抹茶ホットケーキをつくりだめ

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遠方の友人から、ホットケーキミックスの粉が届いた。
地粉でオーガニックでアルミニウムフリーな品ではなくて、ごく普通のメーカー品。自宅の近くに工場があって、アウトレット品が手に入るとのこと。いくつかネットワーク関係の手伝いをしたお礼としていただいた。

我が家でホットケーキを食べるのは自分だけ。
ちょうど今日は自分以外は留守だったので、お昼に食べてみた。

半分は普通に焼いた。
残りは製菓用の抹茶を混ぜた。

どちらもおいしい。昔から食べている安心の味。

 

 

製菓用抹茶は量が多くて安い。普段からインスタントコーヒーのようにがばがばと飲んでいる。味わい、香りは茶道用のものと比べて劣るが、色と抹茶臭さは、より強く感じる。

鶏卵が少なめだったせいか、妙にざくざくとした歯ざわりになった。
たくさん焼いて、残りは冷凍した。

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それ以外は特筆すべき事は無し。
なにしろ平和な日だった。
ただし身体は疲れていた。空いた時間に少しずつ庭に手を入れていて、その度に使わない筋肉が疲労する。じんわりと腿や腰に痛みがある。

 

お題「手作りしました」

 

友人とは画面越し、ホットケーキとオレンジティー、ガラスのカッターマット、おすすめまんが、そして六花亭。

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ビデオ会議

かつての同僚達と、ビデオ会議での近況報告会を行った。
何年かに1度、皆で集まってお茶を飲みながらお喋りをしていた。今年はそれぞれ諸事情あって、このお茶会が開けない。要は、新型コロナ対策である。本人は大丈夫でも家族が高齢者などの事情で、安全寄りに行動を制限せざるを得ないのだ。

それでもまあ、楽しい会議だった。もう共通の話題なんて全く無いのだけれど、だからこそ無駄話が弾む。

 

 

ホットケーキ

なんとなく(上述の会議の名残で)ファミレスに行きたくなった。
なのでおやつは「デニーズ」でホットケーキを食べた。

これがもう、びっくりするくらいに寂しいホットケーキだった。外食で、しかもファミリーレストランなのに、全く祝祭的な要素が無い。
余った小麦粉と卵とベーキングパウダーで適当に作った自分用のホットケーキのほうが、まだ浮かれている。

何か大切なことを忘れてしまったかのようなおやつ。夏の祭の記憶がすっぽり抜け落ちたような気分にさせられた。

思わず、人生初の「ファミレスのドリンクバーでオリジナルドリンク作り」をしたくらいには動揺した。
アイスティー(容積で7割)に100%オレンジジュース(2割)と氷(1割)を加えた、オレンジティーは、特においしくもない。こういうことは、1人でやるものではない。

 

KING OF POP 江口寿史 全イラストレーション集

KING OF POP 江口寿史 全イラストレーション集

  • 作者:江口 寿史
  • 発売日: 2015/09/30
  • メディア: 単行本
 

 

鳥の夢

明け方、大きなバードケージの中にいる夢を見た。
そうだ、花鳥園に行こう!と思い立った。なので明日に行く。

 

ふたば PHOTOBOOK

ふたば PHOTOBOOK

  • 作者:南幅俊輔
  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: 単行本
 

 

漫画

最近買って、お気に入りの漫画2冊。

光の箱」は、夜に見知らぬ街を散歩している感じがする。怖さは感じないが、色々と想像してしまう。
しょうもないのうりょく」は、昼間の街の職場っぽい。自分に関わりのない会社を覗き見ている感じ。

交互に読むと楽しい。
知らない街(地元より都会)に長逗留してる気分になれる。
説明しづらい楽しみ方だけれど、今の生活にはないものが、この2冊にはたっぷり詰まっている。おすすめです。

 

光の箱 (flowers コミックス)

光の箱 (flowers コミックス)

 

 

ガラスのカッターマット

レザークラフト用にカッターマットを新調した。
普段はそのへんで買った安物を使い倒していた。100円ショップのものは、消耗も早いし、すぐに駄目になるけれど、惜しみなく使える。事務用品店のものは長持ちするが、それでも汚れたり削れたりはする。

ガラスのカッターマットなる物がある、と知ったので今回はこれにしてみた*1
元よりレザークラフトではガラス板をカット台や作業台、そして研磨作業などに使う。自分は持っていなかったけれど、これで代用になりそう。

ガラスに刃物というと音が嫌な感じがする。しかし試した限りでは、キイキイ音がすることはない。大きなカッターナイフを横に滑らせると音がするけれど、意識してそんな操作をしない限りは大丈夫。ナイフでは傷もつかない。つまり全く消耗しない。

硬くてひんやりして、普段からテープを切ったり下敷きにしたりと活躍するだろう。拭けば完璧にぴかぴかになるのも良い。

 

 

マルセイバターサンド

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スーパーマーケットでフェアをやっていたので、おめおめと買ってしまった。
後悔していない。しかし本当は、北海道に行きたい。六花亭、札幌のフラッグシップ・ショップが最高だった。

お題「わたしの癒やし」

 

今週のお題「暑すぎる」

*1:模型用らしい。近所には売っていなかった。

ハンバーガーショップ・キャノンのホットケーキとアイスコーヒー

焼津市を散策してきた。おやつは老舗喫茶店「キャノン」のホットケーキ。

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まさにホットケーキ、といった雰囲気のホットケーキ。かなりみっしりしていて、食べごたえがある。バターをたっぷり溶かして、ゆっくりと食べていく。
古くて小さな店ではあるけれど、レトロ趣味だけではない価値がある。

