遊水地と鯛焼きと、入れ替わりの日。

涼しいけれど日差しは暖かい、とても気持ちの良い天気。
午後に少しだけ時間を作って、自転車で探索をしてきた。

 

扇状地の中ほど、昔は沼だった場所を明治から大正にかけて遊水地にした…という場所に行ってみた。
確かに遊水地の名残はあった。ただし、灌木と干上がった沼の他は、産廃業者や資材置場、廃材を利用した農地、怪しげなドッグブリーダーの家などが雑然と集まっているだけ。サスペンス映画ならヤバいブツの受け渡しに使われそうな殺伐とした場所だった。
マイナーとはいえ天然記念物の植物群落もあり、野鳥も多く、今どきの行政ならお金をかけて"市民の憩いの場”にしてもおかしくないのに。駐車場もないからほとんどの人は違法駐車をしている。
そんな場所だから、沼を囲う散策路も綺麗とはいえない。野良猫が沢山いて、立て札による「行政」「野良猫愛好家」「付近の住民」の戦いが勃発していた。それぞれの主張が立て札で行われ、その下には汚れたキャットフードの缶が転がっている。

気分転換にしては心が暗くなる場所だった。
地元の人が話題にしているところを見たこともないし、そもそも自転車乗りの姿を見ない。車が少ない周回路があるのに自転車趣味の人間が不在とは、本当に人気が無いのだろう。

 

 

 

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そんな今日のおやつは、またしても鯛焼き
別に鯛焼きマニアでもないのだが、お手軽に買えて、持ち帰りが容易で、季節を問わないおやつとなると、和風の第一選択が鯛焼きになってしまうのだ。

これはスーパーマーケットに隣接した古い売店で買った。
ふわふわの生地で、皮がはみ出ていて、全体の凸凹がぼんやりしている。裏側は鱗模様すら消えていた。
静岡県の中部には、このスタイルの鯛焼きが多い気がする。しかも昔よりも増えている。地域性なのか、何らかの合理があるのかは、僕にはよくわからない。

ちなみに味は凡庸と言わざるを得ない。
なんとなく抹茶を点ててみたのだが*1、お茶の味に負ける鯛焼きなんて初めてかもしれない。

 

 

ともあれ好天が続いているだけで、心身は楽になる。
今思うと、あの東京オリンピックの酷暑は何だったのか。
どうしても「今やればよかったじゃん」と思ってしまう。
今の時期に開催していれば、観客だって入れることもできたし、熱中症対策やコンディション管理に気を使うこともなかった。時間の余裕があれば、あの奇妙な開会式も、ある程度マシになっていただろう。

 

 

今日は、ちょうど総理と内閣が変わる日でもあった。
こういう時に「節目の日にさえ批判ばかりする礼儀知らずは信用しない」と言い出す人がTwitterFacebookには必ず出てくる。昔に比べて増えている印象があるし、なんだかそれが常識みたいに語られはじめている。

しかし僕を含む多くの人は菅(元)総理の友だちではないし、岸田(新)総理のファンでもない。そしてSNSは文字数が限られている。書くだけなら簡単なのだが、形式にこだわると本論がぼやける。
この辺り、普通の”人づきあいのマナー”とは違う。
だから「おつかれさま」や「これからお願いします」が無いから駄目だというのは、かなり乱暴だと僕は考える。

もしも僕達と彼らとの間にある「最低限の礼儀」とは何かというと、彼らの仕事について真面目に語ることだ。なのに慇懃無礼を率先して行っていれば、次に来るのは「人間性でランク付け」である。
ましてや彼らは権力の側にある人間である。100歳で記念品を貰う老人ではない。

礼儀やマナーによる封殺が繰り返されてきた時代を経たからこそ、菅氏を批判し続けてきた人達は今日も「苦労も多かったでしょう。ありがとう、おつかれさまでした」とは、あえて書かない。書いてもいいけれど、書かない。
新聞が国へのお礼を言わないように。
学術論文に「頑張ったこと」を書かないのと同じように。

もちろん「ごくろうさま」を書きたければ書くのは自由だ。でも書かない人を批判するのは的外れ。
こんなことは、それこそmixiより昔から語られてきたことだ。昨今の常識とは違うかもしれないけれど、大切なことだ。

 

 

 

 

*1:ミルクホイッパーを活用。

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