甲府に行ってきました

先日書いたように、今日は静岡県を飛び出して、隣接する山梨県に行きました。
目的地は甲府市。数十年ぶりの訪問です。

といっても観光でも仕事でもなく、家族の入院に関する諸々のための訪問。
早朝に家を出て、新東名高速道路中部横断自動車道を走り、1.5時間ほどで到着しました。中部横断自動車道ができて本当に早くなりました。そして何より楽になって、体感としては静岡県の西部や東部伊豆に行くのと変わらない感じです。

そして今日は、家族の検査や説明や処置の時間以外はとても暇なのでした。
だいたい2時間以上は空き時間があります。

というわけで、美術館と動物園に行くことにしました。
山梨県立美術館では、「フランソワ・ポンポン展」が開催中。常設展のミレー(種をまく人)やバルビゾン派のコレクションもいちど見てみたかったので、良い偶然でした。

病院からほど近いところにある遊亀公園には、「遊亀公園付属動物園」があります。とても古い動物園で、広くはないけれど評判は良いです。ここも"いつか行きたい"リストに入っていた場所。

それ以外にも、公園や病院の周囲を折りたたみ自転車で散策したり、ラーメンを食べるなどして、かなり積極的に遊んでしまいました。

なにしろメインの目的はヘビィすぎるから、せめて晴れている日は時間の許す限り"気晴らし"をするのが、ここしばらくの方針なのです。

もちろん、がんばって気晴らしをしていても、例えば平日の動物園でペンギンやマレーグマを眺めたとしても、ストレスは消えません。ベンチでぼうっとしながらも、肩だけが凝るような不思議なストレスは常につきまといます。ラーメンを食べて心配事が消えるほど人間の脳は単純ではありませんから。

でも、それでも病院の待合室*1で2時間や3時間も座っているよりは、何倍も心身に良いはずです。思えば四国の高松での暮らしでは、栗林公園高松港がその役目を果たしていました。

そういえば、甲府はなんとなく高松に似ています。
たぶん空が広くて、風景がすっきりしているからでしょう。
大きな建物は中心街の一部に集まっていること、郊外の見晴らしが良いこと、そしてたぶん、幹線道路沿いのロードサイド店が(比較的)整理されていることが理由だと思っています。
ロードサイド店云々については、例えば静岡や愛知の乱雑さとは比較にならないくらいに落ち着いています。看板そのものが少なく、さらに「古い釣具チェーンが潰れスポーツ用品店に改装した後にスポーツジムに切り替わり今は古着店」といった変遷も混乱もありません。結果として、なんとなく綺麗に見えるのです。あくまで比較的…ですが。

だから、高速道路を降りたあとも、かなり気持ちよく車を走らせることができました。
ああそうだ、どちらも古い観光都市で、麺類が名物なことも共通かもしれません。

気温もそれほど上がらず、からりと乾いた涼しい風が吹いていたのも気持ちが良くて、折り畳み自転車が捗りました。
もう少し時間があったら、県立美術館の周りの公園や、文学館を歩いてみたかったです。

行った場所については、明日に書きます。
帰宅は予定よりも早かったのですが、明日も朝から忙しいですし、やはり疲れました。
なんとなく、今日はもう寝てしまったほうが良い気がするのです。夜ふかしが碌なことにならないのはいつだって同じですが、今日はとびきり悪い夜ふかしになりそう。

なので寝ます。おやすみなさい。

移動距離:約260km
燃費:23.4km/L

 

 

 

 

*1:大掛かりな検査装置が有名な病院なので、遠方からの検査→結果待ちの人達専用の待合室がある。とても雰囲気が悪い。

きつね神社とロールキャベツ

明け方までは強い雨
昼前からは、しっかりと晴れた。

概ね順調。
ここしばらく、毎日何かしらの"引っかかり"がある日常あるいは非日常を送っていたから、ちょっと拍子抜けしている。
でも当然、順調なのがいい。

少し散歩をして、夕方にはロールキャベツを作って、先ほどまでは明日の準備もしていた。
明日は家族の入院の関係で、県外まで行くのだ。行き先は山梨県
山梨県、特に甲府周辺は学生時代には縁のあった土地だが、静岡に戻ってからはほとんど行っていない。山梨県に行くことがあっても、大抵は通過してしまう。
とりあえず動物園には行ってみたい。時間を作る努力をしなければ。

