台風通過ということでそれなりの緊張感があった朝。
しかし(幸いなことに)静岡県中部地方においては、雨が降っても通り雨、どちらかといえば良く晴れた過ごしやすい日だった。
風は強かったし、駿河湾の波は大きかった。海沿いの道では塩味の風でメガネが曇ってしまった。
全体的に雲は多いが、富士山はきちんと見えた。
駿河湾を挟んで45kmくらいは離れた伊豆半島西岸もくっきり。でも、時々は大粒の雨が飛んでくる。
なんだかよくわからない天気と気候だった。
よくわからない、といえば帰宅したら玄関前にウォーターサーバーがあった。
近所に住む父の知人(90歳の老人)が、ショッピングモールの福引イベントで当たったそうだ。でも自宅ではほとんど使わないから、もし良かったらどうぞ…とのこと。
このひとは、相手の意向を聞く前に現物を持ってくるタイプの行動力があるのだ。
しかしこのウォーターサーバーは、どう見てもレンタル品だ。
福引の特賞と思わせて現物を渡し、数カ月後からはレンタル料を取るような商売だったはず。交換する水ボトルだって専用品だから、いつまでも無料ではない。
もし受け取って使うのなら我が家で再契約しなければならない。もちろん引き取るつもりはない。
正直なところ、高齢者を騙す詐欺じみた商売だと思う。
もちろん、レンタル品を又借りなんてできない。しかしそれ以上に、このままでは老人が損をする。十中八九、解約料を取られるだろう。
ちょっと調べてみたら、市役所がこの種のトラブルに対する高齢者向け窓口を解説しているようなのだ。老人の家族に事の次第を伝え、ついでに市役所の担当者にも話を繋ぎ、この件は僕の手から離れた。
しかし自宅玄関前にウォーターサーバーがある光景というのは、なかなかにシュールだった。美術系専門学校生の卒業制作みたいな突飛さがある。合板とキャスターを組み合わせた手作りの台車に乗っているところも不思議感を増していた。
写真を撮っておけばよかったと、今とても後悔している。
そんな金曜日だった。いきなり過ごしやすい気候になったせいか、まるで春のように眠い。だから寝ます。おやすみなさい。