所用で焼津市へ。
用事を済ませた後に、訪問先の人達に勧められた店へ行き、昼食を済ませた。
ここ数ヶ月は、このパターンが本当に多い。
朝にお弁当を用意する時間が無い場合は、昼は外食となる。馴染みのない土地では雑談がてら「おすすめの場所」を聞く。どういうわけか安い中華料理店、いわゆる「街中華」を紹介されることが多く、たいていは定食か炒飯を食べる。
パターン化というのは"なんとなく嫌"だと思ってしまう性分なので、ちょっとだけ困っている。「孤独のグルメ」っぽいのも、なんだか気恥ずかしい。
でも今日の「チャン・ルーム」は、とても良いお店だった。
こういう店を知ることができるのなら、「紹介&訪問」パターンも悪くないと思えてしまう。
「チャン・ルーム」は目立たない店だ。
1980年代から90年代の喫茶店様式の思わせる外観。実際に、喫茶店を中華料理店に改装したのかもしれない。看板をしっかり見ないと、住宅街の喫茶店にしか見えない。
明るい店内は、しかしきちんと中華料理店だ。
普通のラーメンや炒飯もあるけれど、野菜をたっぷり使った料理が目立つ。
週替りのランチメニューやセットメニューを目当てに来るお客さんが多そうだ。
僕は豚角煮の定食を食べてみた*1。
大ぶりの角煮とたっぷりの野菜が、醤油味の餡かけでまとめられている。
ごはん、中華風のスープ、焼売にサラダ*2それに中国茶のセットだった。
内容からしたら、ずいぶんと安い。
角煮は好物だが、この店のものは特別においしかった。
スパイスが弱めで甘めの味付けは、ごはんのおかずっぽさがある。実に食べやすいのだ。
野菜が多いのもうれしい。こういう肉料理こそ、野菜があると輝く。
近所にあったら嬉しい店だと思う。父や伯父を連れてきたら喜びそうだ。
BGMはビートルズ、接客担当の女性は物静か、街の中華屋さんらしく漫画や飾りつけも多いが落ち着いた店内と、ありそうで無い雰囲気。
肉体労働者が山盛りの中華丼を食べる横で中年女性達がランチセットを楽しんでいるという、不思議な雰囲気の店でもあった。
なるほどこれが「チャン・ルーム」なのか…と頷きながら店を出た。
なにが「なるほど」なのか自分でもよくわからないが、ちょっと変わった名前と同じく、控えめに唯一無二の店として、記憶に残る店だった。店主の主張が強い店よりも、この「チャン・ルーム」のほうがよほど個性的だ。
それにしても焼津市の道路は覚えづらい。
まっすぐに東西あるいは南北に走る道が無いうえに、区画整理されてない地域にバイパスが走る。今日は徒歩移動が多かったせいで、ほぼマップアプリに頼りきりだった。
静岡県の中部においても、最高難易度の土地だと思う。