今年は、かき氷に対する”熱”が消えてしまったようだ。
氷菓に対して熱とはおかしな言い方だが、でも昨年までのように店を探してまで宇治金時や氷小豆を食べることは無いまま、夏が終わりそう。
大好きだった店が無くなってしまったこと、あまりに猛暑がひどくて外出そのものを控えていたこと、そしてCOVID-19の蔓延が理由だ。
ところで、今日は焼津市に行く用事があった。
JR焼津駅の近くに、小さな味噌・麹の店がある。店名は「新村こうじ店」、そして「だるまや」とも書いてある。
ここは夏の間だけかき氷も商う。
今どきめずらしい小さめな量と、控えめなお値段が特徴の、地元密着型のお店だ。
晴れと小雨と曇り空が忙しく変わる蒸し暑い午後、ふと思い出したのがこの店とかき氷。
凝ったモダンな専門店ではなくて、こういう昔ながらの場所でさらっと食べるのならば、気楽で良いではないか。
というわけで、記憶を頼りに歩いて店に行く。
幸いなことに、店内には誰もいなかった。
声をかけると、お店の方が奥から出てくる。
かなり迷って「抹茶白玉ぜんざい」を注文した。
この店では、装飾性の高いかき氷を「ぜんざい」「みつ豆」と呼んでいるようだ。栗の甘露煮が乗ったそれは、以前も同じものを注文した気がする。
粒餡の塊もたっぷり、白玉は柔らかく、抹茶蜜だってしっかりしている。
「かき氷、いいじゃないか」と思いながら食べ進んだ。
それが今日のおやつ、抹茶白玉ぜんざい。
良いおやつだった。