微熱と桃缶

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頭痛と喉の腫れ、そしてくしゃみ鼻水のため明け方に目が覚めた。
薄手の布団だけでは寒いかな…と思って寝たら本当に寒かったようだ。
体温は37.3℃。
久しぶりの風邪、あるいは(おそらくは人生初の)新型コロナウイルス感染(疑い)である。

 

 

まあ十中八九、ただの風邪だろうと判断して、とりあえず家で寝て過ごす。
頭は働くので、パソコン作業は少しだけ行うけれど、今日はもう暖かくして寝ることに決めた。

幸いなことに、家族は昨日から旅行に行っている。県内の湯治場でのんびりしているというので、宿泊を1日伸ばしてもらった。

もう熱は下がったし、頭痛も無い。
葛根湯をがぶがぶ飲んで、いかにも病人ですという食事(鍋焼きうどん等)を摂り、教育テレビを見て安静にしていたのが効いたのだろう。

先日、MacBookを買ったため、「Appleビデオ&ゲーム」が3ヶ月間も無料で試せる。でも今日は何も見ていない。熱のせいで頭がまわらないという訳ではなくて、昼から寝ていると、どうにもぼんやりしてしまうのだ。

 

 

ともあれ、もう鼻の症状以外は元気である。
缶詰の桃を開けようか悩んでいるのだが、もう寝る前なので常識的に考えたら止めておくべきだろう。そもそも我が家には、病気の時に桃缶を開ける習慣など無いし、僕はもう熱も無いわけで、要は缶詰の桃を食べたいだけなので。

ちなみに缶詰の桃は、軽くフライパンで焼いたものが好き。胡椒を振ってもいいし、半分食べたあたりでオリーブオイルをかけてもおいしい。実家ではなかなか食べる機会が無いから、家族がいない今夜が狙い目ではある。

 

お題「わたしの癒やし」

おせち気分

夕食に用意した豆乳鍋が吹きこぼれて、最悪の気分である。
ああもう。

鍋の掃除は仕方がない。吹けば綺麗になるし、鍋は中身を移し替えれば夕食に支障はない。ただ、沸騰した豆乳(と塩分を含んだ汁)は細かく固まってしまう。湯葉の親戚みたいなぼろぼろした何かを、豆腐や白菜と共に食べることになる。

これでは豆乳鍋の持ち味が台無しである。
味は変わらない、あるいは口に入れば同じ、そういうものではないのだ。

 

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豆乳鍋の失敗は仕方がない。それより前、夕方に20分ほど仮眠を取ったときのことを書く。
帰宅した直後、どうしても眠くなってしまったのだ。

そのときに「正月の夢」を見た。
部屋の窓を閉め忘れていて冷たい風が吹き込み、さらに髪を切ってきたばかりで、身体が真冬の寒さを思い出したのかもしれない*1
その正月で、僕はひとりでおせち料理を食べていた。台所で準備をしながらのつまみ食い。とても幸せな夢だった。

おせちにはなぜか*2四の重が存在していた。
そこには、お正月とは関係がない、何か甘くておいしいものが詰まっていた。
でもそれが何か、目が覚めた時には完全に忘れてしまった。
ぎっしり詰まったドーナツだったのかもしれない。
重箱を完全に覆ったタルトタタンだった気もする。
ただ、もしかしたらおせち料理に含まれていてもおかしくないもの、例えば芋羊羹や吹き寄せの類ではなかった、それだけを覚えている。

なにしろ夢の話だ。書いていて虚しくなってきたので、この話はおしまい。

でもこの夢のせいで、夜になってからずっと新年の気分を感じている。
ちょっとした空気の冷たさや、交換したばかりの歯ブラシ、厚着をして外を歩くこと。そういう諸々が、なんだかお正月っぽいのだ。

 

 

ともあれ月曜日を乗り切った。
もう寝ます。おやすみなさい。

 

