電話は来ない。リクエストも受け付けてもらえない。

親の入院と検査の件で病院から連絡が来るはず…ということでスマホを気にしていたのだが、結局は何の連絡も無かった。

おそらくは検査結果について、そして今後の処置について説明があるはず。とはいえ、なにしろ忙しい総合病院である。いつも医師の空き時間を利用するようなタイミングで「説明があるので来てください」と連絡が来る*1。17:00過ぎの時もあれば、いきなり1時間後ということもある。

ただしこの「連絡が来て、今後の処置などの説明がある」というのは父の思い込みである可能性も高い。病院側は「説明すべきことがあれば連絡もするし、呼び出す」つもりだったのかもしれない。ただの報告で人を呼びつけるようなことはしない…のかもしれない。
なにぶん父も老いてきたので、このあたりの「予定」と「願望」が混ざっていることが増えた。

それに(繰り返しになるが)総合病院は本当に多忙なように見える。
新型コロナ対応は今も続いているし、スタッフの数も足りない。丁寧な説明と本人・家族との同意が常識になっていても、優先度が下がるのは仕方がない。

なので、一日中スマホを気にして過ごしていたことについて、病院を悪く言うつもりは全く無い。いや、電話を待ちながら夕方を迎えたときは「なんだよう」くらいは思ったのだが、そのときの気分は飲み込んでおく。
これも入院家族を持ったときの、気苦労のひとつ。病人や医師や病院スタッフに比べれば楽なものだ。

 

ところで今日は夕方に図書館へ行ったのだった。
図書館では、読みたいが蔵書にない本をリクエストする制度がある。何度か利用したが、大抵の本は購入してくれるようだ。

今日は来月に発売の資料本をお願いしてみた。
わりと一般向けの本で、絵本や読み物としても楽しめるから、まず審査は通るだろうと目論んだのだが、なんと受け付けてもらえない。

窓口担当者が言うには「リストにない」のだという。
出版社のウェブサイトでは発売日もISBNもわかる。Amazonなど通販サイトでも予約ができる。でも「リストにない本は、リクエストを受けることができない」と、申請用紙を受け取ってくれない。

普段は預かってくれるのに、なぜだろう。
これはもう”なんとなく”でしかないのだが、この担当者に質問をしても納得のいく答えは返ってこない気がする。4回くらいは「リストにないので」を繰り返していて、それがどんなリストであるのか、言葉で伝える意識がない。
「リスト」とは、おそらくは図書館が持っている「既刊・新刊リスト」なのだろう。それに載っていない新刊は、審査登録ができないからリクエストを受け取れない。そういう意味なのだと推測する。

今までリクエストを受けてくれていたのは、既にリストに載っていたか、載っていない場合でも受付をする手順があるか、とりあえずリクエスト用紙を預かる機転を利かせてくれていたのだ。

そして今回はそれを期待できない。これは経験則になるが、相手のことを考えない説明を繰り返す人に、どんな機転も期待できないのだ。
となれば僕としては、引き下がるしかない。

窓口担当者は「近いうちにリストに乗るでしょう。その時にまた手続きに来てください」と言っていた。
だったらリクエスト用紙だけでも預かってくれよう、と思ったのだが、小心者の静岡中部民である自分は、そんなことを言葉にはできないのであった。

 

 

というわけで、ちょっとだけ上手くいかないことが続いたけれど、僕は元気です。

おやすみなさい。

 

お題「気分転換」

 

*1:かなり心臓に悪い。

「三体」を再読する

ひょんなことから「三体」を手に入れた。


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「三体」は中国のSF小説
全3部作で、どれも世界中で話題になった。日本でもベストセラーリストに長く載っていたのを覚えている。

確かに、とても良いSF小説だった。
第1部はAmazonの朗読サービス「Audible」で楽しんだ。静岡と四国を車で往復する時間に、この小説の朗読を楽しめたことは、なかなかに得難い体験だったと思う。

2部と3部は活字で。どちらも電子書籍
2部に関してはAudibleでも読んで(聞いて)いる。
長いSF小説は得意ではないのだが、きちんと楽しめた。読みやすさが抜群で、さすがベストセラー!と感心したし、ものすごく"新しいもの"に触れている感覚は新鮮だった。

決して好きなタイプのお話ではないけれど、集中して読んでしまう、というか読まされてしまう小説。得難い読書体験だった。

 

 

