藤枝市・山科菴の「重ねカツ丼」

諸事情あって半日だけ休み。
ちょうど出かけた先で夕食の時間になったので、目の前にあった蕎麦屋へ入ってみた。
場所は藤枝市の駅前や瀬戸新屋といったあたり。
背面に西友がある、大昔からある雑居ビルだ。そのスナックが立ち並ぶ建物に、蕎麦屋「山科菴」はある。

外見も店内も、ごく普通の「町のお蕎麦屋さん」といった感じだ。
高いところにつけっぱなしのテレビがあり、週刊漫画雑誌と古いコミックスが並び、土産のような民芸品のような和風の置物が飾られている、そんなお店。
命を削って蕎麦を打ち、客に「提供されたら可能な限り早く食べろ」みたいな圧力をかけるようなお店とは対極にある、庶民的な蕎麦屋である*1

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今日は気楽に夕食を済ませたかったので、こういうお店を選んだわけだ。

各種の「あたたかいおそば」「つめたいおそば」の他にも、丼物が充実している。
白飯とのセットも多く、昼時には大食漢の労働者の需要も満たしているはずだ。

 

 

お品書きには「重ね〇〇」という一群もある。
これはなんだろうと聞いてみると、壁の写真で教えてくれた。蕎麦と丼物が重なった容器で提供されるもの、らしい。
つまり「重ね天丼」は、天丼と蕎麦(温かいものか、冷たいものを選べる)の組み合わせであり、「重ね親子丼」は、親子丼と蕎麦である。丼物と蕎麦のセットは珍しくないけれど、重なっているのは初めてだ。

というわけで、「重ねカツ丼(冷たい蕎麦、ごはんは少なめ)」を注文してみた。

なるほど、重箱のような筒状の容器が重なっている。
上から蓋、丼と小さなおかずの段、蕎麦、という構成になっていた。他に、薬味の小皿と蕎麦湯が付く。さらに(お茶処らしく)濃い緑のお茶も出してくれた。

カツ丼には漬物とマカロニサラダ*2が添えられている。単品の丼よりは小さいようだ。
甘さが強めの(庶民的な)味付けと、薄くてやわらかなヒレ肉がおいしい。ごはんの炊き具合も、少しかためで好みに合う。

冷たい汁に浸かった蕎麦も、しっかりとした歯ごたえでおいしかった。
外は寒くても、冷たい蕎麦はおいしいのだ。

夕食では主食を減らしがちな自分には、いささか量が多かった。でも、ご飯を少し減らしてもらって、苦しくなるような量ではない。
むしろ、主食を2段に重ねたものを、きちんとおいしくいただけたのだから、実に良い夕食だったのだと思う。

ぼんやりと、大した期待もせず入った店だったが、いろいろとおもしろかったし、なによりおいしかった。

近くの席の人達が注文していた天ぷらや天丼が、おそろしく本格的で魅力的だった。次はあれを頼んでみたい。
JR藤枝駅の周辺は普段あまり行くところではないけれど、この店を目当てに足を伸ばしたいくらいに気に入ってしまった。

 

お題「昨日食べたもの」

*1:ジャズも流れていない。

*2:マカロニサラダを食べたのは何年ぶりだろう?

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