というわけで寝ます。おやすみなさい。

 

お題「ささやかな幸せ」

 

映画「TOP GUN MAVERICKS」

知人から映画の招待券(優待券?)を貰うという稀有な体験をした。
漫画だとデートに誘う手段の定番ではあるが、今回は1枚だけ。だからひとりで映画館に行ってきた。


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今日は「トップガン」を見た。
昭和の後期に、一斉を風靡した作品の、正当な続編。主役のトム・クルーズが気合を入れて制作に関わっていること、何度も新型コロナで公開延期となったこと、それでも劇場上映にこだわったことで話題になった。

で、この映画だが、僕はとても楽しめた。
なんというか、きちんと「トップガン」していた。

影技術が進歩した現代なら、どれだけでもシリアスな「ミリタリーもの」にできそうな飛行機映画だが、きちんと荒唐無稽な作品に仕上げている。そこが本当にすばらしい。


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旧作の主人公が乗る戦闘機「F-14トムキャット」が印象的だが、あくまで青春映画なのがトップガン。海軍のエリート学校を舞台としながら、「ただかっこいいだけ」の軽薄な映画でもあった。だから当時、大ブームになったのだ。

そして今作も、きちんとその軽薄なエッセンスが効いていた。
飛行シーンは何十倍も豪華になって見応え充分だが、基本は荒唐無稽。見ていて「ああ、これこそがトップガンだった…」と思い出すくらいに。

新しい要素といえば、中年の悲哀が加えられたことか。かつての同僚達が出世し、分別くさいことを言うようになる。病で世を去る仲間もいる。腐れ縁の元恋人も、今までのようには仲良くなれない。
とはいえ、なにしろトム・クルーズだから、きちんとクリーンに、格好良く話をまとめてくれる。安心して映画館の椅子に座っていられる。

ファンサービスもすごい。
僕はトップガンにほとんど思い入れは無いが、それでもわかる。ファンなら大喜びだろうというシナリオになっていた。たとえそれがミリタリー的には荒唐無稽でも、もちろんいいのだ。だってこれはトップガンだから。

 

 

思えば、この種の「大昔の人気作の続編」が最近は安心して楽しめるようになった。
技術が上がり、かつての青少年がお金をたくさん使える年齢になり、オタクが監督になったのだろう。世の中ひどいことばかりだが、全てがひどいわけではない。

 

 

ではなぜ邦画の、特に邦画の実写版がひどいものばかりかというと…これを書くと長くなるので今日の日記はこれでおしまい。
しかし「鋼の錬金術師」の実写版はひどかったなあ。

 

鋼の錬金術師

お題「ゆっくり見たい映画」

ピザを焼いた

今日の夕食はひとり。
老人と暮らしていると普段は食べられないものを…と考え、ピザを作ってみた。

といっても簡単な「ピザ・キット」を使った。
生地のための粉と、レトルトのトマトソース。がちがちに固いサラミ。オリーブオイルも付いてきた。
自分で用意するのはチーズ、そして好みの野菜。準備も含めて40分で完成。生地を休ませる時間も含めてこの速度は、なかなかすごい。ほとんどの洗い物を焼いている間に済ませられるから、一人分の気軽な食事としても適している。


よくわからない高級そうなギフトセットで、父がどこからか貰ってきたものだ。
先に書いたように、高齢者との同居では、なかなか出番が無いキットだった。

トマトソースに玉ねぎが多く使われていたので、野菜は庭のバジルだけ。
あとは冷蔵庫にあったチーズを適当に並べて焼いて完成。

 

 

 

初回にしては、なかなかおいしいピザが焼けた。
夕食は大成功。

でも、先日なんとなく買ったルートビアが、まずかった。
「沖縄に行きたい、でも行けない、せめて気分だけでも」とスーパーでカゴに放り込んだジュースだが、なんでこんなにまずいのか。
沖縄旅行中には必ず1回は飲むのに。なんだかべたべたと甘くて、薬っぽくて、なにか口に残る酸味もある。そういえば僕は炭酸飲料が苦手だった。
静岡で飲むものではないな…とコップを空にするまでに3回くらい思った。
それくらいにピザには合わなかった。

 

 

