95km離れたコインランドリーにて

6月の中頃を過ぎると、ホットカーペットのカバーをクリーニングに出すのが我が家の習いとなっている。
冬に使っていたホットカーペットのカバーは、家では洗えない。
近所のクリーニング店では、こういった冬物を6月に安く受け付けてくれるのだった。

今年も同じようにクリーニング店に持ち込んだわけだが、なんと断わられてしまった。
理由はいくつかある。

  1. カーペット用洗剤(輸入品)が高く在庫も少なく、収益が少ないため預かりたくないこと。
  2. 今年は大物・冬物キャンペーンが行われないこと。
  3. 実は隣接するコインランドリーで洗えること。

特に理由1.と2.については、本社工場から強く言われているのだという。
そういうことを客に言っていいのかと思うのだが、思えば客になんでも喋ってしまう店員さんだった。
コインランドリーなら5分の1の出費で済む事を考えれば、3.は店員さんの親切なのだろう。

しかし残念なことに、このコインランドリーは常に混雑している。
ここしばらく、からりと晴れた日は少ない*1うえに、大物用の洗濯乾燥機は数が少ない。そして、仕事前に立ち寄った自分は、洗濯乾燥機が空くのを待つわけにはいかないのだった。

別に、冬が来るまでに洗えば良いのだから、ことさら今日に片付ける必要は無いのだが、心情的には溜めておきたくない。少なくとも車に積んだままにはしたくない。

なので、今日は出先で空いた時間を使って、道中で見かけたコインランドリーで洗ってしまった。
乾燥時間まで含めて50分。昼の休憩や移動の調整時間を使えば問題無い算段だ。

ただ、見知らぬ街のコインランドリーで生活用品を洗うというのは、なんとも落ち着かないのだった。悪いことではないし不安要素だってほとんど無いのに、である。

どうしてこんな場所でこんな事をしているのだろう…という考えが止まらない。
だんだん主語が大きくなってきて、「どうにも不思議な人生だ」とか考えてしまう。
旅先でTシャツを洗うのとはわけが違う。
県内とはいえ遠く離れた土地ならば、尚更のことだ。

 

 

そんなわけで、お昼に食べた「ハンバーグ入りのシチュー」について多くを語ることができない。
垢抜けない洋食屋さんの、全体的に茶色いランチだった。
肉が多めのシチューにハンバーグという、戦闘機に戦車の大砲を付けるような知能指数が低いメニューではあったが、それがなんだか楽しい。
まるで大盛り自慢のラーメン屋のような客層で、多くの人はこのシチューにライス(ご飯に非ず)を入れて食べていた。完全な異文化だ。パンを選択しているのは僕だけだった。

 


昼食には遅い時刻、適当に選んだ店で思いがけず肉多めのランチ、そしてコインランドリーで回っているホットカーペットと、ほんの少しだけ普通ではない要素が多すぎて、情緒がおかしくなりそうな昼休憩になってしまった。
まず再訪しないような土地と店で、得難い経験をしたことは確かではあるのだが、なんだか釈然としないまま時間が過ぎていった。

 

 

食事の後、果たしてホットカーペットはきちんと乾いていた。
洗う前にだって目立つ汚れは無かったが、洗えばそれなりにきれいになる。化繊だから乾燥も早い。洗ってよかった。

 

 

今日を振り返ると、思い切った行動をして正解だったといえる。
洗濯だけでない、やたらとボリュームがあるハンバーグ入りシチューだって(その唐突さも含めて)素晴らしかったのだから、今日は総じて良い日だった。
無計画だった事は確かだが、結果が良ければ計画なんてどうでもいい。そういう日もある。

 

 

でも明日からは、きちんと計画的に動きたい。
50分と少しの間(ハンバーグを食べながら)コインランドリーのことを気にするのも、適当に選んだお店でよくわからないランチを選ぶのだって不安が大きい。

何度も無計画を繰り返せば、失敗することのほうが多くなるだろう。
そういうのは、時々でいい。どうせ向こうからやってくる。
日常は平穏であるべきだ。

 

 

経験上、こういう日は早く寝るに限る。
少しだけゲーム「ゼルダの伝説」を遊ぶ時間があるけれど、たぶん変なミスをするだろう。験担ぎというよりも、心のコンディションの話だ。寝る前にお気に入りの本を再読するくらいでちょうどいい。

 

お題「昨日食べたもの」

 

*1:そもそも梅雨だ。

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。