今日はその「三体」に、偶然の再会をしたのだった。

数日ぶりにからりと晴れた午前中。買い物のついでに少し歩こうと住宅街を散策していたら「ご自由にお持ちください」の箱を発見した。
揃っていないコーヒーカップや、貝殻で作った小物入れ、そして大きなガラス灰皿など、いかにも不用品といったものが、木箱に入っていた。
その横に段ボール箱が並んでいて、そちらには古い本が詰まっている。
青汁トマトでガンが治るとか、学校行事のエチケット集とか、Windows Xp時代の仕事術といった、古本屋でも値段がつかないような実用本の中に、なぜか「三体」が揃いで置かれていた。他にSF本は無し。小説らしきものといえば「KAGEROU」と「世界の中心で、愛をさけぶ」だけ。

 

 

自分で紙版の「三体」を再購入はしないと思う*1
でも無料なら読んでみたい。最近は紙の本を読む機会も、めっきり減ってしまった。

というわけで「三体」の全巻を貰うことにした。
分厚い小説が5冊。いつもかばんに入れている買い物袋が破れそうに重い。

今日の夕方に再読を開始した。
やはり紙の本だと印象が違う。Audibleの朗読で固有名詞やストーリーは頭に入っているけれど、ページめくりで読書の流れが止まる。電子書籍だとタップするだけだが、紙の本では両手を使うから、思考も一瞬切れる感じだ。
そしてページの進み具合が物理的に把握できるから、物語の進行度も予測できてしまう。
これは意外だった。指で挟んでいるページの量で、「まだまだ中盤だろう」と推測していた。自分では意識していないのに、ふと気がついたら進行度を前提に物語を楽しんでいたのだ。
普段の、それほど厚みのない小説では、ここまで明確な感覚はない。

困っているのが、本の厚さと重さ。
僕は寝ながら読書する習慣がある。だが「三体」は少し重すぎるし、厚すぎる。翻訳小説としてはこれでも"並"かもしれないけれど、手が疲れてしまう。
読書しながら眠くなってくると、力が抜けた瞬間に本が顔に当たって驚くことになる。どんなに長い本でも同じ寸法になる電子書籍とは大きな違いだ。

内容も、そして物理的にもヘビーなこの書籍版の「三体」。
せっかくだから、丁寧に読みたい。

 

 

ちなみに1冊目は少しだけ書き込みがあったが、2冊目以降は新品かもしれない。開くときにぱりぱりと音がしたし、出版社の案内も挟んだままだった。読み終えたら図書館に寄贈しようと考えている*2

「ご自由にお持ちください」の家には、何かお礼をしたいところではある。
でも家の雰囲気からすると、取り壊し前の処分、あるいは終活・遺品整理のようだった。再訪した時には、もう箱も家も無くなっているような気がするのだ。
それに、買い物のついでの雑な散策だったから、正確な位置もわからない。

 

 

そんな日曜日。
明日は再び多忙となる。でも今日はまだ、急いで片付けたいパソコン作業があるのだった。ブログなんて書いている場合ではないし、SF小説を読んでいる場合でもない。

 

 

 

*1:合計で9千円くらいする。

*2:確か、地元の図書館の「欲しい本リスト」に載っていたはずだ。

電子レンジ用保存容器の導入および更新について

朝から雨。
驚くべきことに、全く家から出なかった。
新聞を取りに玄関から数メートル外に出た以外は、完全に家の中で過ごした。

最近ちょっと疲れが溜まっていたので、昨晩に「今日はアラーム無しで寝続けよう!」と試してしまったら、普段より4時間も多く寝てしまった。最近は朝になったら目が覚めてしまうので(高齢化…)、これは本当に珍しいこと。

もちろん寝てばかりいたわけではない。
大掃除レベルの家事を済ませた。換気扇や風呂周辺など、普段よりも大掛かりな掃除・片付けを行ったのだ。

自分用に使いやすく台所を整理もした。
我が家は両親も僕も日々の料理はしていたけれども、台所の"基本システム"は母の仕切りだった。家族(母)が入院したので、僕好みに変更してしまう。ちなみに父は、それほど主体的に台所の「改善活動」に関わることは無い。

 

 

具体的には、保存容器の変更を行った。
母はチャック付きポリ袋(ジップロック)を好んで使っていた。密封容器というよりも、整理用の袋として、主に冷蔵庫・冷凍庫で活用する。他には薄いポリ袋も頻用していた。

母が入院して、どうやら日々の料理の多くは僕が関わることになる*1。となると、まず僕の使いやすい"システム"を確立しなければならない。特に、素材の小分けが減り、作り置きの料理が増える。袋よりも容器での保管、冷凍ではなく冷蔵保存が増えるだろう。保存容器を活用した料理も増える。

