期日前投票

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県知事選挙の期日前投票を済ませてきた。

所用で山奥の市役所支所に立ち寄ったところ、ロビーの一角が投票会場になっていた。
投票日が暇かどうか自信が無いため、今日に済ませてしまうことに。

選挙は基本的に期日前投票で行っている。
今までの、どの投票よりも、今回の会場は雑だった。

まずレイアウトがひどい。
入り口には「新型コロナ感染対策のため、私達は2m以上の距離を保ちます」などの"安全宣言”が掲げられていた。
でも、係員は2mも離れていない。案内係の人達も、ぐいぐい近寄ってくる。

狭い会場に何人ものスタッフが詰め込まれているのに、通路と会場との間が隙間だらけ。図書館の返却窓口から帰ろうとする人やトイレを借りる人達が投票箱の横に迷い込むのだ。

スタッフの対応も変だった。
自分は投票案内の葉書を持参していなかった。
その旨を伝えると、まず「では家に帰って持ってきてください」という。
そんな事はなかろう、と戸惑っていたら、通りかかった市役所の人が「葉書が無くてもできるはずですよーマニュアル読んでくださいねー」と声をかけてくれた。
実際、名前と生年月日を伝えたら*1すぐに再発行してくれた。マニュアル以前の、事前研修で習いそうな手順である。

その再発行葉書と引き換えに投票用紙を受け取り、投票机に向かう。
すると先ほどの老スタッフが後ろから声をかけてくるのだ。「ゆっくりでいいですよ。空いてますからね」という。
投票中に声をかける選挙管理スタッフなんて人生初である。たぶん、そういう事は禁止されているはずだ。

そういえば、と思い出す。
この支所に入ったときに「期日前投票やってまーす。どうですか済ませていきませんかー」と声をかけられたのだった。選挙は任意のものだから、厳密に言うとこの"声掛け”も駄目な気がする。

とにかくそうやって、後ろから声をかけられながら投票用紙に記入をする。
老スタッフが何か言って、まわりの人達がどっと笑う。変な会場である。

さらにおかしなことに、2人の立会人のうち1人が居眠りをしていた。
今日は初日、そしてまだ午前中。なのに投票立会人の50%が寝てしまっているのだ。
アメリカならば選挙無効を訴えて、大統領がホワイトハウスに立てこもる事態である。

しかしここは静岡県中部の田舎。公職選挙法はそれほど重視されない。
だからぐうぐう寝ていても、誰も何も言わない。
結局この人は、僕が大きな足音を立てても目を覚まさなかった。

そして選挙会場を後にするときには、5人のスタッフが大きな声で見送ってくれる。今どき、家電量販店で冷蔵庫を買っても、ここまで喜ばれないだろう。
一人は僕より先に動き自動ドアを開けてくれた。

思い返すに、おかしな期日前投票会場だった。
何かしらの理由で犯罪組織がニセの会場を設えていたのかもしれない。本物の会場は、別館にあった可能性もある。
それくらいに、あちこち小さな部分で変なところがある投票所だった。

 

 

 

 

*1:案内葉書の無い人向けに、名前と生年月日を書く用紙があった。

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