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もちろんレトロ趣味、古き佳き昭和といった内装も魅力のひとつ。自分の歳だと既に”過去のもの”だったテーブル式の麻雀ゲームなども、なんとも魅力的に思えてくる。しかし食べ物がおいしいからこそ、思い出したらふと行きたくなる。

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こんなご時世だからか、今日はあまりお客さんを見なかった。
昔から変わらない老店主が、じっくり真剣に銅板の上でホットケーキを焼き、二代目(?)がコーヒーを運んでくれる。末永く続いて欲しい店、志太平野No.1である。

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紙ナプキンにのみ配されたこのロゴが気になる。まあ、いいんじゃないでしょうか。

 

新玉ねぎのハニー・パンケーキと、竹茗堂の娘について。

市役所

社会保障や戸籍に関する小さなミスがあり、マイナンバー関連の手続きをやり直すことになった。
役所に行きサインと印鑑をして、明日か明後日まで待てば良いだけなのだが、朝に連絡があり何度か電話を待ち、市役所に行き説明を聞き…とそれだけで午前中が潰れてしまった。自分のような暇人だから良かったものの、これは普通の勤め人にはできない対応だと思う。

とはいえ、対応してくれた市役所の人達はとても親切、かつ疲弊しているようなので、これ以上は言わない。「SNSなどで広めてくれるなよ」といった意味の“お願い”もされた。はてなブログでどこまで広まるのか疑問だが、とりあえず具体的なことは書かない。ただ、必要以上に面倒が重なって、いかにも「お役所仕事」だなあとは思う。

帰宅したら「10万円の給付金につきましてはオンライン手続きを中止し、郵送のみで行います」とネットニュースで知った。これは英断なのか、それとも我が高松市の事務処理能力に問題があるのか、僕にはもうわからない。

 

 

 

玉ねぎハニーパンケーキ

なんとなく、非日常的なものを、日常の材料で作りたくなった。
普段は組み合わせないもので作られた料理、海外旅行で食べるようなそれ。といっても、アパートにある品ではそれほど珍しいものは作れない。

そろそろ芽が伸びそうな新玉ねぎ、引っ越しまでに消費したい中力粉、半分食べたプレーンヨーグルト、たまご、それにベーキングパウダーでパンケーキを作った。
はちみつをかけて完成。

 

https://www.instagram.com/p/CAcNe8qg8B6/

 

味はまあ、普通。これくらいのアイデア料理なら、オレンジページ別冊「春野菜かんたんレシピ」に載っていそうだ。あと一味の工夫が欲しい。

 

素朴でおいしいお母さんの味 ジャムとお菓子 (講談社のお料理BOOK)

素朴でおいしいお母さんの味 ジャムとお菓子 (講談社のお料理BOOK)

  • 作者:荻野 恭子
  • 発売日: 2012/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

抹茶

濃いめの苦い飲み物、具体的にはエスプレッソが飲みたかった。
でもアパートにはエスプレッソマシーンは無い。
なので、備蓄してある抹茶をしゃかしゃかと泡立てて飲んだ。
どういうわけか、泡立ちが良くないけれど、しかし抹茶味である。
丁寧に、茶室で(お稽古で先生に点てて)いただくそれに比べると雲泥の差ではあるが、目的は達したと思う。

 

死ぬ前に味わいたい1001食品 (GAIA BOOKS)
 

 

竹茗堂の娘

抹茶で思い出した。
高校生の頃に、静岡市の進学塾に通っていた。夏季休暇中の集中コースだったと記憶している。JRの回数券を何束か親に買ってもらっていたので、進学塾以外にも、かなり自由に静岡の街へ出かけていた。

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そんな夏休みに、公園でちょっと変わった人に声をかけられた。
20歳くらいの女性で、学生ではないが普通の勤め人でもない感じ。美容師さんか、インド雑貨屋の店員のような雰囲気だった。
本人は「グリーンティーの家のひとり娘」と自称していた。
静岡でグリーンティーといえばすなわち「ウス茶糖」の竹茗堂である。なるほど老舗の娘さんならば、公園でぶらぶらしていて、知らない高校生に声をかけるような奇行もありえるのではないか、と当時の自分は妙に納得したのだった。なにしろそんな大人は身近にいなかったので。

その人にはいろいろなところに連れていってもらった。
カフェや輸入雑貨店や古着屋さん、自分では大人になってから行く場所だと思いこんでいた場所ばかり。今思うと健全極まりないが、ライブハウスに行ったのも初めてだった。彼女のその周辺の大人達で、僕ははじめて「サブカル」を知った。
おしゃれな人だったし、気前よくいろいろなものを買ってくれた。

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 

 

僕のような「塾通いの中高生」を引き連れて歩くのが、あの人の趣味だったのだろう。自分のような間柄の学生が何人かいて、彼女を通じて学校以外の繋がりができたのも楽しかった。

家から近い進学塾に通うようになって、静岡行き回数券も使い切り、その繋がりも自然消滅した。
たまに学校を半日さぼって静岡の街に行くことはあったけれど*1、ひとりで好きな場所に出入りするだけで十分に街を楽しめるようにもなっていて、偶然に会えば挨拶をする程度のまま関係(?)は自然消滅した。なにしろ携帯電話もメールも無い時代だったから、若者の繋がりなんてそんなものだった。