そんな日曜日。
天気はとても良かった。ベランダでの最高気温は35℃。
少し自転車で近所を走ったが、そろそろヘルメットが暑くなる。でも安全上は必要で、帽子代わりにもなるから、結局はなにかを被っている限り暑いのだった。僕の場合は散策のスピードだから風も期待できないし。

でも気分は良い。先週はもう、常に疲労のことを考えていたから。リセットとまではいかないけれど、この週末に良い気分転換ができた。

 

あ、"Adobe税"を納めました。
高いのだけれど、料金分は使っている。最近はビジネス文書の類も簡単なものならillustratorで作ってしまうので、とりあえず更新するのだった。でも高いなあ。
最新機能は不要なので、買取版が出ないかしらん。

 

お題「手作りしました」

 

今年の最初のかき氷

久しぶりに完全な休日。ここしばらくは何かしらの"家の用事"があった。親の入院や、親戚関係の手伝い、届け物など。
今日は出来うる限りの気晴らしをするぞ!と意気込んでいたのだけれど、やっぱり上手くは行かなかった。とはいえ些細な"家の用事"はノーカウントとして、休日らしく過ごしてきた。

 

おやつには、今年度初のかき氷を食べた。
新静岡駅近くの和菓子屋・甘味処の「いわらや」。
小さな店だが、いつも客が途絶えない人気店。

今年度最初のかき氷は、氷イチゴにした。
いちばん好きな味は宇治金時で、いわらやのそれは間違いなくおいしい。さすが和菓子屋と嬉しくなる味なのだった。
でも店の個性がわかりやすいのは、果物を使ったかき氷。その中でも最もスタンダードな氷イチゴを、この夏の始めに食べることにしたのだ。

狙い通り、というわけではないけれど、やはり氷イチゴは少し違っていた。
店で作った"蜜*1"はイチゴを煮たものなのだが、ジャムに糖液を追加したような雰囲気なのだった。しっかり甘く、果肉部分はゼリーのようになって、しかも丸い。
糖の使い方のせいか「まるで和菓子」と思ってしまった。

とても良いかき氷だった。
これは幸先が良い。この夏も、夏の前に来る梅雨も、夏の後の秋も、素敵なかき氷に出会えたら嬉しい。

 

そして今日は、鷹匠町や北街道の商店街で開催されていた「一箱古本市」にも行ったのだった。
なかなか楽しいイベントではあるが、午後だったこともあり本の数も店も少なく、購入した本は無し。次回に期待したい。

 

お題「大好きなおやつ」

*1:甘味処なので、ソースとかシロップとは呼ばない。あくまで"蜜"なのだった。

今年最初の水ようかん。

先ほど帰宅した。
今日も疲れたー。

昼過ぎに一時帰宅はしていた。その時に、つるりと冷たいものが食べたくて、この水饅頭と水ようかんを食べたのだった。
父がどこかで貰ってきた、普通に安っぽい水ようかん。でも十分においしいし、満足した。抹茶も上手に点てられた。

桜の葉がビニール製なのが、とても素敵。つい洗って保管したが、活用する場面が思い浮かばない。
ディストピア映画ならば
「いつか本物の桜葉ってやつを拝んでみたいぜ」「おれは遺伝子編集されていない野生の葉なんて嫌だ。野蛮だよ」「水ようかん(3日分の栄養素入り)が食えるだけ恵まれてるってもんだ」
みたいな会話が始まるだろう。僕はまだ幸せな時代に生きているのかもしれない。

 

 

 

それはそうとして、今夜は猫を預かっている。
知人の家からやってきた。都合で、明日の朝まで我が家で過ごすことになったのだ。

リビングを整理して、きちんと猫が過ごせるスペースを作ったのだが、どういうわけか玄関に陣取って寝てしまった。
今夜は僕のスポーツサンダルがベッドのようだ。
とてもかわいらしいが、なにしろ玄関は真っ暗。写真を取ることができない。

お気に入りだというタオルも、普段は寝床にしているケージも、全く気にせず玄関に行ったのはなぜだろう。「とってもさびしんぼう」と聞いたのだが。

まあいいや、僕も寝ます。その前に猫の寝息を聞いてきます。おやすみなさい。

 

 

