夕食に用意した豆乳鍋が吹きこぼれて、最悪の気分である。
ああもう。
鍋の掃除は仕方がない。吹けば綺麗になるし、鍋は中身を移し替えれば夕食に支障はない。ただ、沸騰した豆乳(と塩分を含んだ汁)は細かく固まってしまう。湯葉の親戚みたいなぼろぼろした何かを、豆腐や白菜と共に食べることになる。
これでは豆乳鍋の持ち味が台無しである。
味は変わらない、あるいは口に入れば同じ、そういうものではないのだ。
豆乳鍋の失敗は仕方がない。それより前、夕方に20分ほど仮眠を取ったときのことを書く。
帰宅した直後、どうしても眠くなってしまったのだ。
そのときに「正月の夢」を見た。
部屋の窓を閉め忘れていて冷たい風が吹き込み、さらに髪を切ってきたばかりで、身体が真冬の寒さを思い出したのかもしれない*1。
その正月で、僕はひとりでおせち料理を食べていた。台所で準備をしながらのつまみ食い。とても幸せな夢だった。
おせちにはなぜか*2四の重が存在していた。
そこには、お正月とは関係がない、何か甘くておいしいものが詰まっていた。
でもそれが何か、目が覚めた時には完全に忘れてしまった。
ぎっしり詰まったドーナツだったのかもしれない。
重箱を完全に覆ったタルトタタンだった気もする。
ただ、もしかしたらおせち料理に含まれていてもおかしくないもの、例えば芋羊羹や吹き寄せの類ではなかった、それだけを覚えている。
なにしろ夢の話だ。書いていて虚しくなってきたので、この話はおしまい。
でもこの夢のせいで、夜になってからずっと新年の気分を感じている。
ちょっとした空気の冷たさや、交換したばかりの歯ブラシ、厚着をして外を歩くこと。そういう諸々が、なんだかお正月っぽいのだ。
ともあれ月曜日を乗り切った。
もう寝ます。おやすみなさい。