お題「わたしの癒やし」

*1:といっても、正月はもう1.5ヶ月後である。

*2:現実には存在しない

ステンレスパイプを切ってもらった

平和な日曜日。
冬の服を一時的にかけておく場所が欲しくて、部屋に少しだけ手を入れた。

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ホームセンターでステンレスのパイプを買ってきて、棚の下に取り付けて、クローゼットのハンガー掛けのようにする。
僕の部屋は納戸というか収納庫みたいな場所*1を改造したので、棚だらけ。でもコートの類をかけておく場所がほとんど無かったのだ。

ステンレスのパイプはホームセンターでカットしてもらった。
金鋸で切るには時間がかかるし掃除も面倒。機械に任せたほうが早くて安くて間違いがない。

しかしこれが本当に時間がかかった。
ステンレスパイプを切るのに20分、そこから丁寧にヤスリがけをして、切断面をなめらかにするので20分。レジで加工をお願いしてから、放送で呼ばれるまで40分もかかってしまった。

普通は、ざくざくとカットして、軽く金工ヤスリをかけて10分もかからない。四国のホームセンターなど、そのへんにあったコンクリートブロックに切断部分をこすりつけて、ささくれた場所を削り落としていた*2。さすがにそこまで雑だと困るけれど、でもプロ向けの金属加工業者さんでも、滑らかになるまでヤスリがけをするとなると別料金となる。おそらくカットそのものよりもお金を取る。

きっと、このホームセンターでは、普段それほど金属パイプのカットをしていないのだろう。
さすがに手慣れた木材ならば、ここまで丁寧な仕事をしない。1カット40円の作業なのだから、せいぜい”ささくれ”を落とすだけだ。慣れない金属を扱うので、要求品質がわからなかったのだろう。

お店の人達には悪い事をしてしまった。
いや、自分としては綺麗に整えられた切断面は有り難いのだけれど、でも「悩むのなら丁寧にしよう」と担当者が考えて、40分も作業にかかりきりだったのならば、やはり仕事として間違っている。
カットサービス窓口から離れず、「そこまでしなくてもかまいませんよ」と伝えれば良かった。

ともあれ、新しく付けたハンガー用のパイプは素晴らしい。
冬のコートやジャケット、それに普段遣いのバッグも整理できた。
いわゆる突っ張り棒や、誰でも付けられるキットとは違い、見た目がすっきりしているのも良い感じ。

 

それ以外はもう、本当に何もしていない。
読書は進んだ。昼寝もはかどった。でも、それだけの1日だった。

 

 

 

 

*1:ハウスメーカーの目論見としては、この部屋に生活用品を整理することで、リビングやダイニングをすっきりさせたかったのだろう。
老夫婦が暮らすのに十分なコンパクトな一戸建てに、僕が転がり込んできたので、設計にない使い方をしているわけだ。

*2:僕は仕切りの隙間から見ていた。

カレーパンをどうぞ

おつかいでパンを買いに行ったときに、カレーパンも買ってしまった。以下、そのことについて書く。

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食パンをトレイに載せてレジに並んだ。焼き立てパンとしては大きな店ではあるが、特に他に買いたいものは無かった*1。家族に頼まれていた食パンだけの、シンプルな買い物になるはずだった。

レジの列に並んでいるときに、店員さんがトレイに山盛りのカレーパンを持ってきた。片手にトングを持っていて「いくつですか?」と聞く。
よくわからないけれど、他の人達は8個とか4個とか、まとまった数を当たり前に告げていた。
おそらくこの店の看板メニューなのだと思う。

とはいえ僕はカレーパンを買うつもりはなかったから、とりあえず「ありがとう」と言って、一歩後ろに下がる。そうすれば店員さんは、僕の前の客にカレーパンを進めることができるだろう、と考えたのだ。

しかし店員さんは、僕のトレイにカレーパンをとりあえず1つ乗せてくる。そして「まだ要りますか?」と聞く。僕がカレーパンを必要としない可能性については全く考えていないようだった。