お題「大好きなおやつ」

パフ・ペストリーとは

いつもと違うスーパーマーケットに行き、ちょっと変わったものを買うのが好きだ。
日常の中の小さな贅沢というか、息抜きになる。

今日行ったスーパーマーケットは、洋菓子の類が充実していた。
日時を決めて入荷する品も多いようで、僕が見たときは多くの棚が空になっていた。
そのなかでたくさん余っていたのが「パフ・ペストリー」。
どう見てもシュークリーム。でも常温で売られていて、なんだか軽い。そして安い。

帰宅してから食べてみた。
これは、ただのシュークリームの皮だ。クリームパフのクリーム抜きだ。
しかも、それ用に焼いたのではなくて、余った皮の詰め合わせのようだ。
1袋に3個入っていて、それぞれ生地が違うから。

パン屋におけるラスクのようなものなのかもしれない。不人気ではないが、わざわざこれを買いに来る人は少ないのだろう。

 



香ばしくて、なかなかおいしい。
しかしこのパフ・ペストリーはどのようにして食べるのか。

一時期流行った(そして大変残念なことに廃れてしまった)シュー・サレに使うにしては、クッキー生地やクランブルが乗っていて少し甘い。甘いクリームなどを詰めるのならば、シュークリームを買えばいいし、ジャムやチーズには空洞が大きすぎる。
ただ香ばしい皮を存分に味わいたい人間*1以外には、活用法が見いだせない品のような気もする。

それに、中身を詰めていないシュークリームの皮は、かなり割れやすい。
ふわっとした生地で湿り気があれば大丈夫だろう。ただ今日の袋のものは、ザクザクタイプの皮が過半数で、運ぶのに気を遣った。

気まぐれにカゴに入れたにしては良い買い物だった気がする。
クリーム抜きだから実質ゼロカロリーということで、遅めのおやつの罪悪感も皆無だった。二度三度と買うか…といわれると悩んでしまうが、でもまたうっかり選びそうな品でもある。

 

 

*1:例えば僕

5本の団子を焼いたこと

今日もまた親の入院の関係で病院へ。
そして引き続き(主に心が)疲弊した。こういう時こそ頑張って遊ばなければ、疲弊どころでは済まなくなってしまう。気分が乗らないなんて理由で外に出るのを止めてしまう贅沢は、かつて心を病んだ人間には許されない。困ったことに、気晴らしを行うにも必死な状況なのだ。

 

 

なので、55分ほどできた空き時間に、あえて自転車を引っ張り出して、お団子を食べに出かけるのだった。
その結果、5本のお団子を備長炭で焼いて食べることになった。

場所は静岡市の用宗港。
最近やたらと、お洒落っぽく再開発されているエリアだ。お洒落といっても「大都会の日帰りエリアにできたものを1年遅れで真似した」感がある、いわゆる「企画書の匂いがする」タイプのカフェやレストランによるお洒落。大都会ではない静岡の漁村で同じことをして大丈夫なのかと心配になる*1

でも、用宗は好きな町だ。
静かで、海鳥が多くて、自転車でも散歩でも、のんびりと路地裏散策ができる。たとえ企画書の匂いがしようとも、散策の途中でコーヒーを補給できるのは有り難い限り。
ところてんもおいしいし、好きな人ならば海鮮丼もおすすめ。

 

そんな町の、波の音が聞こえそうな場所にある和風カフェ「海風文庫」が今回の目的地。以前、Twitterで知らない人が勧めてくれたのだった。知らない人のアドバイスは忘れがちだが、今日は上手い具合に覚えていた。

コーヒーもあるけれど煎茶や抹茶もある。スムージー的なものもあるし、食べ物ならばサンドイッチやあんみつも用意されている。水まんじゅう等の和菓子も選べる。
そして、おそらく一番人気なのが串団子。

 

団子を自分で焼いて食べる趣向となっているのが特徴。
同じ価格で1本から5本と好きな本数を選べる。少し高くなると、5本から10本から食べたい本数を選べる。つまり、食べられる本数を最初に指定する形式となっている。

 

 

旅館の小鍋に使われていそうな卓上コンロ(飛騨焜炉)には備長炭が熾っている。小さな網の上で、プレーンな串団子を焼いて、餡や蜜をつけて食べる。
ちなみに餡・蜜は2種類選べる。今日は「粒餡、こし餡、抹茶餡、みたらし」と、あと数種類*2。僕は抹茶餡とみたらしを選択した。

