古いフライパン・陸鹿尾菜

夕方、伯父が古いフライパンを持ってきた。
片付けをしていたら見つけた、実はとても良いものなのだという。

正直なところ、我が家では不要である。
大昔の鉄のフライパン(実はとても良いフライパン)も悪くないけれど、そのへんで買ってきたテフロン加工のアルミフライパンで十分に使いやすいので。

しかし伯父がわざわざ持ってきてくれたものを突き返すわけにはいかない。
最近こういう「理由がよくわからない贈り物」が増えた伯父。しかし、悪気はあるわけではないのだ。

 

 

不要ではあるが、貰ったからには活用したい。

直径18cmと小ぶりな、真っ黒な鉄フライパン。最近の本格派を謳うそれに比べると薄くて軽い。しかし、柄も縁も頑丈にできている。
プロ用のコンロで乱暴に使うための道具と思われる*1
伯父がかつて仕事で関わっていた洋食屋さんの品ではないかと想像する。

とりあえず全体にこびりついた油汚れを溶かすべく、強めの薬剤に漬け込んでみた。
こういう時に、昔の職場で得た知識が役に立つ。ただし、きちんとした設備で作業できるわけではないので、気を抜くと手指が薬傷を負ってしまう。
本来は素人が家庭で行う作業ではないのだ。素人でも入手できる薬剤を使うが、あまり褒められた行為ではない。自分がわざわざ行うのは、趣味のようなものだからだ。

 

夕方にフライパンを漬け込んで数時間放置。
先ほど見たら、焦げた油の層が剥がれはじめていた。
これならば明日には復活できるだろう。
休日の間に油慣らしをして、オムレツと卵焼き用のフライパンとして活用するつもり。キャンプに持っていくのも良さそうだ。

 

 

 

 

ところで伯父は、たくさんのオカヒジキも持ってきたのだった。
オカヒジキは好きな野菜だ。栄養があり安くて使いやすく、くせも無い。静岡県中部では見かける機会は少ないが、四国で暮らしていた時は頻繁に買っていた。

しかし、大量に持ち込まれると困ってしまう。
さっと茹でれば嵩は減るものの、それでも大量消費の手段が無い。数日間は「オカヒジキ生活」になってしまう*2

伯父は「たくさん手に入ったから」と言っていた。そして、伯父の家族は食べないのだそうだ。
食べないものを大量に入手し、他人に譲るというのも、老人らしい行動ではある。

ちなみに今日は辛子酢味噌で和えてみた。
茹でれば冷凍保存が可能だというので、半分は冷凍。残りは明日に食べる。

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:昔のレストランでは、フライパンは薄かったのだと伯父は言う。重い道具はプロの現場では使いづらい。

*2:多肉植物に見える。案外、生でも日持ちする可能性はある。

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