断ってトレイから戻すのも悪い気がするから、最初に乗せた1つだけ買うことにした。数秒のやりとりではあったが、少し圧倒され、そして感心したのだ。

ここまでの確信を持って商品を売る人も珍しいのではないだろうか。
さすが支店をどんどん増やして、個人経営のベーカリーを淘汰してきた店である。今日は感謝デーでカレーパンが安い。となればレジに並ぶ誰もがカレーパンを(当店の揚げたてカレーパンを)最低1つは喜んで買うはずだ。
そういう思い込みは、強さになる。

 

 

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そんなわけで今日のおやつはカレーパン。
店員の確信に満ちた態度に比べたら凡庸なカレーパンだった。普通においしい、それだけ。
もっと宗教的な何か、神秘体験じみたカレーパンとの交歓を期待していたので、少しだけがっかりした。とはいえ水準以上の品だったと思う。

カレーパンはスイーツではないため、僕が語るべきことは少ない。
勧められて買ったのなら、なおさらのことである。

 

 

 

*1:そういう日もある。

西湖と河口湖、山中湖

今日もまた富士五湖方面へ出かけた。
山梨県富士五湖に行くには、普段ならば富士山の西側を通る。
朝霧高原を走り、樹海を抜ければ富士五湖に到着する。ただし富士市内の幹線道路を走るため、少しだが渋滞が面倒。基本的には気持ちがいい山の中の道だが、カーブも多くて少し疲れる。

今回は時間の都合で、全てが有料道路の「東側ルート」を選んだ。
東名高速道路から御殿場バイパス、そのまま国道138号線バイパスへと走れば、山中湖や河口湖に到着する。全てが有料道路のため出費は増えるし、寄り道もできないが、とにかく楽で早い。走行距離の短い西側ルートよりも楽で早いから、のんびりするつもりが無いのならば、こちらが便利。

 

 

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今日は山中湖のあたりを少し散策する時間があった。
湖面に鹿が降りてくることがあるという。鹿が増えすぎて困っている地元の人達には悪いが、一度その風景を見てみたいものだ。

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本来ならおいしいコーヒーでも飲みたかった。
でも、気の利いたカフェどころか、普通の(観光地によくある)喫茶店すら閉まっていた。それなりに行楽客はいるのだが、まだフル回転で営業したら採算が取れないのだろう。土日のみ開ける、あるいはランチから15時までの営業が、新型コロナ後の”今”なのかもしれない。

結果としてコンビニエンスストアには高齢者で大混雑していた。それほどお金を使う気がない老人達がたどり着いたのがコンビニのコーヒーというのは少しさみしい。もちろん僕もつまらない。

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忍野八海、そして河口湖や西湖にも行った。
忍野八海は観光客が多くてつまらない。すぐ近くの水族館(山梨県立富士湧水の里水族館 森の中の水族館)に車を停めて、敷地内の公園を散策する。
おそろしく綺麗な湧水に、紅葉がたっぷり沈んでいて、絵のような風景。時間が無くて水族館には立ち寄れなかったけれど、やはりこの場所が好きだ。
ここは本当におすすめの場所。富士五湖周辺でひとつ、と聞かれた場合は第一選択に挙げる。特に小さなお子さんがいるファミリーには、とても喜ばれる。

河口湖はいつもどおりに混んでいて、西湖は静か。
短時間だが、折り畳み自転車で遊ぶことができた。

数年前の河口湖は、よくある「ハーブティーと民藝風和食処とホットスナックの混淆」の、湖畔の観光地だった。
今日は数年ぶりに訪れたわけだが、ハーブティー的な「高原のメルヘン」風味は退潮して、代わりに「吉本興業プロデュースの観光開発」が目立っていた。
あちこちに「2時間で1000円」の臨時駐車場ができていて*1最初は「高い!」と思ったけれど、おそらくは2時間で十分なのだろう。しかし正直言って、ここまで様相が変わるとは思わなかった。
明るく快適な昨今のアウトドア・レジャーと、上記の吉本興業的なお手軽行楽地、そして昭和〜平成のスタイルが混じり合った不思議な場所になっていた。
そして、ヤンキーとストリートが合体したバス釣り文化もまた、目立たなくなっていた。