 

オリーブ少女ライフ

オリーブ少女ライフ

 

 

大人になって静岡に戻ってきてから、あの夏季休暇に行った店を訪れたことがある。どの店もまあ、大したことがない、どこにでもあるカフェや古着屋や楽器屋だった。

そして何年か後には「竹茗堂の娘」なる人は存在しない、と人づてに聞いた*2
数年ごとに「ヨシコンの娘」「竹茗堂の娘」「赤阪鐵工の娘」「いなば食品会長の孫娘」を名乗る女性が青葉公園の西端に出没し、高校生に声をかけ、ただ連れ回すのだという、都市伝説じみた噂を知った*3
自分の知り合いでは、この人に「人生初のマニキュアを教わった」という女性がいる。

そんなわけで、今思うと、相当な変人である。
自分が20代前半で、公園でぼうっとしている高校生に声をかけ、ジュースや食事を与え、得意になって「おすすめの店」に連れ回していたら、これはもう変質者だ。惚れた腫れたの話のほうが、まだ筋道が通る。
性別が違っても、それは大して変わらないだろう。

普通は同年代の、同じ趣味の人達とつるむと思う。行きつけのお店に通い、イベントに参加し親交を深める。行く先々の店で深い繋がりができるわけでもなく「広く浅く、個人経営の服屋やカフェや映画館を訪れる」というのも、ライブハウスや中古レコード店が好きな人にしては、奇妙な行動パターンである。
あるいは、静岡ではつまらないと都会に出ていくか。

とにかく、サブカル乙女にも色々あるが、かなり常軌を逸していた。カルチャー云々とは別の部分でメインストリームから外れている行動だと思う。

とはいえ、暴力や金銭の絡む不良集団というわけでもなく、ややこしい恋愛なども絡まず、煙草も違法薬物にもはまらず、ただ街の面白い場所を知る。そんな奇妙な、ちょっとフィクションじみた1ヶ月と少しを体験させてくれたあの人には感謝している。
僕の趣味嗜好の一部は、あの自称「竹茗堂の娘」さんに決定づけられたのだと思うから。
思えばマイナーな漫画も、チャイも、新聞広告には載らない映画も、あの夏に知った。

 

静岡百景

静岡百景

 

 

当時は「街にはそういう、変わったお姉さんがいる」くらいにしか考えていなかったのだが*4、今のところあの人しか知らない*5

 

 



とにかく、動機はさっぱり想像できないが、親切な人ではあったのだ。
あの出会いが長じて、今の自分があるのだとしたら(あるのだろう)、なかなか人生というのは面白いではないか。

 

 

お薄を点てて、がぶがぶと雑に飲みながら、ふとそんな昔の事を思い出したのだった。
今まですっかり忘れていた。帰省して、当時とは様変わりした青葉公園通りを歩いているときにぼんやり思い出すことはあるが、もはや感慨も何もない。そういう事があったなあ、というだけの話。

 

「違うこと」をしないこと

「違うこと」をしないこと

 
キッチン

キッチン

 

 

お題「手作りしました」

お題「簡単レシピ」

お題「大好きなおやつ」

 

 

 

*1:喘息の治療で学校を半日休むことがあった。そういう時に電車で静岡に行き、ただぶらぶらしていた。

*2:竹茗堂の一族に該当する娘さんは存在しない。デパートの催事企画をしている友人が教えてくれた。

*3:代替わりしていたら面白いと思う。

*4:我ながら薄らぼんやりした高校生だった。

*5:しいて言えば、自転車趣味に関していえば、自分が街の中学生男子集団と、似たような「年齢を超えた謎の付き合い」をしている。といっても話しかけてきたのは中学生達だが。

松山 おいしかったもの

松山市への旅が終わった翌日。
まだiMacは起動しない。
自分でできることを色々と試したが駄目だった。あと1手はありそうだが、今日は無理。明日またがんばる。

 

そんなわけで、遠出もしないで読書ばかりしている日だった。メインのパソコンが使えないから、仕事と旅用のノートパソコンを使っているのだが、これがまるではかどらない。もとより仕事の道具だったからか、だらだら楽しむ気分になれない。モニターも小さいし。

 

ところで先日の松山市旅行ではおいしいものをたくさん食べた。
主に甘いものについて書いておく。

とんかつパフェ

 

かつてネットで知った面白メニューである、松山のとんかつパフェ。遠方の知人からもおすすめされた。
僕は知らなかったけれど、ゲーム「桃太郎電鉄」にも登場したそうだ。
見た目よりおいしいだろう、と想像していたので味にはおどろかない。さくさくとした衣と、匂いや脂が控えめな豚肉、乳脂肪である生クリームに、アクセントとしての抹茶アイス、そして酸味と食感の生りんご。同じ材料で高級フレンチができそうではないか。

かなり細かく丁寧な食べ方指南が添えてあった。
その通りに食べると普通においしい。たぶん一人でのんびり(平熱で)食べるタイプのメニューではないのだろう。とはいえ、りんご以外のフルーツ(缶のサクランボやミックスフルーツ)を食べると、ちょっとだけ混乱する。

話題にはなるがそれほどゲテモノともいえない。お店自体も、新しいことを積極的に進めていく雰囲気あって、セットメニューやランチの種類も多く、下手なチェーン店よりも気が利いた感じ。近所にあったら通うかもしれない。

 

 

