朝から所用で掛川市の中心街へ。
昼の休憩時間には掛川城のあたりを散策することができた。
昼食は久しぶりの「旅とカレーと音楽の店 JAN」でカレーを食べた。
古い建物を改装したライブハウス兼カレー屋兼カフェ兼バーといった趣の店。
ずいぶん昔からある。
ライブのフライヤーやアーティストのサイン、世界各国の雑貨、映画ポスターのポストカード*1、ビールやウイスキーの瓶。おそらくは都会で活躍した経験のある店主夫妻。
そういった要素を持つ典型的な店ではあるが、最近はこういう場所がめっきり減ってしまった。田舎町には必要な、文化の風を運んできてくれる場所なのだが。
この店のカレーは何を選んでもおいしい。
特に2種類の「あいがけ」は、ごはんとカレーの境界が直線なのが好ましい。ちょっとしたことだが、ごちゃっと作る事だってできるものを丁寧に盛り付けてあると、それだけで嬉しいものだ。
今日はポークビンダルーとキーマカレーを選んだ。途中でテーブルのオリジナルスパイスを足したせいか、食後もしっかり口の中に辛さが残った。
でも、とても満足した。
せっかく掛川城まで来たわけで、まだ昼休憩の時間も残っているので、掛川市二の丸美術館に立ち寄ることにした*2。
狭い美術館で、普段は煙草道具などのコレクションを展示している。企画展の時は全ての部屋を使うことが多い。
今は根付をテーマにした企画展を開催中だった。
根付は面白い。手の中に収まるサイズで、趣向を凝らしていて、しかも装身具としては頑丈。工芸品として、見ていて飽きない。
今まで旅先や転居先で何度か根付の展示を見ている。
ただ、今回はほぼ全てが「現代根付」だった。
昭和や平成に根付が再評価されてから作られたものだ。
技術的にはすばらしいのだが、なんとなくセンスが合わない。おやじギャグというか、田舎の創作カカシやチェーンソーアートや、観光地のジョーク土産みたいな雰囲気がある。ローカルニュースに登場する「わが町のオモシロおじさん」が面白くないのと同じで、どうにも現代根付は僕の好みに合わないのだった。
でも別に損をした気分ではない。
映画でいうところの「料金分は楽しんだ」といった感じ。
それに館内は涼しいし、2部屋分の展示は短い休憩時間にはちょうどよかった。
時間が足りないため、今日は復元天守閣などはパス。
帰る前に老舗パン屋の「アンデルセン」で朝のパンを買うなどして、久しぶりの掛川を満喫した。
今回は仕事で訪れたのだが、休日に自転車散策をするのも楽しそうだ。
花鳥園も久しぶりに行きたくなった。
掛川の駅周辺は、平日昼間に行くと不気味なほど人がいないけれど、綺麗に整った良い街だ。やはり、お城がある街は良い。
*1:「時計じかけのオレンジ」「理由なき反抗」あたりが定番。
*2:隣接する「二の丸茶屋(茶室)」で、お抹茶をいただくか、美術館にするか、かなり悩んだ。