西湖も河口湖も、ちょうど湖面と富士山と紅葉を収められる場所には人だかりができていた。湖を一周する道(迂回路が無い)でも気にせず路上駐車をするので、ちょっと怖い。
僕もスマホを向けようかと思ったが、どうせ「河口湖 富士山 紅葉」あたりで検索すれば同じような構図の画像が見つかるから、撮影はやめておいた。
長いレンズを向けるおじさんも、ブランド財布みたいなカバーのiPhoneを掲げる乙女も、同じ場所を撮っている。その風景を撮ればよかったと後悔している。

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昨日も今日も、風景は最高だった。
暖かい日差しに、冷たい空気。深まる秋が堪能できた。

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でも、おいしいコーヒーやケーキにありつけなかった。首都圏からの行楽客も多い景勝地だから、気の利いた雑貨屋やカフェの1つや2つは余裕で見つかるかと甘く見ていた。そういう店も無いわけではないけれど、もっと山奥にあったり、今は休業していたり、週末に渋谷で開かれるイベントのために店を閉めて準備をしているのだった。

吉田のうどん(今日も食べた)はおいしかった。
お土産に蕎麦やうどんも買えた。返す返すもコーヒーだけが残念*2。自分でお湯とドリッパーを持っていけば良かったのだ。

 

 

 

*1:公共の無料駐車場もあるが、混んでいる。

*2:観光土産のチーズケーキは買わないタイプなのです。

富士吉田のうどん

所用により、今日と明日は静岡県東部の富士山周辺、そして山梨県富士五湖近辺を訪問している。
諸事情あって現地に泊まるのではなく、夜には自宅に戻るのが少し面倒。とはいえ、高速道路と有料道路を使えば、いわゆる”下道”を走るのは最低限となるので、往復は楽なものである。

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ちょうど今が紅葉の季節(の終盤)で、イチョウもモミジもすばらしい色となっていた。特に今日は雲ひとつ無い青空で、紅葉を楽しむには最適だった。空いた時間に湖畔に降りて、コーヒーをのんびり飲みながら風景を眺めるだけで大満足。

 

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そんな今日の昼食は、吉田のうどん。
山梨県の富士吉田の名物だから「吉田うどん」で良いはずが、商標その他の問題で「吉田のうどん」と呼ばれている。

一昔前にB級グルメとして持て囃されて、今では郷土の味として定着(?)した麺料理だが、実際に食べてみると本当に素朴で、他の有名なB級グルメに比べてジャンクさに欠ける。
なにしろ乱切りの太いうどん(もそもそしている)に、醤油あるいは味噌の汁、または醤油と味噌を使った汁を合わせて、具材は茹でたキャベツや根菜、甘辛く煮た肉(馬肉が多い)なのだ。幅も高さも5〜10mmに乱切りされた「練った小麦」みたいなうどんは、ねじれていて噛み切るのに苦労する。
味付けも洗練とは程遠く、「土曜日の昼に家で作る野菜多めの袋ラーメン」を思わせる。あるいは地方のお祭りの日に作られる「まあ美味しいものじゃないけれど、これも形だからね」と出される汁物みたいな感じ。

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でも僕はこれが好物なのだ。山梨名物ならば「ほうとう」よりも断然この吉田のうどん。

初めて食べたのは学生時代、一人旅の途中だった。
まだB級グルメなんて言葉はなくて、神社参拝の老人とタクシー運転手を相手にした「安い麺料理」みたいな扱いで、農家の庭にできたプレハブ小屋で食べた。
「野菜は茹でたキャベツ」など決まりごとも無かったはず。本当に「家のうどん」で、麺だけが太く固かった。
地味で安くて、とびきりおいしくもなくゲテモノでもない、でも旅の楽しみになる料理というのは、人生で初めてだったかもしれない。