松山ラーメン

なにかの本で「甘い」と書かれていた。
そして「瓢」の字を継いだ暖簾分けがされている、とも。
たまたま正午過ぎに到着し、適当に停めたコインパーキングの近くにあったお店が、老舗だった。
居酒屋でもあるラーメン屋、といった雰囲気。昼なので家族連れも多かったけれど、夜は完全に居酒屋になるのではないか。
おでんがあるのも特徴的。僕は普通のラーメンと、おでん(タケノコ、きんかん(鶏の卵管と未成熟卵))を注文した。


スープは「九州の甘い醤油を使っているのかな」と思える甘さ。徳島ラーメンのような出汁の味と相まって、たしかに甘い。麦味噌的な甘さ。

1片だけ浮かんだ肉はさらに甘い。とろりと甘いスイーツに塩気を効かせました、といった雰囲気の甘み。これは少しびっくりする。中華街でぶら下がっている叉焼の外皮だけ集めてとろとろになるまで煮込んだ感じ。

どうしてこういう味付けにしたのかは、よくわからない。西日本の麺類は塩気が強い印象があるので、少し面食らった。
でもとてもおいしかった。機会があれば、他の「瓢」系のお店にも行ってみたい。

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マチボン愛媛vol.12「ぼくらの松山グルメ。」

マチボン愛媛vol.12「ぼくらの松山グルメ。」

  • 発売日: 2019/02/28
  • メディア: 雑誌
 

 

タルト

松山銘菓の「タルト」は、香川県のスーパーマーケットでも普通に売られている。パン売り場の横にある和菓子コーナーの定番といってもいい。お年寄り用のお茶請け菓子の印象。
今まで何度か食べた記憶があるけれど、べったり甘い餡に柚子の風味が混じっていて、それほど好きな味ではなかった。

でも今回、 id:cimacox さんに教えていただいた「六時堂」の品はちょっと違う。お茶に合わせるとぴったりの味になる。

本店は松山城に登るロープウェイ・リフト乗り場のすぐ近くにある。
バラ売りのものを1個買って、松山城で食べた。この選択は自分で自分を褒めてあげたい。暖かな3月の日差しの下で、ペットボトルのお茶とタルト、眼下には松山市街が、そしてすぐそこには松山城がある。

運良く、月に何回かあるという(たぶん6が付く日付)、タルトの端っこを売り出す日だった。自宅用に購入。しばらくタルト生活となる。

 

四国懐菓子88

四国懐菓子88

 

 

 

労研饅頭

ろうけんまんとう、と読む。
これも松山名物。
ふた昔前のku:nelや暮らしの手帖で”再評価”された、なつかしくてほっこりする系の、素朴な地元菓子。

要は蒸しパンである。二酸化炭素の発生は酵母によるもの。
いかにも大正・昭和の真面目な雰囲気があって好ましい。長径15cm弱の大きくて平たい、ふかふかした饅頭だ。
14種類の半分が、「餡なし」な点は珍しい。中国のマントウが好きな僕としては嬉しい限り。今回は「うずら豆」「よもぎ」「よもぎ(餡入り)」「バター」「つぶあん」「かぼちゃあん」を買った。これは帰宅後、今日から食べている。
「バター」は生地にバターが練り込んである、とあるけれど、現代の基準でいうとかなり弱い「バター味」だ。しかしそれがとてもおいしいのだ。

冷凍すれば日持ちするらしい。しばらく労研饅頭生活となる。今回のお土産としては、これがいちばんの収穫だろう。

 

地元菓子 (とんぼの本)

地元菓子 (とんぼの本)

  • 作者:若菜 晃子
  • 発売日: 2013/05/30
  • メディア: 単行本
 
地元パン手帖

地元パン手帖

  • 作者:甲斐 みのり
  • 発売日: 2016/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

「みよしの」の、五食おはぎ

ここは必ず行きたかった。
あんこ好き必携の書籍である「何度でも食べたいあんこの本」で知った。
おはぎとしては小さめ、一口か二口で食べられる寸法のものが5個、経木に包まれている。残念ながら今は持ち帰りのみ。売り切れ必至、とのことで開店直後に行った。

こしあんつぶあん、ごま、青のり、きなこ、で5色を成している。

これは本当においしかった。びっくりした。
動物園の隅で包みを広げて、お茶とともに食したあの時間はこの旅のハイライトだったかもしれない。

労研饅頭とこのおはぎをもう一度買うためだけに再訪しても良いくらい。
「みよしの」は松山市の宝だ。

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何度でも食べたい。 あんこの本 (文春文庫)

何度でも食べたい。 あんこの本 (文春文庫)

  • 作者:尚美, 姜
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: 文庫
 

 

わかくさ珈琲

こういうお店が高松市には無いのだ。
店主が好きなものをちょうどいいバランスで配していて、押し付けがましくない都会ののんびりしたカフェ。場所もいい。お城をぐるりと自転車で散策する途中にある。
観光ルートからほんの少し外れた、でもお堀も石垣も路面電車もすぐ近くという、旅人の休憩にはもってこいの立地。近所にあったらなあ、と松山市民をうらやましく思う。

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パンケーキ

朝ごはんを求めて商店街を彷徨っているときに見つけた喫茶店
数年前、頻繁に東京出張をしていたときに、神田か秋葉原か、あのあたりで入った記憶がある店の本店だった。

厚いパンケーキも、やや苦めのコーヒーも良い感じ。

 

 

 

