良い天気だが、僕はデスクワーク。
気分転換に外に出たら、気温は22℃で明るく晴れている。旅行もしたい、動物園や水族館にも行きたい、目的のない自転車散策もしたい、と強く思ったのだった。
帰宅後に夕食の支度をしていたら、父の知人がワラビを届けてくれた。
鶏肉のトマト煮に仕上げの唐辛子を入れるところだったので、いささか悩む。トマト煮を中心にした献立にワラビは合わない気がする。
でもワラビは下拵えに一晩はかかるから、今夜の夕食を気にする必要は無いのだった。
山菜のアク抜き*1のなかでは"作業は簡単・時間はかかる"タイプだ。
洗って切って蓋付きの容器に入れてから、熱湯をかける。
そのまま8時間ほど放置する。
重曹が濃いと、あるいはお湯の温度が高いとワラビが柔らかくなってしまうので、重曹少なめ・低温で処理し、長時間置いたほうが安全だろう。
僕は粗熱がとれた時点で、冷蔵庫に入れた。
丁寧にやる人は、切り口に重曹をまぶすのだという。料理屋では木や藁の灰を使うらしい。
食べる前には、重曹の風味が消えるまで水にさらす。
こういう食材は、独り暮らしの時には扱わない。
アク抜きも知識として知っていただけなので、いざ作業をする段になって戸惑う*2。
おそらく実家で行ったのは初めてだ。
作業後に、先端の芽のような部分を切り落とすのを忘れていた。まあ後でもかまわないはずだ。
こういった一手間かかる農産物が、よく届くようになった。
父の友人知人に元農家など"田舎の人"が増えたことが大きな理由だろう。なんとなく、父と僕の2人暮らしが「親戚や近所に譲りづらい食材の最終処分場」になっているような気がする。そういう事を実際に言う人もいる*3。さっと洗ってぱくっと食べられるようなものを持ってきてくれる人は少ない。
ワラビ程度なら別にかまわないけれど、でも正直ちょっと面倒くさいのだった。