シャンメリー会とドーナッツ

シャンメリー

昨年に引き続き今年もリモート開催となったシャンメリー試飲会。
居住地に囚われない、そして大規模なイベントになるのは素晴らしいこと。IT万歳である。
でも、大きな会場を貸し切り、わいわいと盛り上がってグラスを合わせる機会が無い事実をふと考えてしまうのだ。モニターを眺めながらふと思い出すのは、数年前のシャンメリー・ブームの時に知り合った人達のこと。顔も声も思い出すけれど、ハンドルネームなんて忘れてしまった。

 

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さて、シャンメリーという飲料そのものは、実のところ、もう何年も大きな変化が無い。
良くも悪くも安定して高水準な味を維持している。
これを言い換えれば、語るべき言葉が変わらないということだ。
とにかくどの瓶を開けてもおいしい。かつては批評というよりも罵詈雑言を持ちネタにしていたような批評家がどの地方部会にもいたものだが、最近は本当に穏やかなイベントになった。
シャンメリーの味もシャンメリー会も角が取れた」と古参がぼやくのも無理はない*1

そんな「凪」の状況であっても、オンラインの試飲会で数百人の視聴者が集まるのだから*2、我が国はシャンメリー大国である。

 

ともあれ、どれを飲んでもおいしい、という喜ばしい状況であっても、数年続けば変化を求めてしまうのが人情ではある。
今回の試飲会では、所謂”キャラクターもの”を取り上げる評者が目立ったのも、そういった気分を反映しているのだと推測する。
キャラクター商品が傍流だった時代を知る身としては、隔世の感がある。

特にメジャー各社が出している「鬼滅の刃シャンメリー」は、今回のイベントでは最も活発に議論が繰り広げられていた。「鬼滅の刃」という、いささか物騒なタイトル*3と作風がどのようにシャンメリーの味へと影響するのか、期待があったのだろう。

その盛り上がった議論について、細かな内容はここには書かない。
クリスマスを終えるまでは結論を出すべきではない、というシャンメリー会の原則を尊重したい。シャンメリーメーカー(ボトラー)は一週間後に開けられることを考えて味をチューニングしているはず。まだ"未熟"なシャンメリーから得られる答えに何の意味があるだろうか。

だから今日は、僕が味わった瓶に関してだけ書こう。
残念ながら、鬼滅の刃シャンメリーからは、鬼滅の刃の味わいを感じ取ることができなかった。
試飲会では多くの評者が、酸の強さ、そして糖のメイラード感を原作漫画の雰囲気に繋げて語っていたが、いささか牽強付会だと思う。目を閉じて味わっても、使命に殉じた剣士達の熱い言葉は伝わってこなかった。


世界観を反映したシャンメリーといえばプリキュアシリーズが定番といわれている。今年も高評価だった。華やかで元気いっぱいで、初めて飲んだ時には、あんなシャンメリーがあるのかと驚いた記憶がある。
もし、今年の新作を「原作の再現性」という尺度で評価するのなら、鬼滅の刃よりも「モンスターズインク 20周年ボトル」の白、次いでロゼを推したい。おもちゃ箱をひっくり返したような一口目から、懐かしい後口へと繋がる構成は、まさに名作の世界観そのもの。素晴らしい解像度だった。
とはいえ、入手性を考えると手放しで勧められるものではないのが限定版の辛いところ。

 

ともあれ、その始点から発泡ワインのイミテーションで始まったシャンメリーが、アニメや漫画といった「つくりもの」の衣を纏って新しい道を歩み始めたことに、古いシャンメラー*4としては最大限の祝福を送りたい。
願わくば、多種多様な原作アニメ・漫画と同様の個性がシャンメリーに生まれますように。そんな祈りにも似た願いを、今夜の一杯に添えようと思う。

 

 

 

焼いたドーナッツ

地元の小さなパン屋に「焼いたドーナッツ」が売られていた。
イーストを使った生地の、そこそこ固めのドーナッツ(ドーナツ)を、さらに軽く焼いたという。

 

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イースト生地の歯切れの良さと、ケーキ生地のザクザク感を高い次元で実現しようと試みたが失敗した、そんな味だった。見た目はミスタードーナツのオールドファッションなのだが、甘みがパン。脳が戸惑う味だった。

 

 

お題「わたしの癒やし」

 

*1:プロ野球のレベルが上がると、4割打者が消滅する。自然対数の摂理である。

*2:リアルタイムで飲む人は30人ほどだった。不特定多数の前で語るのは敷居が高い。

*3:鬼で滅で刃である。クリスマスというよりも節分である。

*4:シャンメリー・ファンのこと。実は和製英語である。

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