鯛飯

宿の近くにあった店で食べた。鯛飯(2種類あるらしい)は出張時の接待で、何度か食べた記憶がある。なぜか高松市でも県外者を接待するときに、コース料理の最後に鯛飯が出るのだ。
好物*1だけれど、今回は割愛。というか写真を撮り忘れた。
炊き込みタイプの鯛飯なら最近よく作る。今回は「正解」を知ったので、後日きちんと再現してみる。

 

春夏秋冬 おいしい手帖

春夏秋冬 おいしい手帖

 

 

 

食べたものに関してはこんな感じか。
観光キャンペーンでミカンジュースを試飲させてもらったり、宿のお茶請け菓子が「せとか」だったり、大判焼き的な「日切焼」の白あんが普通に柚子風味だったりと、柑橘県らしかったところも印象に残っている。

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ひとり旅、かつ目的地といえば城と動物園くらいなので、始終食べていた印象がある。
街中は自転車で移動したから路面電車に乗れなかったこと、宿に温泉はあったけれど有名な道後温泉には行けなかったことが心残りだ。

しかし心残りも含めて、隣県に「また行きたい場所」ができた旅は、良い旅といえるのではないだろうか。うん、良い旅でした。

お題「行きたい場所」

お題「もう一度行きたい場所」

*1:JR静岡駅で買える鯛飯弁当は新幹線旅行のお楽しみのひとつだ。売り切れていると悲しい。

想定外ハロウィンと秋のお祭り

どこにも出かけず家事をするつもりだった土曜日。
朝には瀬戸内国際芸術祭(の伊吹島)に行くつもりだったのだが、たぶん間に合わないだろうと諦めてからは、だらだらと過ごしていた。

でも今日は良い天気。室内より外のほうが過ごしやすいくらい。さらに家におやつの備蓄が無い。
だから家に籠もるのも損な気がしてくる。
遠くから祭り囃子の音が聞こえてくる。どこかの神社でお祭りをしていて、各地区の子どもたちが台車に載せた神輿を引いているのだ。

普段はすっかり忘れていたが、自分の住む土地は古い神社や寺が多いのだった。探検のつもりで自転車で出かけてみた。

神社はすぐに見つかった。
いくつか屋台が出ているけれど、少なくとも昼の間は神輿や神事がメインの様子。境内を散策しても10分とかからない。

 

乙女の高松 雑貨屋&カフェさんぽ かわいいお店めぐり

乙女の高松 雑貨屋&カフェさんぽ かわいいお店めぐり

 

 

なのでその近所にあった喫茶店に寄ってみた。
前々職でお世話になった方々が教えてくれた「良い喫茶店」のひとつ、「珈琲美人 文月」だ。

名前からわかるとおり、おばさん趣味の強い店だった。
お客さんの9割は女性、しかも若い人はほとんどいない。
おばさん趣味ではあるが、趣味は悪くない。店員さんもきちんとしていて、高松の古いお店によくある「まるで自宅のように過ごし知り合いのように接する店員さん」が一人もいない。
また訪れてみたくなる素敵なお店だった。

ここではコーヒーとホットケーキを注文した。
コーヒーは「日陰干しコーヒー」を、ホットケーキは「季節のホットケーキ:栗」を選ぶ。

日陰干しのコーヒーを飲むのは初めてかもしれない。飲みやすい味だった。薄くはないのにたくさん飲みたくなる味。

栗のホットケーキは、ハロウィンの装いになっていた。
9月の初めには雑貨屋や100円ショップにハロウィンの関連商品が並び、ああそういえばそんなイベントが秋には来るなあ、と把握はしていた。でも自分の生活には全く関係ないから、このハロウィン・ホットケーキは少し意表を突かれたかたちである。

静岡に住んでいる時も、三重の時も、カフェやケーキ店には頻繁に行っていた。だからハロウィンもクリスマスも節句も収穫祭も、何かしらのかたちで楽しんでいた記憶がある。しかし今はその辺の“機微”にすっかり疎くなってしまった。
友人がいない土地で一人で暮らすというのは、こういう事だ。不便ではないし、この事自体は寂しいとも思わないけれども、ここまで極端な(ひとりの)生活は人生で初めてだからその感覚は未だに慣れない。

お祭りを見物して、喫茶店に行った。
スーパーマーケットとユニクロ無印良品にも行った。無印良品では靴下を買った。

それ以外は特に何かをした訳でもない。新しい収納家具の図面を描いたけれど、まだ材料の調達もしていない。
天気や気温と同じく、穏やかな日だったといえる。物足りないが仕方がない。充実して忙しくて出鱈目で、疲れ果てて失敗ばかりの日よりもよほど良い。

 

58歳から 日々を大切に小さく暮らす

58歳から 日々を大切に小さく暮らす

 
コスパのいい服

コスパのいい服

 

お題「今日のおやつ」

 

ホットケーキ,パンケーキ,プルーン.

