新屋島水族館について書く。
昨日の午前中に行ってきた。
屋島には初めて行った。
昔ながらの観光地、そしてそこにある水族館もまた古いこぢんまりとした観光客用水族館。なぜか山頂にあって、イルカのショーなどを見ることができる。
屋島自体は、とても風光明媚なところだ。
山頂が平らで元々は山城だったところ。その山頂に、お寺や展望台、そしてこの水族館があって、ぐるっと歩いて巡ることができる。
実のところ、水族館はあまり期待していなかった。
Webサイトを見れば、どういう施設なのかは概ねわかる。
そしてこの水族館は明らかに自分向きではない。
しかしそれでも、しっかり楽しんでしまった。
ペンギンもいるしカワウソもいる。アザラシはバイカルアザラシとゼニガタアザラシがいて、後者はショーも行う。世界広しといえども、寛永通宝を象ったアクリル水槽を泳ぐアザラシはここにしかいない、たぶん。
イルカショー(イルカ劇ライブ、と呼ぶらしい)は正直言って、残念なものだった。
イルカ自体はきちんと仕事をしていた。
ただその前で繰り広げられる寸劇が、街興しの手作り劇というか、素人が“イイ話”にしようと無理をしている感が強い。手作りだからいいじゃん、と思えないのが辛いところ。
いわゆるクリスマスに関するお話なのだけれど、説明も不親切で*1、周囲のちびっ子達は戸惑っていた*2。
ここのイルカはとても人懐っこい。
条件反射的に、つい仕込まれたアクションをしてしまうようで、何の指示も無い時にいきなり背泳ぎをし始めたりするので、なんとなく痛々しいところもある。
でも大きな水槽ですいすい泳ぐ都会の水族館とは違って、水槽越しにいつでも顔を見ることができることは、特に小さな子供には嬉しいのではないか。
マナティもいる。
ずいぶん大きい。そして、よく動く。
マナティだけでもこの水族館の価値は有ると思う。とても迫力がある。
最近増えてきたクラゲの水槽、人気のチンアナゴやサメ、それからウツボ(どうして水族館ではウツボをぎっしり飼うのだろう)から熱帯の淡水魚まで、スペースのわりに内容は充実している。
そして、どの生き物も元気だ。
擬態している魚などは例外として、水槽を見れば動く生き物が必ずいて、探さずとも見つけることができる。
水族館も良かったが、自分としては高松の街が一望できたことも嬉しかった。
もう街のかたちは把握したが、それでも駅前や職場や、それから自分のアパートまでを山の上から見ることができるのはなんだかとても楽しい。それに、視線を動かせば瀬戸内の島々も眺めることができる。
生活に慣れた今、こうして実際に鳥瞰できた事は僥倖だったのではないか。
さて今から寝ます。森見登美彦氏の「熱帯」がとてもとても面白い。氏の最高傑作になるかもしれない。一皮剥けた、というか。
しかし読まなければわからない魅力のような気もする。村上春樹の読者で「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が好きな人なら、たぶん楽しめる。でもその根拠は、今はまだ言葉にできない。
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今週のお題「読書の秋」