夜の除菌、信用金庫、そしてGoogle Chromeの再インストール。

相変わらず風邪をひいている。だいぶ良くなったし、もう体温も平常通り。少し咳が出てきた。

 

昨日から甥と姪が泊まっている。いつもならば、一緒に遊んで、賑やかに過ごすのだけれど、さすがに今回は接触を避けている。マスクをして挨拶をした以外は、顔も合わせていない。食事は自室で食べているし、タオルなども別にしている。

廊下の向こうから幼い子供たちの声が聞こえてくると、なんとなく“文学っぽい”と感じる。
例えば甥が将来、回想録を書くとして「叔父は病弱な人だった。常に部屋に篭もっていて、食事の席にも滅多に顔を出さない。何を生業としていたかさえ定かではない。祖父や祖母から「病気が感染るから会ってはいけない」と言われていたこともあって、廊下の一番奥にあった彼の部屋こそは、幼少期の私にとっては原初の異界(民俗語彙ではなく分析概念である点に注意されたい)、あるいはソフォクレスの戯曲における…」みたいな文章にしてくれたら、叔父冥利に尽きる。
実際には、いつも病弱で部屋に篭っている訳ではないから、叔父としての僕にはそれほど文学性は無いが、それはともかくとして。

 

そういえば昨晩、姪がこっそり部屋に見舞いに来てくれた。とても心優しく、可愛らしい、そして勇気ある行動だと思う。博愛精神の体現者である。
ノックの音には気づいていたが、寝たふりをしていた。会話をすればそれだけ感染のリスクが高まる。ちょっと様子を見て、すぐに帰ってくれればいい、そう考えたのだ。
「おじちゃん、だいじょぶですかー」と、ささやくような声が聞こえる。思わず笑いそうになる。この子も人を気遣う年頃になったのか、あの赤ちゃんが大きくなったものだ、そんな事を考えていたら、顔に冷たい何かを感じた。
薄目を開けたら、鼻と口をタオルで覆い、花粉症用の眼鏡(たぶん母のもの)を装着した姪が、僕に向けてファブリーズを噴霧していた。できるだけ腕を伸ばして、噴霧するたびに「じょきん、じょきん」と呟いている。
満足するまで“ファブリーズした”後、姪は部屋を出ていった。
これは体験してみないとわからないと思うが、就学前の子供に「除菌」されると、ある種独特の惨めさを味わえる。
もちろん善意に基づく、彼女なりの精一杯の医療行為だとは頭ではわかっている。しかしそうであっても、感染症の「穢れ」という側面に、我が事として対峙させられることは非日常の事件であり、それは惨めという言葉が最も相応しい。そもそもファブリーズが消臭スプレーであることもまた、残酷な天使のテーゼだ。

顔は洗えば良いが、布団についたグリーンフローラルの香りは、今も少し残っている。
玄関にあった消毒用エタノールを使われるよりはましかもしれないが(除菌と消毒、どちらが惨めだろうか)、匂いに限ればファブリーズは困る。微香性とはいうものの、僕は元々、ああいう匂いが苦手なのだ。
ところでグリーンフローラルって、具体的には何なのだろう。

 

そして今日。
部屋にずっといるのも気が滅入るし、財布の現金も少なくなっていたため、昼過ぎに少しだけ外出し、信用金庫に行ってきた。
ずいぶん混雑している。特に両替機で新札に替える人の行列が目立った。
ATMで現金をおろした後に、手続きというか問い合わせの為に、カウンターに並んだ。
待っている時、「数字としては大したことはないです。気分の問題ですね」という銀行員(信用金庫員?)の声が聞こえた。果たしてどのような理由と状況で、金融機関の人間が「気分の問題」なんて言葉を使うのだろう。気になったが、もちろん真相は謎のままだ。

 

かなり回復はしたが、遊びまわれる程ではない。今日は出来る限り安静にして、明日の朝には全快となる目論見で、今はまた部屋に篭っている。
パソコンに向かうのは大丈夫。TwitterFacebookならば問題はない。しかしIllustratorで創作活動となると、全く捗らない。脳の使う部分が違うのだろう。ちなみにエッセイや漫画は楽しめるが、SF小説は眠くなってしまう。仕事関係の本は、ページは進むけれど記憶に残らない。できる事が限られている。
つまり、暇なのだ。

そんなわけで、Google Chromeの再インストールを実施した。
Chromeは便利なブラウザだが、最近はタブをたくさん開くと、動作がとても遅くなる。調べていくうちに、再インストールが解決策になりそうだとわかってきた。

作業は簡単。
設定などはChromeがインターネットの向こう側に保存してくれているから(Google万々歳)、Chrome本体を削除して、ついでにユーザーフォルダのライブラリにあるChrome関係のフォルダもゴミ箱に入れる。
そのうえで、あらかじめダウンロードしてあったChromeをインストールし、Googleのアカウントでログインする。設定もブックマークも、あっという間に元通り。
その後は、ログオンあるいはログインが必要なサイトを片っ端から訪れて、ユーザ名とパスワードを入力して、作業は完了。

開いてあったタブ(40くらい)は拡張機能の「One Tab」を使ってバックアップしてあった。パスワードは「1Password」というアプリケーションで一元管理している。
だから作業自体はものすごく簡単で、10分もかからなかった。

Chrome自体は、同じバージョンなのにサイズが半分くらいになった。キャッシュを計算に入れないで、50%の減量。残りの半分は何だったのだろうか。
そして、動作が目に見えて軽快になった。
それほど頻繁に行う作業ではないが、覚えておくと便利かもしれない。
不具合は、たぶん無いと思う。今のところは、気になるところは無い。

 

 

 

ではまた寝る。
本当は映画に行きたかった。「ゴーンガール」を観たかった。でもそれは、明日以降のお楽しみ。

 

 

ゴーン・ガール 上 (小学館文庫)

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ゴーン・ガール 下 (小学館文庫)

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