仕事を辞めて数日、今のところとても暇である。
役所手続きの関係は書類が揃わなくて進まないし、糊口を凌ぐためにいただいた外注仕事(パソコンで色々と作る)はそれほど手がかからない。
とりあえず心身を休めつつ、近所の探索や県内外への日帰り旅をして静かに暮らしている。特例で年金でも貰えれば最高なのだが、現政権は僕をそこまで甘やかしてくれない。
さて、そういう日々において、目下の課題は冷凍庫だ。
つまり、冷凍庫が満杯になってしまい困っている。
退職の少し前からお弁当を作る習慣が途絶えていて*1、もちろん今も作っていない。
そのうえで、今は暇な時間を活用すべく、安い食材で「節約おかず」を作っている。わりと楽しい。
安い食材は基本的に量が多い。
時間があるから、保存食も作る。これも楽しい。
毎日のんびり暮らしているから、それほど量を食べない。品数だって少なくてもかまわない。
「ようし今日はこれを食べるぜー」みたいな、仕事中に発生していた欲求も無い。
そんなわけで、まず冷蔵庫の容積が圧迫される。
時間の余っている自分にとって、スーパーマーケットや市場での買い物もまた娯楽となっていることも、当然ながら食材の増加に繋がっている。お散歩でスーパーに寄ってしまうのだ*2。
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料理も家事も有限のリソースを使った人の営みである。
当然ながら、スケールメリットが適用される。
つまり、「1人分作る手間は、2人分作る手間の半分より大きい」ということだ。たくさん作ればそれだけ効率が良くなる。人間は工場よりも効率が悪い。
手間だけでなく、材料だって同じだ。1人分で使い切れる量の野菜や魚は少ない。レシピをほとんど気にしない自分であっても、「本来なら0.25個/人で十分な玉葱を1.00個使う」ような事態は避けたい*3。いきおい、まとめて刻んで余った分は冷蔵か冷凍することになる。まとめて刻んで、軽く炒めてから冷凍すると、気分的には「生活上手」である。だが、冷凍庫のスペースが圧迫される。
先週には、うっかりカレーを作ってしまった。
今の季節、冷蔵庫での長期保存は期待できない。ある程度食べた後、大きめの密閉容器に移して冷凍庫に入れた。
思えばこれが、容量圧迫状態のスタートだった。
それ以後も冷蔵庫に放り込んでいった分が、スライド式に冷凍庫へと移っていく。
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それでも冷蔵庫のほうは、それなりの隙間ができている。
夏野菜の回転は速く、食べるのが簡単なものが多い。だからそれほど溜め込まずに済んでいる。むしろ、傷みそうなものは冷凍庫に行ってしまうので、冷蔵庫側では問題が見えづらいだけとも言える。
この状況において、冷凍庫の品は、いわば負債だ。
いちど冷凍してしまうと、使うのにもひと手間かかる。全体が把握しづらくなってどんどん積まれていってしまう。マネジメントの難しさが冷蔵庫とは大きく違う。
本来なら、安くて簡便な「冷凍さぬきうどん」をAEONでまとめ買いしたいところなのだけれど、残念ながらその余裕は無い。
原因も状況も色々と書いたが、要は、僕はまだ、落ち着いていないのだ。
時間が余っていても、心の余裕が無いことが根本にあるのだと思う。
本当に悠々自適ならば(それが一時的なものであっても)、きちんと1食ずつ1食分の料理を作り、適量の食材を毎日少しずつ買い、計画的な消費が出来るはずだ。1杯分のお出汁をとり、味噌汁を作れるはずだ。
僕はさすがに、そこまではできない。
どうしてもまとめて作ってしまうし、面倒で簡単に済ませることも、出先で外食(讃岐うどんが多い)をすることも多い。いつも家にいるわけでもない。
ただでさえ「1人分の自炊」という量的管理の難しい家事をしているのだから、冷凍庫が満杯でも仕方がない。幸いなことに独り暮らしでは冷凍庫を見る人間は僕一人であり、自分さえ自分に甘ければ、なんとかなってしまう。
というわけで、この件については悩むことを止めた。
対策のみ決めて、後は自炊マシーンとして動く。僕は、無印良品の冷凍冷蔵庫の為に生きているわけではないのだ。
とりあえずの対策として、「本当に必要な食品のみ買う」ルールを今週は適用する。今から自転車に乗って少し離れたスーパーマーケットに行く。そして、野菜ジュースのみ購入して、帰ってくる。
併行して冷凍庫の食材を(地層の下の方から)食べていけば、まあなんとかなるはずだ。
駄目だったら、冷凍庫の中がゴミ屋敷状態になり、いずれ(燃えるゴミの日に)泣く泣く処分することになる。今のところそこまで酷くない。
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
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では行ってきます。
たとえ値引きシールが貼られていても、買うのは野菜ジュースだけ。冷凍冷蔵庫から独立するために、僕の精神が試されている。