先月にセール品のシリアル*1グラノーラとドライフルーツをまとめ買いした。
なので朝でも昼でもヨーグルトとそれらを混ぜて食べている。低コストなのは良いが食事のバリエーションが制限されている。

毎日同じものでも飽きない。特に「ケロッグ オールブラン」はその味も素っ気もない貧しい感じが気に入っている。
でもたまには、ちょっと良いものが食べたくなる。高級ではなくとも、変化が欲しくなる。

 

 

 

例えば今日がその日だった。
つまり、ホットケーキを焼いてみた。

牛乳を買う習慣が絶えているため、代用としてヨーグルトを使った。
ホットケーキミックスは多少のアレンジも許してくれる。言い換えれば味付け・風味付けが強い。ホットケーキミックスの包装にもアレンジメニューが提案されているけれど、何を作っても「元ホットケーキミックス」であることは隠せない。

しかしそういう部分も含めて、ホットケーキは好きな食べ物だ。
日常を僅かに彩ってくれる。

 

子供の頃はもう少し喜びに満ちあふれた食べ物だった気がする。
しかしその座は、今やパンケーキのものだ。

外食で食べるパンケーキは「ハレ」の食べ物。
そして家で焼いたホットケーキは「ケ」の食べ物。
民俗学の教科書にもそう書いてある*2

ホットケーキとパンケーキの違いについては色々な場所で様々な人が語っているけれど、結局のところはそういうものだと考えている。
たぶん外国、欧米ではまた違った立ち位置だと思う。
数年前に、東京の古い喫茶店に行った時に、ヨーロッパからの観光客に遭遇した。彼らにとって、「喫茶店のホットケーキ」は、漫画や映画や小説に登場する謎の食べ物*3、日本に来たら食べてみたい品であるらしいのだ。ガイドブックに載っているのだろう。客の大半が西洋人だった。みんなにこにこして食べていたので良かった。

独り暮らしでホットケーキを焼くと、基本的に余る。
少なくとも昔はそうだった。
最近は廉価なホットケーキミックスであっても1回分ずつ小分けされていて、まとめて焼いて冷凍保存する必要も無い*4
ただし自分の場合、たくさん焼いておいて、冷凍したものを後で食べるのもまた独り暮らしの味わいだと思っているので、少しだけ寂しい。

週に三回くらい焼けば、特別な想い入れもなくなるのだろう。
でも今のところ、ホットケーキには多少なりの“特別”を感じている。ずいぶん所帯じみた特別感だが、個人の生活において個人が思うだけだ。願わくば放置していただきたい。

 

森永 ふわふわパンケーキミックス 170g×6箱

森永 ふわふわパンケーキミックス 170g×6箱

 

 

 

 

 

ホットケーキ用に作った訳ではないが、数日前にドライ・プルーンを柔らかく戻しておいたものを今日食べた。普段は濃く淹れた紅茶を使うが、今回は少しの水と黒砂糖を使った。
柔らかくしたプルーンがホットケーキ(とバター)に合う。

そして、副産物として生じたシロップ状の液体が、なんとなく「ミキプルーン」に似ている。ミキプルーン同様、冷水に溶いたら飲み物になった。
不味くはないが一般化しない感じの味がする。

SUNRISE 厳選大粒プルーン種抜き 400g

SUNRISE 厳選大粒プルーン種抜き 400g

 

ミキプルーンは叔母の一人から何度かいただいたことがある。何やらコミュニティというか「講」じみた集会があって、定期購入や布教をしていたようだ。後になって「自宅でミキプルーンっぽいものを簡単に作る方法」をそのコミュニティで公開して、“上役”から怒られたと聞いた。
今回、自分が作ったこれが、叔母の広めた偽ミキプルーンに近いのではないだろうか。味は同じ、フードプロセッサーで滑らかにすればたぶん見た目も同じ。

ずいぶん昔に他界して、10年以上も会っていなかった人のことを今になって思い出してしまった。食べ物の記憶というのはそういう性質がある、と思う。

 

マルチのカリスマ: ミキプルーンの真実

マルチのカリスマ: ミキプルーンの真実

 

 

 

*1:ケロッグオールブラン。不味いのだが好きだ。

*2:嘘ですが。

*3:「麦茶」や「おはぎ」や「コンビニの肉まん」も謎らしい。

*4:卵も余らない。

映画「天気の子」とパンケーキ

天気の子

マイナーな頃から追いかけていたアーティストがメジャーになった経験はあるだろうか。ロックバンドでも絵描きでも役者でも、彼らが「みんな」に知れ渡る存在となった事は嬉しいのだけれど、マイナー時代にあった「味わい」が消え失せてしまいがっかりしたことは。
「あいつはもうシンガーソングライターじゃないよ、J-Popになっちまった」とライブハウス裏のバーやファミレスやWeb上のファン・コミュニティで嘆いたことは。
「確かに良かった、完璧だった。でも自分は彼に、ああいうものを望んでいた訳じゃないんだ」と語りたくなるような気持ちがわかるだろうか。
周囲の人達は僕を見て言う。「面倒くさいサブカル野郎だ」と。
今日はそういう話を書く。

作家/作者とは何か: テクスト・教室・サブカルチャー
 

 

 

https://www.instagram.com/p/B0FId_bAhNu/

 

新海誠監督が「君の名は。」で一躍時の人となった時に、僕はかなり失望した。映画は100%楽しめた。よくできていた、と思う。
でも彼が今まで延々と描いてきたエッセンス、作家性の核、あるいは臭み、クセ、苦み、そういうものはほとんど感じられなかった。劇場サイズのアニメで「これから失われるもの、もう手が届かなくなってしまったもの」をきちんと描ける事こそ、彼の諸作品の根底に流れているエッセンスだと自分は思っていた。
君の名は。』での減少量を考えると、そのエッセンスは次作でゼロになっているだろう、と予感してしまったのだ。残っていても、隠し味かアクセントに使われる程度だろう、と。プロの料理人が、苦みやクセを後付けで効かせてみるみたいに。
そして、夏休みか隔年かで定期的に「あの『君の名は。』の新海監督が描く感動の最新作!」が公開され、どれも100%楽しめるけれど魂までは揺さぶられない、そういう未来を予感した。
簡単に言うと、失望したのだ。

