甘すぎるドーナツはだんだん食べられなくなって、彼らに近づいたけど…と古い歌にあるが、たしかに歳をとるとドーナツもたくさん食べることができなくなる。数(量)だけでなく、食べたいと思う機会も減る。
その数少ない機会、ドーナツを食べたいという衝動が、今日の午後に発生した。
月食と関係しているのかもしれない。あるいは何か嫌なことがあったのかもしれない。ドーナツをたらふく食べた後の今となっては、そのときの気持はわからない。ドーナツとは、そういうものなのだ。
今日はミスタードーナツ、静岡県中部では珍しい路面店に行ってきた。というか偶然近くを立ち寄った。
ドーナツは3個。チョコファッションと、亜麻仁をあしらった揚げパンみたいなドーナツ(名前は忘れた)、そしてピカチュウのドーナツを選んだ。
飲み物はもちろんホットコーヒー。ドーナツはコーヒーによって中和され、炭水化物や脂質ゼロのヘルシーな食べ物に変化するので。
ピカチュウのそれは、本当に出来心だった。
そもそもポケットモンスターには何の思い入れもない。友人の子供が夢中になっていた…くらいの距離感である。ピカチュウ以外にも、色違いの亜種がいたけれど、まあ初心者なのでとピカチュウを選んだ。
ちなみにポケットモンスター・ドーナツは数量限定で、一人あたりの購入数が限られていた。僕の前の客*1はトレイ2つに山盛りを確保して、レジで断られていて、「じゃあ2回並べば売るのかしらね!!」と怒っていた。実際に、3サイクルほど購入を繰り返していて、3回目には断られていた。2回目は数分の時間を置いて、それなりにおとなしくレジに向かっていたのに、3回目は(4回目用の)ポケモン山盛りトレイをテーブル側に確保していたから、完全に悪質な客と見做されてしまったのだった。もはやお目溢しをする相手ではない、と決めたチェーン店の対応は厳しい。しかし、子供連れの多くが購入するポケモン・ドーナツなので、それも当然の態度だと思う。
僕はそんなどたばたを眺めながらドーナツを楽しんだ(読書も楽しんだ。)。
チョコファッションは安心のおいしさ。亜麻仁ドーナツも悪くない。
ピカチュウは凡庸な味、でも造形が良いので満足した。「まるで生首じゃないか」と一瞬考えたけれど、あるいは原作アニメにそういう場面があるのかもしれないと考えて、それ以上の追求は止めておいた。
コーヒーも安心のミスド味。
おかわりをお願いしたところ、2杯目以降は6分毎に注ぎに来て、なかなかに忙しい。シンクにコーヒーを捨てるよりは客に飲ませるほうが環境に優しいのだろう。僕以外におかわりする客がいなかったので、僕が3杯を飲み終えた時点でもサーバーにはたっぷりとコーヒーが残っていた。もしかすると、僕のために大量のコーヒーを作ってくれたのかもしれない。4杯目は断ったが、若い頃ならばもう少し店の要求に応えていたと思う。
夕暮れ時には月食を見た。自宅からは建物や山で上手く見えないから、散歩がてら見える場所を探した。スマホを掲げて撮影する人もいたけれど、特に月食に興味がない、あるいは知らない人のほうが多いようだった。
サングラス越しに見ようとしている人がいたが、おそらくは日食と勘違いしたのだろう。
どういうわけかクリスマス・セーターを着ている人を2人も見た。確かにクリスマスは近いが、月食の観測には似合わない気がする。
そんな金曜日。
ドーナツを食べ過ぎたので、夕食は米飯をキャベツに換えて、鶏肉は皮を剥がしてから焼いた。
今日は3個食べられたけれど、たぶん次は2個でもお腹いっぱいになりそう。加齢は辛い。ただし可愛いドーナツがあったら、また3個目をトレイに乗せてしまいそうだ。
*1:上品な御婦人だった。