会社帰りに、ケーキ屋に寄った。
質・量ともに自分へのご褒美が必要な1日であったこと、先日見つけて気になっていたこと、そして帰宅時にちょっとコーヒーとケーキを楽しむことで、帰宅ラッシュをやり過ごせるともくろんだのだ。
しかし残念ながら、外部から見えた立派なカフェスペースは「11月よりOPENです。ご期待ください!」との事。ケーキは種類があるが、持ち帰りという気分ではない。
火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: オリヴァーサックス,Oliver Sacks,吉田利子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/04
- メディア: 文庫
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でもこういう時に「じゃあいいです」とは言いづらい。
初めての店だから、とりあえず味見はしておきたい、という気持ちもある。
だから「スティックケーキ」を2本、買ってみた。
これは2×3×12(cm)ほどの、細長い直方体のケーキで、お皿に盛ってフォークで食べるのではなく、手に持って食べることができる、と説明書きにはあった。カジュアルスタイルの新しい提案、だそうだ。
こういうお手軽なスイーツも悪くない、と、チーズケーキと、ラムレーズンブラウニーを購入。
そして帰り道のコンビニエンスストアで温かいコーヒーを買い、チーズケーキのほうを開封してみた。
店頭では、運転中に片手で食べるパパ(と推測、もっとややこしい関係かもしれない)のイラストが掲げられていた。ビニール包装も、真ん中あたりに、くるりと剥けるように切り取り線が入っている。そこから開けると、手を汚さずに楽しめる趣向。
しかし(僕の人生ではよくあることだが)もちろん上手くいかない。
ビニール包装を半分外すと、確かに残りが持ち手となる。だがその状態で、中のチーズケーキには、底面に薄紙、上面に透明ビニール、そしてなぜか、店名とフランス語(たぶん『甘いケーキ』とか書いてある)の印刷された直径1cmくらいの箔押しされた円い厚紙が付いていた。これでは、スティックとしては食べられない。
仕方が無いから、丁寧に包装を戻し、コーヒーはその場で飲んだ。そして改めて、帰宅してから食べてみた。
不味くは無いが、完全に興が削がれた。ただの細長いチーズケーキ味、だった。
こういうのは、接客ビジネスのマニュアル本に、悪い事例として書かれていそう。何にせよ、困ったものだ。
ラムレーズンブラウニーのほうは、半分食べてみたところ、お酒がしっかり効いていて、美味しかった。こちらが正解、のような気がしているが、運転中に洋酒が効いた食べ物を楽しむのもどうかと思うし、やはり様々な要因で、「スティックケーキとしては、楽しめなかった」ことは、ここに書いておきたい。
その他のケーキは、見た目が華やかで、味は普通、といった感じ。
こういうのは、ショーケースを見るだけで、だいたいわかる。焼き菓子コーナーも、良い判断材料になる。それくらいの年季は積んできた。
そこから「食べて美味しいもの」を選び取るのが、我々の技術(スキル)だと考えている。
ところで、我々って、誰のことだろう?