 

 

うどんは現地で食べる。
土産で買うのは「かんずり*1」を買う。富士五湖周辺に行くときには、可能な限りその2タスクを遂行する。「かんずり」さえあれば明日以降の食が豊かになる。今日は量の多いものが買えたので、ちょっとうれしい。

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:新潟のものとは違う。唐辛子と山椒をごま油などで炒めた”食べる辣油”みたいなもの。吉田のうどんでは定番の薬味。
自宅では味噌汁や餃子、和え物に使う。エゴマ入りのものが好き。

映画「TOBE/トーベ」と、鷹匠の「アンアン」ピザハウス

金星も木星も明るい水曜日。土星らしき光も見える。
それほど寒くはないけれど、風が強くて大変だった。少しだけ風邪気味。

 


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さて今日は映画「TOBE」を観た。
素敵な作品だった。

あの「ムーミン」の作者であるトーベ・ヤンソンさんの半生を描いた作品。
ファインアートの世界では成功せず、風刺漫画とイラストで暮らしている第二次世界大戦〜戦後の復興期。「ムーミン」の作家として成功してからも”芸術”への想いを持ち続ける時代。パトロンかつ不倫相手の男性や、劇作家の女性との交際(彼女は両性愛者だった)も、かなりあけすけに描かれている。
終生のパートナーであるトゥーリッキさん*1と出会う頃までで物語は終わる。
トーベ・ヤンソン氏といえば、その後の離島暮らし(フィンランド的なスローライフ)が有名なので、ちょっとだけ「え、ここで終わり?」と思ってしまった。

作中で主人公は「ムーミン」の挿絵やアイデアスケッチを描き続ける。それは他者との関係や心理描写に深く関わっている。でも「ムーミンが世界で大人気だ!」とか「英語版が賞を取った」みたいな説明は、ほとんどない。深い関わりのある人達とのやりとりだけで、静かに話が進む。せいぜい「家賃が払えるようになった」とか「忙しくなったのでムーミン制作に集中する体制を整えた」程度の描写があるだけ。

それが、とても良い。
「TOBE」は、トーベ・ヤンソンの伝記作品ではないのだ。
トーベ・ヤンソンの生涯や芸術家としての遍歴なら、いくらでも本が出ているから読めばいい。
ただ理想に迷い、そして、どうしても広い道の真ん中を歩けなかった女性のお話を、しっとりと落ち着いた映像で描いた、素敵な映画だった。

 

 

それにしてもすごい人である。
サブカルチャーという言葉ができる前から、生き方ぜんぶがサブカルじみている。
それは同性愛や喫煙だけではなくて、芸術活動でもそう。ライフスタイルから何から、まるで昭和の終わり頃の日本みたいな自由さがある。

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映画とは関係なく、今日のお昼は「アンアン」でピザを食べた。
上野公園のパンダよりも、つまり雑誌の「アンアン」よりも古くからあるピザハウス。静岡市では「アンピ」で通じるほどの老舗。

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いちばん小さい6インチでもお腹いっぱいになる。
厚切りのベーコンやサラミ、鶏肉、それにチーズが溢れている。
僕はトマトを抜いてもらう。トマトが無いと、水っぽさが皆無になって、脂と塩と油とトマトと肉類の連続になる。分厚いピザの”台”は、油や脂をトマトソースと共に受け止める、まさに台座でしかない*2
これを薄暗い店内で老若男女が黙々と食べるのが、静岡は鷹匠町の「アンアン」。老女がコーラと共にピザを食べていることも珍しくない。ちなみに余った場合は申告すれば、アルミホイルや容器を出してくれる。

僕はピーマンが苦手だが、今日は乗せたままにしてもらった。健康を考えて…というわけではなくて、これくらいに脂と塩と油とトマトと肉類の連続だと、アクセントが欲しくなるのだ。タバスコを後半に投入することは決定済みだが、もうひとつの戦術的切り札としてピーマンを採用したのだ。

