富屋珈琲店
静岡県中部で業務用コーヒー問屋といえば、トミヤコーヒーだと思っている。
特に古い喫茶店では、赤地にインディアン(インデアントミー)が描かれた看板をよく見かける。
今日は移動中の休憩に偶然、このトミヤコーヒーのフラッグシップ店(?)というか直営店を使った。特に熱い思いを抱いて訪れたわけではなくて、机とコーヒーが欲しかっただけ。ここに喫茶店があることは知っていたけれど、トミヤコーヒーの店とは知らなかった。店名も「富屋珈琲店」であり、色合いも落ち着いていてインディアンのロゴも無い。
大きさは「コメダ珈琲」のロードサイド店と大して変わらない。
ただ店の半分は、コーヒー豆や輸入食材、お菓子、カップなど喫茶用品のコーナーになっていて、喫茶店自体は広くはない。
元気の良いおばさん達や、地元の老人達がお客さんの大半。スターバックス・コーヒーと違って部活帰りの高校生などはいなかった。
コーヒーは安く、ケーキは品によって値段が大きく違う。
コーヒーはおいしかった。ケーキは普通。
今日は店の名前がついたブレンドコーヒーとモンブラン。
なぜ今の季節にモンブランか、というと答えに窮するのだが、まあなんとなくである。悪い選択ではなかったと思う。
インデアントミーのグッズなどがあれば欲しかった。
かつてインディアンかネイティブアメリカンか、みたいな議論が各方面で発生していた時代にも「トミーは妖精である」とすり抜けてきたようなので、今になってポリティカル・コレクトネスに配慮しているとも思えない。どこかでステッカーを見かけたこともある。
店名からして「トミヤ感」を抜いているのかもしれない。
でもコーヒーに関していえば、トミヤとかカリタ、それにメリタといったカタカナはしっくり馴染むと思う。そもそも「シックでモダンな喫茶店」というときに、全て漢字で、細い筆文字のロゴで、というのはありきたりすぎてつまらない*1。
小説 竜とそばかすの姫
全然関係ないけれど、先日見た映画「竜とそばかすの姫」の小説を読んでみた。
映画で引っかかっていたところが明らかになる、なんてことは今のところない。半分まで読んだけれど、わからなかったところ、不親切なところはそのまま。
「主人公たちの言動を、ストーリーの展開のために決めている」感が強すぎて今ひとつのめり込めなかった部分がそのまま、ということ。
映画と違って音楽での感動もない。とはいえ映画では「見ている僕よりも先に、僕よりも強く登場人物が感動する」場面が多くて困ったので、それは小説版のほうが良かったのかもしれない。これは体験してみないとわからないけれど、「登場人物が、観客よりも少し先に感情を先取りする」ことが何度も続くと、なんだか集中力が削がれるのだ。
とはいえ映画を見た人なら楽しめると思う。映画も悪い作品ではない。おすすめです。
*1:倉敷とか鎌倉とか、あのへんの地名を付けたチェーン店を思い出す。