 



そして今作、『天気の子』だ。
大々的なキャンペーンがWebでもテレビでも行われている時点で嫌な予感は拭えない。
監督がインタビューで「『君の名は。』では“奇跡で全て丸く収めてハッピーエンド”にした。それが批判された事は承知しているし、自分でも理解できる。なので、新作ではきちんとその安易さに向き合おうと思う」と語っていた。
なるほどもしかしたら、と期待させる言葉である。
一般受けと、(僕が勝手に求める)作家性、それらを止揚する名作になるかもしれない、と思えたのだ。

 

結果として、インタビューでの言葉は嘘ではなかった。
きちんと、「奇跡の後」について向き合っていた。
小難しい表現を使わずに、前作同様の美しくてテンポの良い映像と音楽で楽しませるのは新海誠監督ならではの技だろう。
素晴らしかった、100%楽しめた。
一言で表現すると「エモい」。

万人に薦めることができる。どこが面白かったか、ネタバレOKなら延々と書ける*1

 

でもやはり、期待を上回る名作ではなかった。
若い2人がお互いを想い世界を改変する、いわゆる「セカイ系」の系譜としては「おそろしく高品質だが凡庸」だった。

この作品を観るために、1人で再び映画館に行くことは無いだろう。誰かに誘われたらもう1回行ってもいい。数年後にリバイバル上映会があっても行かない。Amazonか何かで配信されたら観るかもしれないけれど、気分次第だろう。
個人的な「2019年度 映画館で観た作品ランキング」では上位になるが、それだけだ。


君の名は。』とも違う、もちろん過去の諸作品とも違う地平を目指しているのはわかるが、先は遠いし十分ではない。


監督が“変節”した訳ではないと思う。
どちらかといえば、「メジャーな日本映画」を作るにあたって避けられない諸々が、特にこの監督の作風と合わさると、ひどく目についてしまうのだ。
ただでさえ、口当たりのいい、万人向けの映像が作れる人だ。昨今の劇場アニメに求められるあれこれを詰め込んだら、大変な事になってしまう。それはストーリーのわかりやすさや、毒の無さもそうだろうし、劇中の音楽も、それから映画世界に登場する小道具達もそうだ。

 

例えばタイアップ商品について。
今作では、飲み物の缶やお菓子のパッケージがいつも客席側に(読めるように)見えている。これがとても気になる。リアルな書き込みは雰囲気に合っているし、商品の選択も無理は無い。でもどうして、この印象的な場面で、全てのパッケージがきちんとこちらを向いているのだ。
名探偵コナン ○○の××」の賑やかなシーンじゃないのだから。

神は細部に…というのはこういう事なのだろう。
リアリティを求めてきちんと使用許可を得て登場させる「じゃがりこ」と、カルビーからの要求に応えた「じゃがりこ」は違う*2
テレビドラマの貧乏女子が全然貧乏に見えない、みたいなちぐはぐさが生じてしまうのも仕方がない。

 

 

それからこれは本当に「なんとなく」であり「良くも悪くもない話」なのだけれど、でも一応書いておく。
今作では、過去のアニメ映画で見たようなシーンが多かった気がする。新海監督の過去作によくある映像*3だけではなくて、他の有名な作品の、もっと言うと「アニメ映画あるある」な画面があちこちにあった。
これはもしかすると、僕達が、つまり目の肥えたアニメオタクが喜ぶ場面をたっぷり盛り込んでくれたのかもしれない。オタクの琴線に触れることは新海監督の得意技である。それに不自然だと思えるシーンはひとつも無かった。ただ何かしらの意図があって「琴線シーン」が連続していたのだとしたら、これは映画を見直す意味があるかもしれない。

それから、新海監督の作品はどれも場面転換が多くて気持ちよく話が進む。さらに、主人公達とその周辺が多く描かれる。
だからどうしても映画の中に書き込めない情報も出てくる。膨大な設定と、主人公達以外の思惑や事情が、作中では省かれてしまう。
結果として「小説版」が補足資料として役に立つ。小説を読んでみたら、また少し感想も違ってくるかもしれない。小説も監督が書いている。 

小説 天気の子 (角川文庫)

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天気の子 (角川つばさ文庫)

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村上春樹氏は「ノルウェイの森」がベストセラーになった後、数年の間、海外に拠点を移した。そして今でも基本的に「日本のメジャーシーン」とは離れて作品を作り続けている。自分は彼の新刊が出るたびに真っ先に読むが、一度も失望していない。テーマも作風も変わるが、僕が求める“村上春樹らしさ”が、つまりはエッセンスは今も変わらない。

新海誠監督に「海外に行け」と言いたいわけではない。
でもこのままメジャーシーンに飲み込まれて、ごく普通の「大作映画を作るアニメ監督」になってしまったらつまらないと思う。

 

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

 

 

 

つまりこれは「面倒くさいサブカル野郎」の繰り言だ。
こういう文章ならば延々と書ける。なにしろ繰り言なので。

ジブリ以外のアニメーション映画がここまでメジャー・カルチャーになった時代だ。詮なき事なのかもしれない。
でもやっぱり望んでしまう。メジャーになるのは素晴らしい、それで失われるのは「マイナーらしさ」だけであって欲しいと。
そして新海誠監督は、メジャー作品でマイナー時代のエッセンス、臭み、苦み、そういうものを中心に据えることができる人だと今も期待している。村上春樹氏や庵野秀明監督がそうであるように。あるいは押井守監督のように。