「こってりしたラーメンを食べたい」といった”悪徳の暴食”の一種だと思う。
ああ食べたいなあ、と決めたらそればかり考えてしまう。僕にとっての「アンアンのピザ」がそれなのだ。ちょうど新静岡駅周辺で昼食の時間になったときに、ふと思いついたらその日の午後は満腹で過ごすことになる。満足と満腹、そして夕食を軽く済ませることになる。

この「中学生が考えた最強のピザ」みたいなものが、アンティークカフェみたいな場所で提供され、しかも大昔はおしゃれなスポットだったというから面白い。
今はちょうど蔦が紅葉の時期で、まるでピザみたいな色合いになっている。店内は暗くて、外は見えないけれど。

 

 

映画も良かったしピザもおいしかった。
風が強くて、帰宅したら洗濯物が飛んでいた以外は、良い水曜日だったと思う。

では寝ます。おやすみなさい。

 

パンダのan an

パンダのan an

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お題「ゆっくり見たい映画」

*1:ムーミンに登場する「おしゃまさん」のモデルである。この映画では、おしゃまさんそっくりの顔や服装で、思わず笑いそうになった。

*2:とはいえ、ざくざくした焼き上がりで、さすが専門店のおいしさ。

コメダ珈琲のピスタチオ・シロノワール/ゼルダの伝説

諸事情あってコメダ珈琲店へ行った。
好きな店ではないけれど、打ち合わせ等で行くことはある。静岡県中部というのは、喫茶店が比較的少ない。会社や家の外で会う、そして誰もが知っている場所となると、幹線道路沿いのコメダとなる(なってしまう)ことも多々あるのだった。

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自分からは積極的に行くことはないコメダ珈琲。でもせっかくなので楽しみたい。
というわけで、用事が済んでからも席から立たず、そのまま書類整理や読書など自分の時間を過ごした。そのときに、コーヒーのおかわりと、シロノワールを注文した。

コーヒーはいつものブレンドコーヒー。
シロノワールはピスタチオのものが限定版で勧められたので、それの小サイズを。

シロノワールというのはデニッシュにソフトクリームや甘いソースをかけたコメダ珈琲店オリジナルのスイーツ。室温ですぐ溶けるソフトクリームは慌ただしくて嫌なので、今日は生クリームに替えてもらった。

ピスタチオ色のソースは、かなり甘い。キャラメルというか飴のような味。ピスタチオフレーバーのチェルシーがあったら、こんな味かもしれない。
デニッシュも生クリームも、この甘さに引っ張られて、全体にべたべたした感じ。

ピスタチオらしさは、見た目ほどではない。
普通においしい喫茶店の垢抜けないおやつ、といった感じだった。
ピスタチオ味を謳うのならば、もう少し量を増やさないと”薄い”のではないか。

 

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さて、毎日20分から60分ずつ、少しでも手を付けていたゲーム「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」も一段落。
進捗度は相変わらず4割強、でも最後の敵は倒したし、主人公が訪れる祠は全部行けた*1
今後は、のんびりとゼルダの伝説世界を散歩して過ごすことになるだろう。
本を一旦、本棚に戻すような気分。中年になって初めてのゲームは、良いゲームでした。

 

 

しかしこの「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」は、どうやら続編が開発中らしい。
そういえば、ゲーム中ではいくつか「登場するが、まるで説明もないし、ストーリーにも関わらない要素」があった。シナリオの中心に位置する古代遺跡・超古代文明とは全く別の、独自の文化と体系がありそうな遺跡群(龍と、ぐるぐる模様と、緑色っぽい発光)がそれだ。道中で拾える宝石のなかで唯一、現実世界にはない「夜光石」も、次のストーリーに関わってくるのではないか。
龍の遺跡と同じく、ストーリーでは直接は語られないけれど、名前も残っていない「辺境」と「辺境の民」が世界の端々に現れる。
そういった、話の本筋には全く影響しないけれど、どこか世界の暗さを感じさせる”背景”も、このゲームの魅力だった。
妙にバランスを欠いた明るい住人たち、そして滅んでしまった辺境の民。まるで子供の頃に見たNHKの人形劇や「まんが日本昔ばなし」に漂う、うっすらとした怖さが、このゲームにはある。