 

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炭火焼とはいうものの、かなり時間をかけても焦げ目ができるほどではない。焼き立て団子の専門店では、かなりしっかり焼いているところもあるが、自分ではそれは望めない。でも、1本ずつ焼いて、頃合いになったものに餡や蜜をつけて食べていくのは楽しいものだ。
読書のペースにも合うし、なにしろ焼きたての団子はおいしくて、人気なのもうなづける。5本は多いが、気持ちよく食べ終えてしまった(後で満腹になった)。

店名に文庫とついているが、それほど読書要素は無い。
カフェにしては小説が各所に置いてあるな、という程度だった。でも上に書いたとおり、団子を焼きながらのんびり本を読む体験は、他では得難い体験となった。

団子を堪能した後に、散策しながら車のある病院の駐車場まで自転車で戻り、きっちり50分。昼はカロリーメイト(バニラ味)と野菜ジュースとビタミン剤で済ませたのに、おやつは贅沢。
別に串団子を5本食べて元気が回復するわけではないが、肩こりは少し軽減したのではないだろうか。頑張って気晴らしをして、良かったと思っている。
今日は晴れていて、海も綺麗だった。

 

お題「気分転換」

 

*1:すでに心配したとおりになっている店やイベントも見受けられる。

*2:老夫婦が頑張っている店なので、わりと忙しいのだった。

天丼と冷たい蕎麦セット

家族の入院の件で、病院に行ってきた。
医師から説明を受け、今後の方針などを聞き、何枚かの書類にサインする。
それだけで、僕も父もすっかり疲れてしまって、夕食は外で済ませることにした。

帰宅すれば醤油麹に漬けた魚の切り身もあるし、そろそろ食べておきたい煮物もある。庭のキュウリだって、どんどん大きくなっている。

でも疲労は全てを正当化する。心的な疲労ならば、なおさらのこと。

といっても(繰り返すようだが、なにしろ疲れているので)店を選ぶような元気はない。食べたくないものは沢山思い浮かぶのだが*1、それ以外の要望は出てこない。

結局、ごく庶民的な蕎麦屋さんに入ることにした。

蕎麦打ち趣味の父にとっては、普段ならば絶対に入らない店だ。
彼にとっての蕎麦屋とは、山奥の古民家にあって、ざる蕎麦が1400円くらいして、しかも少なくて、店主が「最初は水で、次はこの粗塩でお召し上がりください。今すぐに!!ほら今すぐに!!!」とか言い出すような、こだわりの店なのだ。
外回り仕事の勤め人がランチセットを食べにくるような店は、それこそ退職して以来ではないだろうか。

僕にとっても珍しい店ではある。
自分は外食ではもう少し"特徴のある店"を選びがち。蕎麦屋ならば、ワニ肉やダチョウ肉がメニューにあるのならば、行ってみたいと思う*2

でも今日は、気の利いた店を探す気分ではないから、こういう店で良かったのだ。

とにかく僕も父もぐったりしていた。でも、メニューを見たら色々と迷ってしまう。
そして、「今日は食欲が無い」と言いながらも、小さな蕎麦と丼のセットなどを注文してしまうのだった。

 

 

僕は天丼と、冷たい蕎麦のセットを選んだ。
天丼には苦手なナスとピーマンが入っていたが、でも全体としておいしい。甘めの味付けは、昔ながらの蕎麦屋といった感じ。
蕎麦も、すっきりとした口当たりで、いわゆる手打ち蕎麦とは全然違うけれど、これはこれですばらしい。

二人でへろへろと店に入ったのに、食べ終えたときは「いいお店だったね」と言い合えるくらいにはなっていた。

そして今。
また父も僕も、ぐったりとしている。なんとかシャワーを浴びて、明日の準備をしたら、もう今日は寝るだけ。
考えれば考えるだけ心身ともにダメージを受けるタイプの疲労なのだ。そういうものは、天丼と冷たい蕎麦のセットでは癒せない。父はビールを飲んだが、アルコールが効くとも思えない。

 

というわけで、もう寝ます。おやすみなさい。

お題「ささやかな幸せ」

*1:例:ハンバーグ

*2:静岡市葵区新静岡駅から徒歩数分のところに実在する。ラクダ肉がおいしいと聞いた。

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