所用にて静岡市駿河区の小鹿、それに大谷のあたりに行っていた。
すぐ近くに静岡大学があるエリアだ。
学生向けのアパートが目立ち、彼ら彼女らのための飲食店もちらほら。昔ほどの数はないけれど、古くて狭くて安い食堂が残っている。
ひと仕事終えて昼食をとったのが、こういった学生向けのお店のひとつ「まるやま」。
この店は新しく、店内も広い。Google Mapの情報によれば、家事で焼失した後に再建されたようだ。
メニューは昔と同じなのだろうか。
全体的に安く、量が多い。ただ、激安というわけではなく、きちんと現代的にアップデートされている感じの価格だった*1。
ごはんは「小」で普通盛り。通常サイズでもどんぶりご飯となる。
とりあえず初回ということで、メニューのいちばん上にある「Aセット」を注文した。
エビフライ2本、イカフライ、コロッケ、ごはんと味噌汁、小さなおかず、千切りのキャベツにトマトといった内容。
皿やお椀はプラスチックのため、いかにも学生食堂・社員食堂じみている。エビフライの細さも、普通の洋食屋とは違う。
でも、揚げ物の種類は多く、イカやコロッケは大きい。
学生ならば、これはおそろしく贅沢なはずだ。中年の僕ですら、食べていて嬉しくなってしまう。小さな祝祭の感覚がある。
多くの品が手作りを思わせるのもうれしい。
人気のお店らしく、お客さんが絶えなかった。
周囲の席では、大きなカツカレーやメンチカツ定食をもりもり食べる若き男女が多い。おそらくは静岡大学の学生だろう。
コロッケドリアなる頭の悪そうな料理が届いて、ものすごく嬉しそうな学生さんもいた。メニューの説明によると、ドリアにコロッケとカレーとチーズが載っているそうだ。若いうちでないと楽しめないタイプの料理である。
前述のとおり、ごはんは「小」サイズにしてもらったのだが、それでも満腹。夕方までお腹が空かなかった。
この店を教えてくれたのは、今日の訪問先の方々。「おもしろいですよ」と、にこにこ笑って言っていたが、確かにちょっとした非日常だ。ただ、中高年に限定した非日常なのかもしれないなとも思ったのだった。
20代では、ただの「個人経営で安くておいしい食堂」でしか無いだろう。
*1:無茶な安さを売りにしているわけでもなく、年金で低価格を支える高齢店主の店でもない。