なので今日は、プラスチックの密閉容器の大量導入を行った。
大昔のタッパーウェアの末裔、耐熱性のある透明な蓋付き容器は、独り暮らしのときに大活躍していた。実家では冷凍ご飯用しか出番の無かったそれを、今後は主力とする。

 

ただし、ジップロックコンテナーは使わない。
あれは購入時期によって少しずつ寸法が違い、蓋の統一が難しい。しかも父の世代だと、ただ「蓋が合わなくて不便」程度では買い替えなどは行わないのだ。
経年劣化によっても密閉度が下がるのも困りもの。

 

 

というわけでイオングループの店ならどこでも手に入る、HOME COORDYブランドの電子レンジ用保存容器を制式採用する。僕が一人暮らしをしていたときのストックもあるし、近所で買い足すことも容易だ。個人的にはIKEAの容器も好きなのだが、残念ながら静岡には店舗がない*2

チャック付きポリ袋に比べると保管スペースを取るのだが、それでも広い実家の台所。一人暮らしで使っていた分は、きちんと収まった。

チャック付きポリ袋と違って、使用可能な温度に気を使わなくて済むのも、父の年齢を考えるとありがたい。そろそろ注意書きを忘れる(読まない)傾向が出てきたので。

母の作った台所を改変することに少しの後ろめたさを感じるが、戻すのは容易なので気にしないことにする。

 

とにかく、完全に運動不足ではあるが、ようやく家事カテゴリーの懸案事項が一つ片付いたので、気分としてはすっきりしている。
でも寝すぎたうえに昼寝もしたから、うっかり夜ふかしをしそうで怖い。こういう状況でのだらだらした夜ふかしは、絶対に明日や明後日に響くので。

だからもう寝ます。おやすみなさい。

 

お題「簡単レシピ」

 

*1:なぜか父が台所に立つ頻度が激減した。

*2:四国にも無かったが、瀬戸内海を挟んだ神戸店で調達ができた。

よくばりランチ:さんふぁいぶ

今日は朝から正午までが忙しかった。
午後は家族の用事で清水区まで行くことに。お弁当を作る時間が無かったので、昼は外食で済ませることに。

というわけで、先月に行って驚いた店「さんふぁいぶ」を再訪した。
ここは大盛りが有名な安食堂。
今日は諸事情あって夕食を食べる時間が無くなりそうだったので、昼に沢山食べておく作戦。健康には悪いが、お財布と時計には優しい。

というわけで、お店のおすすめであろう「よくばりランチ」を注文してみた。
前回の来店時に気になっていたメニューだ。あの時に食べた「ミックスフライ定食」は、揚げ物の暴力が過ぎた。
カツカレーも気になったのだが、巨大なお皿に気圧された。



「よくばりランチ」は焼肉とコロッケと唐揚げの、文字通りよくばりなセット。一品が巨大ということも無いだろうから、僕にも食べられるだろうと目論んだのだった。
なお、ご飯は「かなり少なめ」と強調しておいた。

でも、よくばりランチも十分に量が多かった。
コロッケも唐揚げも焼肉も、サイズは普通。ただ、普段ならそれぞれ1品で、1食の主菜になるものを3種類だから、多くても当然だった。焼肉なんて小鉢サイズだと思っていたのに、ほぼフルサイズだった。

でも味はとても良い。お味噌汁やきんぴらごぼうも、きちんとしている。
サラダが冗談みたいな量に増えていたのは、厨房が混乱していたからだろうか。

 

年齢と体調に見合わない馬鹿喰いをしてしまったわけだが、とても満足した。
午後はいささか気持ちが悪かったし、長時間運転の途中で車酔いみたいな"症状"も出たけれど、思惑通りに夕食はパスできた*1

 

しかし、さんふぁいぶはとても良い店だとは思うけれども、いささか忙しすぎる。
席が8割方埋まった状態で、老夫婦のオペレーションは崩壊寸前なのだ。長く待つのは皆が承知していて「ゆっくりでいいですよ」と声をかける人も多い。
それでも、厨房の店主が怒る声が聞こえたり、カウンターの中でお婆さんが混乱している姿を見るのは、ちょっとつらいのだった。それだけが気になっている。「混雑している時に申し訳ない」と思ってしまうのだ。

 

 

それが今日のお昼ごはん。
実は10分ほど前に帰宅した。まだ空腹になっていない。
このブログを書いたら、シャワーを浴びて、寝ます。おやすみなさい。

 

