来客もなく父と2人の正月は、夕食が悩ましい。
朝は、お雑煮とお節料理がある。普段はサラダやパンやヨーグルトで済ませている身としては、いささか糖質過多だ。昨日も今日も、食後に眠くなってしまった。
だから昼食は、軽めに済ませる。
意識して野菜を多めにして、質素なものを作る。朝の雑煮とは趣向を変えた雑煮*1などが多い。
そして夕食。
昼を簡単に済ませても、だらだらと午後を過ごした後なので、たくさん食べる気にはならない。
今日のような雨天で外出も控えていた時は、尚更だ。
2年前、母が元気だった時にはどうしていたのだろう。
毎年の当たり前だった光景が、ぼんやりとしか浮かんでこない。そもそも、あの頃は元旦も2日も、夕食は来客を招いていた。
誰も来ない日ならば母はわりと手を抜いていたはずで、手抜きかつ健康的な食事というと、鍋だろうか。
父も自分も、そして生きていたなら母も、手を抜くための外食という選択をあまりしない。外食というのは、たとえラーメン屋でも何かしらの理由と愉しみがあるものだ。
手を抜いて、仕方がなく行う外食は、仕事の時だけのものだった。
というわけで今は少し悩んでいる。
今夜の夕食をどうしようか。
昨晩は遠方の親戚から届いた冷凍のイカやイクラを食べた。
今日はそういう特別なものがない。
仕方がないから鍋にしようか。豆腐も白菜もあるし、冷凍庫には魚や肉団子もあるから、なんとかなるだろう。
なんとなく、三が日の間は非日常でいたい気分はある。
例えばカレーや麻婆豆腐というのは、正月っぽさに欠ける。
しかし、さっぱりした鍋ならば、「疲れた胃腸を労るため」という大義がある。
そんなふうに、極めて個人的な範囲とささやかな水準で、お正月の夕食は悩ましいのだった。