豊田市美術館 「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」

明け方の夢にブッシュ・ド・ノエルが登場した。
それもかなり長大なもの。薪にするなら、割らないと使えない。

とにかく、そんな夢のせいで、今日のおやつはロールケーキ。
遅めのおやつだったこと、そして妙に油っ気が強くて、今はとても気持ちが悪い。急性のロールケーキ胃もたれに罹ってしまった。
近所の激安スーパーマーケットで調達したのが悪かったのだろう。
しかし静岡県中部の田舎においては、真夏にブッシュ・ド・ノエルを買うことはできない。ロールケーキで妥協するしか無いのだ。明確な地方格差である。

 

 

ロールケーキ以外は、書くべきことが見つからない日だった。
というわけで、一昨日行った豊田市美術館について書く。

 

 

 

親の用事で岡崎市の病院に行き、長い待ち時間に岡崎の美術博物館や公園や動物園を堪能したわけだが、それでも時間はたっぷり余る。

岡崎市から豊田市は近いし、僕の「いつか行きたい場所」リストに豊田市美術館が入っていたので、この時間を利用して行くことにした。
ちょうど興味があるテーマ「第一次世界大戦前のモダン文化」の企画展も開催していて、しかも混雑具合も”閑散”だという。実に都合が良い。

 

 

企画展「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」は素晴らしかった。
よく戦争が文化と技術を発展させるというけれども、現代に繋がるモダンの爆発具合を見ていると、戦争なんて無くても人類は発展できるのだと思えてくる。
もちろん、戦争による男手不足が女性作家の台頭を招いたり、科学技術の発達が新素材を普及させたりと、それなりの"功"はあるのだろう。
でも、僕は最近よく思うのだ。戦争を回避できた世界にも、今と同等かそれ以上に素晴らしい文化が産まれていたのだろうと。

それから、現代に繋がる服飾・生活雑貨・家具などが展示品の多くを占めるため、見ていてわかりやすいのも助かる。現代アートの大規模な作品も多く、瀬戸内国際芸術祭で訪れたベネッセ関連施設を思い出した。

ちょっと珍しかったのが、スタッフの方々の対応。
展示室から通路、そして次の展示室への移る際に、かなり丁寧に声をかけてくれるのだった。さっと手を上げて、小さな声で「こちら、お進みください」と言い添える。でも、作品を見返そうと"逆走"しても、きちんと理解して何も言わない。
よく人を見て、意図を持って誘導している感じがして良かった。

豊田市美術館といえば、建物自体も有名だ*1
城のある高台を利用して、どの階も地面に接している。通路から庭園や市街地を見ることができたり、他の作品を別の角度から見たりと、歩いているだけで楽しいつくりをしている。
作品を遠くに眺めながら、ただ座るだけのソファやチェアがあちこちにあるのも特徴かもしれない。

常設展の作品も、ぼんやりとした自然光とLEDライトの組み合わせや、暗い部屋でのライトアップなど、とても凝っている。
いいなあ、静岡に欲しいなあ、と思いながら建物内を3周くらいは巡ってしまった。

書けば長くなるが、行ってもらうしか良さがわからない。
自分には説明する言葉が無い。惚れ込んだ、というのが近いかもしれない。
もっと時間があれば、さらに堪能しただろう。

広い敷地内には茶室がある。
生菓子や羊羹と薄茶が400円で飲める。とても良い庭もあるし、テーブルと椅子でこぢんまりと(そして気楽に)お茶を楽しむことができた。人もほとんど来ないから、この茶室「童子苑」もおすすめできる。

広い敷地の全てがデザインされている感じがして、久しぶりに「アート欲」が満たされた数時間だった。
興味のある展覧会を見つけて再訪したい。本当に良い場所でした。

 

 

 

以上で、一昨日の岡崎探訪は終わり。
家族の検査も、ひとまず安心の結果が出た。
高速道路を使えば近いし、近いからこそ最近は訪れていなかったエリアではあるが、今は行きたい場所が増えている。ただ、さすがに今の時期に出かけたことは少し後悔をしている。人の少ない場所だけを選んだとはいえ、もっと安全側に寄った行動をとることが出来たはずなので。
だから、岡崎の再訪は、たぶん新型コロナが収まってから。いつになるのかわからないが、なにしろ近いのだから、気長に待てばいい。

お題「ささやかな幸せ」

*1:確か、葛西臨海水族園と同じ建築家の作品だったはず。

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