乙女のショートケーキ

今日の訪問先は、静岡市葵区の富沢地区。
JR静岡駅から車で30分ほど北上した、山間部の集落だ。
最初は安倍川その後は藁科川沿いを走り「最後のコンビニ」「最後のガソリンスタンド」を通り過ぎた先にある。車といえば農家の軽自動車か、河川工事のダンプトラックばかり。もう人家も減り、この先は峠道といった雰囲気の場所だ。

こんな場所に、なぜか立派なケーキ屋さんがある。
住宅街にあって、地域住民に日常使いされていてもおかしくない雰囲気で、なんだかとても場違いに思える。建物が大きいから最初は工場直売店の類かと思ったが、そうでもないらしい。
わざわざ田舎暮らしを志向した感じでもない。

 

 

なんだかとても気になってしまったので、帰宅する前に立ち寄ってみた。

それがこの「オムリブル」というケーキ屋。

 

店内にテーブルやカウンターが作られ、外の景色を眺めながらコーヒーとケーキを楽しむことができる*1

せっかくなのでコーヒーとケーキを、ここで楽しむことにした。

 

注文したのは「乙女のショートケーキ」という品。
通常のショートケーキよりスポンジケーキ部分が少なく、生クリームが高く積まれている。生クリームをもっと楽しみたいという欲張りな乙女のために作られたショートケーキなのだ。

僕は乙女ではないが、問題なく売ってくれた。
既に乙女成分も枯渇した中年男性だが、拒絶反応もなく存分に生クリームを楽しむことができた。
これは素晴らしいショートケーキ。流行ってほしい。生クリームが増えるだけで幸せも増える。体験して初めてわかる幸福が、ここにあった。

 

しかも、食べ進めていくとさらなる驚きが待っている。
上面を覆う厚い生クリーム層に、丸ごとの苺が1つ仕込まれているのだった。
思わずフォークの手を止め、キュンとしてしまう。
だってショーケースで見た限りでは「生クリームを得て、苺を失った」ような外観だったから*2。それが、「生クリームを得て、苺だって得る」のだ。
これには乙女もにっこりであろう。
僕もにっこりした。


甘党界隈に伝わる箴言「ケーキよ、欲深くあれ」を十分に体現する、しかし見た目は清楚なショートケーキなのだった。

maps.app.goo.gl

ショーケースに並ぶモンブランもチーズケーキも、とてもおいしそう。
なにしろ山奥なので普段はまず行く機会がないけれど、ドライブの休憩地点には最適な店だろう。
良い店を知った。

 

 

お題「わたしの癒やし」

*1:といっても、眼の前の河川敷で工事車両が砂利を積む作業を眺めることしかできない。

*2:スポンジケーキ部分にスライスした苺が挟まっていて、苺要素はそれだけに見える。

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