多肉植物は育てやすいというが、環境が合わないとあっというまに腐ったり、元気が無くなることも多い。売っている時はとても綺麗でも、それは温室で、しっかり光を当てて育っているからであって、自宅の室内やベランダに環境が変わった途端、駄目になってしまう。
そういう意味では、近所にある花屋というか園芸店は、とても頼りになる。最近は、外国の植物を買うならここ、と決めている。
この店は、あまり繁盛しているようには見えない。おそらく花輪やディスプレイなどでお金を稼いでいるのではないだろうか。
ニュータウンとしては成功したが付属の小規模ショッピングモールはまるで流行っていない、その寂れたモールの片隅に存在する。
ゾンビ・ゲームに登場する花屋があるとしたら、この店がぴったりではないか、というくらいに荒れている。
入り口側にはきちんとセール品や季節の苗もあるのだけれど、奥に行くに従ってポットやプランターに植えられた花や観葉植物が野生化している。もちろん枯れたものも多いし、空いた鉢などもたくさんある。昨年か一昨年に売り出されたポインセチアは、まるで別の植物のようになっていた。
こういう店だから、ほとんどの商品は、静岡の気候風土の洗礼を受けている。ある程度の淘汰を経た、強い個体だけがあるわけだ。
ここで買えば、我が家でも大丈夫。ダーウィニズムは園芸趣味にとっては、ひとつの正義なのだ。自宅で淘汰と適応を試すのは面倒ともいえる。
というわけで、いくつか多肉植物や室内用のグリーンを買ってきた。やる気が無い価格設定も嬉しい(簡単に言うと、安い)。なにしろ放置されたものばかりだから、販売開始時の鉢は完全に根が詰まっている。だからサービスで、その辺に転がっているプラスチックの鉢をオマケしてくれたりもする。
夏は蚊が多くて行く気になれない。汚い水たまりがあちこちにあるわけで、店員さんは気にならないのだろうか。
多肉植物だろうとサボテンだろうと、とにかく水はホースでじゃばじゃばかけて育てているし、逆にホテイアオイは干上がった水鉢で元気だし、なんというか、新しい生態系が成立しそうな店ではある。そろそろ新種が誕生する頃合い。
SFっぽさが溢れる店だ。森見登美彦氏だったら面白い話になりそう。
それがダーウィンの花屋。なお、そう呼ぶのは僕だけ。たぶん。
ああそういえば、森見登美彦氏の「夜は短し歩けよ乙女」の劇場版アニメが発表された。予告編だけでわくわくする。4月までは、とりあえず生きねば。
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