 


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とはいえ続編の発売は、まだまだ先のようだ。
今はもう、手元にある1作目でお腹いっぱい。そんな話を遠方の知人にしたところ「有料で追加シナリオのアップデートがある」というではないか。値段も安いし、買うかどうかを思案しているところ。
課金で沼、みたいなものではないようだが。

 

お題「わたしの癒やし」

 

*1:最後の祠で褒めてもらえた。

モンブラン:Pause Cafe

なんだかモンブランが食べたい、と朝から思っていた。理由はわからない。夢に出てきたのかもしれない。
今日食べたかったのは次のタイプ。

  • 色:黄色
  • サイズ:大きければ大きいほど嬉しい
  • 質:問わない
  • スタイル:定番でもアレンジでも、モンブランタルトでもパフェでもなんでもいい
  • 場所:静岡県中部、できれば外食したい
  • 備考:新しいお店を開拓したい

 

以上の条件で脳内ストレージを検索したところ、清水区鳥坂の「古民家 Pause Cafe」がヒットした。場所は知っているが、行ったことがないお店。幸いなことに開店日かつ店内での営業も再開している。
静岡の市街地から清水区へ向けて北街道を東進、中古自動車店や資材倉庫などが続く、正直ぱっとしない直線道路。左にコンビニエンスストア(確かセブンイレブン)が見えたら細い道を右折し山側の宅地へ入っていって1分で到着する。看板は小さいが、電柱にも広告を出している。

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しかし屋号に謳うほど古民家ではない。
田舎に行けばよくある、農家の大きな和風住宅である。平成時代に建てたといっても不自然ではない。玄関は広く、ギャラリーやイベントに使えるスペースもあるようだ。
テラス席(というか庭)では小型犬を連れてランチを楽しんでいる人達もいた。

ドライフラワーなどがたっぷり飾られた店内は、居心地がいい。
2人くらいで切り盛りしているのだろう、静かな店内でほったらかしにされて、のんびりできる。

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モンブランは季節限定かつ数量限定だった。
クレープを敷いた器に、パウンドケーキの切れ端やバニラアイス、その他おいしそうなものを詰め込んで、生クリームの山を築き、そして黄色いマロンクリームを絞った不思議なモンブラン。しかし上記の条件は完璧に満たしているし、きちんとおいしい。
ケーキではなくパフェなのだろう。なかなかおもしろいおやつだった。

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コーヒーも良かった。やや薄く浅い気がする*1。ただ、量が多くて、ゆっくり楽しむにはこれくらいが丁度いい。ケーキ専門店とは違うおいしさがある。

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こういうカフェも久しぶり。
自分と同年代か少し上の女性が考えるナチュラルなお店の定番。ジャンクでグランジサブカルなカフェよりもコストがかかる分、上手くいくと土地の有名店になる*2
自分の行動範囲からは少し外れるが、継続して注目していきたい素敵なお店に出会えた。それに、ランチメニューがおいしそうだった。

ぼんやりとした「モンブランが食べたい…」から始まった今日のおやつ、なかなか良い結果になって嬉しい。

 

しかし、もうクリスマスか。あわてんぼうのサンタクロースも安心の先行配備である。

ところで、下取りに出すiMacは、今日の午前中にクロネコヤマトの手によって運ばれていった。本体のみ、ケーブルもキーボードもマウスも不要だという。
それはそうとして、先ほどAppleからショートメールが届いた。「明日に引き取りに伺います」と書かれている。今日のクロネコヤマト男は偽物だったのかもしれない。困ったことである。

 

 

*1:高齢者向けかもしれない

*2:カフェ好きが県境を超えて「遠征」する店。

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