お題「気分転換」

*1:正確には、豆乳とトマトジュースを摂取した。

紅茶のパフェ:Pappus

うがーと叫びたい酷い出来事に遭遇した。
心の中で、うがーと叫びながら対処をした結果、僕のストレス以外は原状復帰できた。

そんな状態で静岡市の北街道を東進、このままではいけないと全身がコーヒーを欲していた。

上手い具合に焼き菓子とケーキの店「Pappus」が開店していた。
週の半分くらいは休み、臨時休業も売り切れも多い店だから、これは僥倖。

ケーキも捨てがたいが、今日は紅茶のパフェがメニューにあった。
以前食べたイチゴのパフェは最高だった。だから紅茶のそれもぜったいに美味しい。
迷わず注文した。

とても良いパフェだった。
佇まいが最高。午後の明るい光に、きらきら輝いている。

味だってすばらしい。紅茶のゼリーっぽい何か、紅茶プリン的な何か、その他にも素敵なものが詰まっている。名前がわからないのが惜しまれる。でもとにかくおいしかった。

こういうものをストレス解消のために食べるのは実にもったいない。
パフェに失礼だ。
だから、問題のトラブルおよびストレスのことは一旦保留にして、この紅茶のパフェとコーヒーは、可能な限り純粋に、無心に味わうことにした。
手元にあった文庫本*1が、その切替えを可能にしてくれる。良質なおやつと読書は、ある種の安全地帯を身体の周りに作り出すのだった。

満足した。
ちなみにストレスについては、帰路に日本平へ行き、展望台でぼうっとして発散した。どうせ完全には消えないのだ。
展望台で、水筒に入れてきたお茶を飲んで、暑いのか涼しいのかわからない気温を存分に感じて、とりあえず胃が痛くならないくらいの身体状況になるまで風景を眺めるしかない。それで一応、夕食を普通に食べられるくらいの心身に"持っていく"ことができた。

 

 

そんな1日だったので、気分が落ち着いているうちに寝ることにする。
こういう日に夜ふかしをしても、ろくなことにならないのだ。
絶対に「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」なんて始めてはいけない。酷いことになるのはわかりきっている。

では、おやすみなさい。
あーでも本当に大変だったー。うがー。

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:正確には、小説が詰まった電子書籍リーダーKindle Paperwhite

映画「ハッチング 孵化」


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夕方に病院へ。今日は入院している家族に着替え等を渡す日。洗濯物や本の受け渡しはできるが、入院患者のいる棟へ入ることはできない。

行くだけでそれなりに忙しいのだが、合間の時間に映画を観てきた。
今日の映画は「ハッチング 孵化」。

 

好きな人は予告編だけで大好きになると思う。
ホラーやスリラーではよくある筋書きの物語。
無垢な少女が偶然か必然か「おそろしいもの」に出会う。幸せそうに見えていた家族の"嘘"に触れるたび、その化け物は成長し、やがて悲劇が…といった話。

冗談みたいに幸せそうな家族だが、冒頭3分で既に嘘臭い。
特に北欧素敵ライフを配信するママは別格なのだが、パパの歪みかたも凄い。これなら怪物が育ってしまうのもわかる気がしてくるのが、この作品のおそろしさだろう。

年齢制限がある映画らしく、むごたらしいシーンもそれなりに多い。
ただ、血や死体だけではない、生理的に多くの人が嫌うものが当たり前に登場して、しかもその気持ち悪さが全て物語に必要なのだから参ってしまう。ともすれば大昔の悪趣味ホラー映画になりそうなところを、しっとりとした色使い・質感によって「ミニシアターっぽい作品」になっている。

ところでこの映画の見どころはなんと言ってもラストシーン。
なるほど、ここで終わるのかと感心してしまった。

あまり他人とワイワイ楽しむ作品ではないと思うのだが、ラストシーン後に「どうなるのか」は誰かと話したくなる。そこで「孵化」の意味するところが(劇中の"孵化"とは別に)ひとつ追加されるのだ。

ずいぶんと巧みな作品という印象。なにしろ残酷で不快で痛いシーンも多いから万人には勧められないけれども、でも良い映画だった。


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予告編あるいは冒頭シーンで気になる人には、おすすめしたい。

 

お題「ゆっくり見たい映画」

おでんの誤謬

今日も引き続きどたばたしている。
傘がなくても大丈夫そうな小雨だけれど、気温は低くて色々なことを後回しにしてしまう。そろそろ静岡駅前にできた水族館にも行きたいところだが、ああいう雨とは関係のない場所でも、今日のような日には行く気になれない。

