意してくれたものが、銀行や法務局で「これでは足りない。やり直しだ!」と言われてしまう。
とはいえ、1回やればいろいろなことがわかる。求められた書類がどんなものか、そしてなぜ必要なのかも理解できる。
残念なことに、こんな知識は人生で何度も無いことだ。
行政手続き作業免状 乙種4級*1くらいの資格を貰えそうなくらいに、この分野の"実務経験"はしているはずだ。しかし悲しいことに、この作業では賃金が発生しないのだった。
それにしても暖かい日だった。
半袖で街を歩いている人もいた。自分も長袖Tシャツに軽いシャツを羽織ってちょうどよい位。先週は軽井沢で気温5℃に震えていたのに不思議な感じがする。
軽井沢に滞在中は、曇り空か雨の日が多かった。
霧も出ていて、いつも冷たく湿っていた。でも、濡れた落ち葉が本当に美しい町だった。今日のようなからりと乾燥した静岡の気候を満喫しているときに、ふと思い出す。
特にセゾン美術館の庭は最高だった。
ほとんど人がいない*2。現代の立体作品が程よく配置された広い庭園は、紅葉と苔が存分に楽しめる。あの庭は、まるで物語の中の世界だった。梨木香歩作品なら、少し不思議な出来事が始まるような風景だった。