さようならの準備:マツダアクセラハイブリッド

明後日に新しい車が来る。
今の愛車であるマツダ・アクセラ・ハイブリッドの車内を少しずつ片付けている。あまり荷物を車に積まないよう気をつけているが、それでも傘や自転車の空気入れや、よくわからないロープなど細々したものが多く見つかる。トートバッグや、IKEAのショッピングバッグなどに放り込み、仕分けは後日行うことにする。

そういったお別れ準備作業をしていると、どうしても昔の事を思い出す。
思えば、マツダ・アクセラの前に乗っていたトヨタ・プリウスを手放す時も、ずいぶんと感傷的な気分になっていた。
プリウスは人生の大変な時期を共にした。自分史における良くも悪くも激動の時代を、プリウスに乗って過ごした。だから思い入れもあったし、片付けをしながら特大のため息を何度もついた。

プリウスに長く乗ったあとにマツダ・アクセラに乗り換えたのだが、またしても人生はとんでもない転落と変化の連続であった。
アクセラについては、四国への出張や転居など長距離移動に使われる事が多かったため、より物理的・肉体的な記憶(?)が残っている。

 

そんなわけで、プリウスアクセラ、2つのハイブリッド・セダン*1に乗って、僕は個人的な地獄のデスロードを駆け抜けたわけである。

もちろんそのデスロードは車を替えただけでは終わらない。金曜日に来る新しい車は、僕の人生の"流れ"を好転させることはないだろう。

ただ、歳を重ねたせいか、諦めるのは上手になっている。
もちろん明日も明後日も健康に楽しく過ごしていきたいわけだが、今の自分に「なんとしても済ませたいライフイベント」みたいなものは無い。せいぜい、日本全国を旅したいとか、ヨーロッパと北アメリカ大陸には行ってみたいとか、そういう欲だけがある。それだって、無理だとわかれば「そうか。そういうものか」と思うだろう。

そんな諦念と友達になったとしても、日々の生活は便利に過ごしたい。だから、車を買い替えるわけだ。ただ、大きな理想や展望とは結びつかない、小さな便利のための買い物であって、そういう意味では若い頃の「車を買う」行為とは、質が違う気がする。

 

 

それにしても良い車だった。
程々にキャラが立っていて、走っていて楽しくて、値段のわりに「良い車を走らせている」感覚があった。クルマ好きとはいえない自分でも楽しく長距離を走れた事実だけをとっても、大当たりの買い物だったといえる。
特に静岡や東京と四国を何度も往復していた時期には、この運転していて楽しい感覚が有り難かった。
今どき珍しい普通のセダンだったから、仕事や転居の荷物は多く積めないし、折り畳み自転車だってパズルみたいに載せないと無理だった。常日頃から「荷物が乗らないなあ」と思いながら、ミニバンやワンボックスカーに興味が向かなかったのは、やはりマツダアクセラの魅力が特別だったのだろう。

 

さよならのかけら

さよならのかけら

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もちろん平日だから、片付けといっても大したことはできていない。
明日も、そして明後日も、少しずつ荷物を下ろしていくだろう。次にこのマツダ・アクセラに乗る人*2も、楽しく走ってくれれば良いと願う。

 

 

*1:アクセラのハイブリッドシステムはトヨタ・プリウスのものを供与されたのだと聞いた。

*2:走行距離はおそろしく多いし、正直なところ不人気車ではある。でも程度が良いうえに、今に通用する性能もあるから、廃車にはせず売りに出すのだと聞いた。

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