箱根 ポーラ美術館

今日は休日。
遊びに行くこともなく、家事および室内での趣味だけで明るい時間を過ごした。
なんとなく遠方のスーパーマーケットに食材を買いに行き、帰路に20分かかることを考えて冷凍食品半額セールを断念した。銀行へ行くのも忘れたし、書店に行ったら欲しかった本が売り切れているなど、全体的に低調である。

 

 

しかし、昨日と一昨日のドタバタが終わり、気分的にはずいぶんと落ち着いた。
なので、数日前に行った箱根のポーラ美術館について書く。

 

思い返すに素敵な美術館だった。
箱根といえば彫刻の森美術館が好きだが、ポーラ美術館も「箱根に行ったら寄りたい場所」の一つになってしまった。



建築が素敵な国内美術館として雑誌の特集などでは常連だが、確かに建物がすばらしい。ただ格好良いだけではなくて、周囲の景観から展示室のレイアウトまで含めて良かった。
思い出すだけでため息が出てしまう。

谷形の土地をすり鉢状のコンクリート壁で囲い、その内側に円錐形を伏せたようなかたちの建物を建てる。長い橋のような通路から入ったところが1階で、地下1階や2階に大きな展示室がある。

 



ガラスを多用したクリーンでシンプルな室内は、とても現代的なつくり。
でも明るい室内や不思議なかたちのロビー、大きな窓から見える屋外の作品など、歩いているだけで楽しい建物だった。
ロビーというか廊下というか、展示室以外の部分はそれほど広くはないのだが、あちこちに立体作品が配されていて、吹き抜け部分にあるカフェなどは「良いところ」感がすごい。
企画展や常設展は順路に沿って部屋を巡るのだけれど、この建物自体を楽しむだけでも時間が過ぎていくのだった。

企画展の「フィリップ・パレーノ」も良かった。
名前は聞くし、どこかの芸術祭で作品を見た記憶もあるけれど、新作がどっさり並んでいると興奮する。ただし、映像作品は「ネタバレ注意」というか、実際に行って見てみないとわからない、説明もできないタイプのものばかりなので、ここには書かない。
でも、ただただ楽しい作品も多かった。

 

小さな企画展の「The Mirror, the Window, and the Telescope:鈴木のぞみ」もおもしろい。古い窓や眼鏡のガラス面に、その時代の写真や映像を焼き付けるという趣向。そういうものが置いてあるだけなのだが、写真ではなくガラスにうっすらと映る光景は奇妙に見える。夢の断片みたいな不思議な展示だった。

常設展はピカソやガレなどメジャーな作家が勢揃い。
全てを展示しているわけではないようだが、個人的にはモネの睡蓮を見ることができて嬉しかった。モネの睡蓮、日本中で見ているけれど、どれも光の加減やサイズが違って楽しいのだった。

 

美術館の外、最初に書いた「すりばち」の外縁部をぐるりと回って周囲の森林に向けては、綺麗な散策路がある。
しっとりと湿った森の中を歩いていくと、ところどころに彫像や立体作品がある。
この森だけでもポーラ美術館を大好きになってしまう。
自然のままに見えるが、綺麗に整備されていて、ゴミや蜘蛛の巣などは見当たらない。苔むした倒木や、ふわっとした落ち葉の間には、しっかりとした木道ができている。森は深く、先が見えない。かなりの人が歩いているはずだが、前後に誰もいない時間が多い。標高の高い箱根は、6月でもひんやりしている。
ここは真夏も秋も冬も良さそう。
この散策路を歩いている時に、再訪を決意したのだった。

 

 

それにしても「ポーラ」っぽい美術館だった。
スタッフの方々から、ちょっとした案内表示まで、優しくもきっちりしていて、デパートの1階のようだった。

 

 

水族館くらいの入館料に最初は驚いたが、行ってみたら大満足。
特に現代アート好きならば、強くおすすめできる。
お土産もいろいろあった。

箱根の森の中、という場所と建物のせいか、世の雑事を忘れる数時間を過ごせた。

www.polamuseum.or.jp

 

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