風邪と炒飯

風邪をひいた。それほど重篤ではないけれど、いちおう熱はあるし(38.2℃)、頭痛と倦怠感と喉の痛み、その他いろいろと調子が悪い。近所の魚屋で、カツオの様々な部位を一皿にまとめた刺身盛合せを売っているが、それに近い。風邪の症状をちょっとずつ体感できる、そんな状況に陥った。

全ての予定を取り止めて、今日は部屋で過ごした。風邪薬を飲んで、寝ながら読書をする。読書は進むが、だんだん面白みが感じられなくなってくる。要は飽きてくる。身体だって寝てばかりではつらい。

 

午後に、友人夫婦の姪から電話(正確には音声通話アプリ)がかかってきた。
いくつか聞かれた事に答え、こちらからも少し質問をする。風邪をひいている事も伝えた。

そういう雑談の中で、今日の昼食についても問われた。別に隠すことじゃないから正直に言ったら、なぜかものすごく笑われてしまった。
「炒飯を作り、1人で食べた」と言っただけ。
「はははははははは。炒飯!1人!ははははは」と元気よく笑う。
たぶん高校1年生の女の子(友達が多そう。教室では“明るい女子集団”に属しているらしい)には、1人で炒飯を食べる状況が、滑稽に映るのだろう。
人を笑わせることは嫌いではない。せっかくなので情報を追加する。
「スープとサラダも作った。サラダはトマトとインゲン豆とレタス」
「ははははは。スープ!サラダ!ひとりぶん!!」
なんとなく僕も楽しくなってくる。風邪をひいて、1人ぶんの炒飯(卵、ネギ、ワカメ)とスープ(もずく、カイワレ大根)そしてサラダを作って食べる事が、とても奇妙なことに思えてくる。
しかし彼女も、あと数年もすれば家を出る。大学に進学して、一人暮らしをしたいと言っていた。そうしたら、炒飯を作ってもそもそと食べる事が当たり前になると思う。
まだ、そういう経験が全くない、そしてどういうわけかツボにはまって爆笑してしまうというのは、やはり若さ故なのだろうか。

ずいぶん年をとってしまった僕は、もう何を聞いても彼女のように笑うことは無いと思う。というか、高校時代の自分は、それほど屈託なく笑う人間ではなかった。炒飯だって作っていた。

 

少し身体が楽になったため、気分転換に書店まで行った。本を1冊購入。
今はまた、頭が痛い。
ゼリーとかプリンとか、そういう品を買えば良かった。なぜ買い忘れたのだろう。やはり頭が働いていないのか。現在の体温は37.7℃。

 

 

 紙の本とは別に、この電子書籍を買った。100円と安いし、春に読んだ傑作「オービタルクラウド」の作家なので期待している。

UNDER GROUND MARKET

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