コーヒーとドーナツ

昔から、味噌には油という。
こってりした味噌炒めが、まずは思い浮かぶ。鍋物でも味噌仕立ての際には、動物性の具材をたっぷり使う。
味噌汁でもそうだ。豚汁や油揚げの味噌汁などもまさにそれ。
汁の実に野菜だけを使うのなら煮干しを多めに使って出汁を取れ、というのはカタクチイワシの脂を求めてのこと。
強い味を持つ味噌に相対するには、同じく強い油脂の旨みが求められるわけだ。

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個人的には、コーヒーにも油脂が合うと考えている。
具体的には、ドーナツのことだ。

ミスタードーナツの、やや苦いがそれほど特徴のないコーヒー。
あれはドーナツを味わうためにチューニングされたものなのだという。
コーヒー単体なら褒められた味ではない。ドーナツの油が組み合わさったときに最高の味となる。
今はレギュラーメニューにカフェオレがある。コーヒーに合うカフェオレの開発は苦労の連続だったと聞いている。

とにかくコーヒーにはドーナツである。
淘汰と商品開発の繰り返しによってもはや共生関係のようなそれらを今日は味わってきた。

注文したのは、ミスタードーナツのオールドファッション、ではなくてオールドファッション・ハニー。なぜプレーンのオールドファッションではないのかというと、本当になんとなくである。魔が差したというか*1、久しぶりなのでがつんと甘いものを食べてみたかったのだ。

おいしかった。香ばしいオールドファッションも良いけれど、強い甘みのハニーグレイズドによって全体がやわらかくしっとりしたオールドファッション・ハニーもまた良いものだ。大昔のオールドファッションみたいな味がする。

 

 

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最近、たくさんの揚げ菓子が食べられなくて加齢を実感していたのだが、今日は全く問題なかった。店員さんが勧める新作ドーナツも追加購入したし、コーヒーもおかわりした。少しドーナツを齧ったら、コーヒーをがぶがぶ飲んで、読書をする。
まるで大学生の時に戻ったみたいだよ!と思ってしまった。

 

 

ちなみに最初に書いた味噌と油については、全くの創作である。
でも味噌汁には少しで良いから油っ気のあるものが入ると、味がまとまると思う。何もなければ胡麻油をたらすだけでも違う。

ドーナツにはコーヒーを垂らすことはない。
昔はダンキンドーナツというチェーン店があったけれど、僕の青春と共にどこかに消えてしまった。あれはコーヒーにドーナツを浸す(Dunkin')習慣を店名にしたのだと何かで読んだ。ある意味ではコーヒーにドーナツを垂らしているわけだ。
そういえば、古い友人は「コーヒーは、ドーナツを胃に送り込むためのタレでありツユだ」と言っていた。あの人は元気だろうか。

 

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どうにもドーナツを食べるとセンチメンタルになる。
今日は食べ終えた後のトレイを返却口に置いたときに、唐突に、香川県の生活を思い出した。
列について、トングで揚げ物(ドーナツ、香川では天ぷら)を取り、レジで汁物(コーヒー、香川ではうどん)を注文する。そして返却口に返す。セルフサービスの讃岐うどん店と全く変わらない。

そろそろ瀬戸内海の島々をサイクリングしたいのだがなあ、などと考えて先ほどからグーグルマップとグーグルフォトを眺めている。数年前の今日は、小豆島を走っていたようだ。

では寝ます。おやすみなさい。

 

お題「ささやかな幸せ」

 

*1:乙女心が囁いたのかもしれない