 

繰り言抜きで言えば、びっくりする位に高品質な、良い劇場アニメ映画だった。来週からは夏休みの子供が多そうなので公開日に観たが、後悔するところはひとつもない。中盤までのお約束の連続まではとても楽しく、大転換の連続である終盤は本当に惹きこまれた。
しかし大昔からのファン*4としては「料金分は楽しめた」で済む話ではない。

ああ面倒くさい。

 

小説 天気の子 (角川文庫)

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パンケーキ

高松市の郊外にショッピングモールがある。
そのすぐ脇に、どういうわけか「Sam's Kitchen」がある。ハワイの有名なチェーン店*5がどうしてこんなカラオケ・スナックか耳鼻科医院みたいな場所にあるのか。よくわからないけれど、きちんと美味しいハワイアン料理が食べられる。

goo.gl

今日は久しぶりに、ホイップクリームが山盛りになったパンケーキを食べた。流行が終わったら急に見かけなくなってしまって悲しい。この種の「ばかみたいな食べ物」は、思いついた時にいつでも食べられるようにしておいて欲しい。阿呆も馬鹿も許容するのが社会の務めというものだ。

ホイップクリームとバター以外にも、メープルシロップと塩キャラメルシロップ*6が付く。
コーヒーはおかわり自由。店員さんは全然やる気がなくて、余計な気を遣わなくて済む。
暇な時間をのんびり過ごすにはぴったりの店だ。隣のショッピングモールのレストラン街よりよほど気が利いている。

これが今日の、遅めの昼ごはん。そしておやつでもあった。

 

CREA 7月号 (ひとりも楽しいハワイ。)

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ハワイのごはんとお菓子のレシピ (別冊すてきな奥さん)

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お題「最近見た映画」

 

お題「今日のおやつ」

 

*1:RADWIMPSファンなら涙を流して喜ぶかもしれない。まるでPVのように、映像に合っていた。

*2:これは例え話です。劇中で「じゃがりこ」が登場した訳ではない。というか覚えていない。

*3:細長い建物の外階段、ぐるぐる廻るカメラ、ささやくような主人公のモノローグと、響き渡るメインテーマ曲。僕の大好物です。

*4:裏原宿のギャラリーで展示をしていた。偶然通りかかって「すごい人がいるものだ」と驚いた。

*5:ハワイへの渡航経験は無い。お土産でこの店のTシャツをいただいた事がある。僕には壊滅的に似合わなかった。なんというか、キャラが違うのだ。

*6:塩キャラメル!!これまた久しぶりだ。

パンケーキ(厚い)の日

自転車で郊外を探検していたらカフェというか喫茶店というか、とにかく看板にパンケーキと書かれた店を発見した。店名は「Fleur」という。

 

ちびくろ・さんぼ

ちびくろ・さんぼ

 

 

唐突に、そうだパンケーキを食べよう、と思った。
それまで全然そんな事を考えていなかった。家に帰ればオヤツも用意してあるし、まだ用事だって済んでいない。雨だって降りそう。でも食べたいのだ、パンケーキが。
凶悪事件後の警察発表で「ついかっとなって」という表現があるが、それに似ているのかもしれない。もう少しキレイな表現を選ぶのならば、一目惚れが近いのかも。
とにかく、ごく稀に、そういう瞬間があるのだ*1

 

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)

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冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

 

 

パンケーキは好きだ。大好物と言っていい。
最近はあまり食べる機会が無かったけれど、「香川県パンケーキ情報」は自身のGoogleMapにプロットしてある。
外食のほとんどは、まず事前情報を元に日時を決めて訪れる。そういう意味でも、今日は本当に珍しい行動だった。

 

 

でこぼこホットケーキ (世界文化社のワンダー絵本)

でこぼこホットケーキ (世界文化社のワンダー絵本)

 

 

お店は店主1名でやっている、と看板に書かれていた。
パンケーキは分厚く、おそらく型に入れてオーブンで焼き上げるタイプだろう。なのでこれは、時間がかかる事を示している。

お客さんの少ない時間帯だったからか、気になるほど待たされる事なく、紅茶(アールグレイ)とパンケーキはテーブルに届いた。

 

https://www.instagram.com/p/BzLALnogt98/

 

表面がさくっとして、中はしっとりというか少し粘りが感じられる、面白い食感だった。
ボリュームがあって、添付のアイス(数種類から選べる)やバター、メープルシロップをそれぞれ組み合わせて食べても十分な量。パンケーキそのものはあっさりしていて、何かを付けるとちょうど美味しくなる。なので、この大きさは大正解である。

自転車散策の中継地点としても良い場所にある。
個性たっぷりのお洒落なこだわりのお店でもなく、かといって昔ながらの垢抜けない喫茶店でもない。気に入った人達が普段使いするにはぴったりの店だと思う。
そして自分もまた、近いうちに訪れたい。
良いパンケーキと良い紅茶、そして良いお店だった。

 

 

 

お題「今日の出来事」

お題「ひとりの時間の過ごし方」

*1:僕が幼児で、そしてイオンにいたら、寝転がって足をばたばたして「パンケーキたべたい!」と泣いていただろう。「今日たべたい、今食べたい!」と騒いでいたと思う。

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