映画『バルーン』

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たまには映画を、ということで静岡市のミニシアター「シネギャラリー」で『バルーン』を観た。

ミニシアター自体が久しぶり。観客は少なかったが、なんとなく部屋全体に「感慨深い」空気が満ちていたのは錯覚か。元から人数制限がある映画館だから、ソーシャルディスタンスなど対策はしっかりしている。

 

映画のほうは、とてもとても満足した。
東西分断下のドイツにおいて、東ドイツから気球で国境を越えようとする2家族のお話。実話をベースにしている*1

 

なにしろ現実にあった事だから、ヒーローもいないし、冴えたアイデアも無い。秘密警察はあくまで厳格かつ冷徹に主人公たちを追い詰めるし、一般市民たる主人公家族は、つまらない部分で失敗もする。スリルはあるけれど、小説のようなサスペンスは無い。

でも、だからこそ、はらはらするのだ。
社会全体が監視体制にあるような国で、熱気球をゼロから作る。何もかもが不利な状況。自宅に捜査員が来たら、もうおしまいである。9割のフィクションよりも、救いがない。

それでも彼らは、諦めない。
ぱっと見た感じでは、レトロでかわいい共産趣味的な東ドイツの風景と、秘密警察が幅を利かせる監視社会のコントラストもすごい。

思えばめちゃくちゃな体制だった。自分も知識でしか知らない(ベルリンの壁崩壊は、ぼんやりと覚えている)だけの、西ドイツと東ドイツ。しかし、子供の頃の漫画や映画を見返せば、ドイツが分断されているのは当たり前だった。
でも、西ベルリンなんて、東ドイツの真ん中にある飛び地だ。ちょうど南相馬市と同じくらい、博多や高松より少し広い程度の面積が、ぐるりと壁に囲まれていた。そういう時代だった、と言ってしまえばそれまでだけれど、いわゆる「地球を調査しに来た宇宙人には説明しづらい体制」ではある。
なかなか興味深い時代でもあるので、映画でも本でもWikipediaでも、さらっと知ってから見ると、この映画も、より楽しめるかもしれない。知識不足ではもったいない。

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繰り返しになってしまうけれど、本当に良い映画でした。はらはらしてどきどきして、心が暖かくなる。そして、洒落っ気もある。
映画館で観てよかった。

 

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お昼ごはんは、街で適当にみつけた「油そば」の店で油そばを食べた。
おいしいけれど野菜不足。後で野菜ジュースを飲んでみたり。
料理はともかく、「人材を人財に変える云々」といった貼り紙が見えるところに貼ってあって、なんだか嫌な感じがする。
「食中毒防止に手を洗いましょう」のポスターとは違う。食事中に見ると「うへえ」って思いますね、正直なところ。

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そんな日でした。自転車にも乗れたし、なかなか良かったと思う。

明日は誕生日なので、ひとりでおいしいものを食べに行きたいです。
ただし、まだ予定無し。

 

欲しいものリスト

 

 

 

お題「気分転換」

 

 

*1:邦題の「バルーン 奇蹟の脱出飛行」は好きではない。映画の内容と合わないと思う。摩訶不思議な出来事は一切ないので。
それに「奇蹟」というと、一般にはキリスト教用語だと思う(神様の仕業)。普通は「奇跡」を使う。