こんな日の夕食は手抜きで味噌おでん。
我が家における味噌おでんとは、通常の醤油味のおでん(薄味)と、味噌だれの組み合わせを指す。味噌で煮込むわけではない。

そろそろ使い切っておきたい「いりこ出汁の素」を使ってみたら、香川で食べていたおでんに似た味になった。思えば讃岐うどん店のサイドメニューにあったおでんは、うどんの出汁を流用したものだったのではないか。
様々なものが煮込まれた汁なのに、いりこの風味で違いがわかるのだから、魚の出汁は強い。

 

 

それにしても、おでんは楽だ。
昼前に大根と鶏卵とこんにゃくは出汁に入れておいたが*1それ以外の練り製品や野菜は、夕方に20分ほど煮ただけ。それでもきちんと"おでん味"になる。むやみやたらに長く煮る必要はない。
これは「おでんの誤謬」と呼んでもいい。

 

そういえば、カレーも実は長く煮込む必要が無いのだとスパイス会社の人が言っていた。実際、カレールウの箱に書かれているレシピでは、せいぜい15分から20分の”煮込み”が指示されている。
一般的な日本のカレー*2の場合、きちんと根菜に火が通っていれば、注意すべきは水加減だと僕は考えている。味の変化をつけたい時は玉ねぎを十分に炒めるほうが有効で、ぐつぐつと煮るのはブロック状の肉を使う場合に限定してもかまわないはずだ。僕は薄切りの肉や、それほど固さが気にならない鶏肉などを使うことが多いから、最近は大鍋で煮込むようなカレーは作っていない。

 

 

おでんはともかく、作ってもいないカレーについて書いてしまった。
それくらいに今日は何もない1日だったのだ。いや、色々あったのだが、ここに書くべきことがない。

なので寝ます。書くことが無いのなら、パソコンを閉じればいいのだ。
おやすみなさい。

 

 

*1:真空調理鍋を活用。

 

 

*2:カレールウを使ったもの。スパイスカレー等ではない、家庭のカレー。

映画「シンウルトラマン」

今日もまた、家族の入院に関係する諸々のため午後から出かける。静岡の中心街で空いた時間ができたので、映画館に行くことにした。

今日見たのは「シンウルトラマン」。話題の作品だ。

上映を待ち望んでいたほどではない。
でもウルトラマンは子供の頃によく見ていた。

なにしろ頻繁に再放送をしていたのだ。子供の頃には既に「古い特撮作品」だったが、それでも楽しめるのが子供というもの。当時は数年前の作品でも、当たり前に「ウルトラ怪獣大全集」といった本や、子供向け雑誌の特集記事に載っていた。だから、随分と広い年齢の人達にとって馴染みのある作品なのだと思う。
トムとジェリー」みたいなものだ。「ドラえもん」のように新作が作られ続けているわけでもないのに、不思議なことかもしれない。

ともあれ庵野秀明氏の手掛ける「シンウルトラマン」だから、もちろん面白い。
ストーリーは書かない。
ただ、きちんと「ウルトラマン」になっていた。

シン・ゴジラが政治・ミリタリー色を足していたのに比べたら、SF的な仕掛けも、セリフや舞台設定も少しゆるい。でも、大真面目に考えたら馬鹿みたいなことも含めて、本当にウルトラマンらしさに溢れていた。

思うに、昭和のウルトラマン・シリーズは、ちょっとゆるくて非常識な演出や行動原理もまた、敵の不気味さ、あの世界の危うさに繋がっていたのではないか。大人になって、ようやく気づいた。

監督もスタッフも、本当にTV版のウルトラマンが大好きなのだろう。
もっとクールに、「リアル」にすることだってできた。
あるいはスタイリッシュなSFアクションにしてもよかった。
でも、あえてウルトラマンのクドいところやおかしなところは残して、そのうえで2時間映画として破綻しない作りに仕立てていた。なかなかできることではない。

そのうえで、庵野映画の統合ワールドとでもいうべき世界観を、本筋とは関係なく匂わせていたのも素敵だった*1。マーベル・コミック映画やキングコング対ゴジラみたいだ。

映画の後に、なんとなく「ガンダムのデザイン」と「カトキハジメ」氏を思い出した。
メカデザイナーカトキハジメ氏は、ガンダムをとても格好良くリメイクする。新しいガンダムやMS*2も、どんどん世に出している。他の新しいデザイナーは、戦車や航空機のように"リアルな"新作を描いているのだが、カトキハジメ氏は「ガンダムらしさ」を丁寧に残しながら、破綻しないように現代人の鑑賞に堪えるデザインを提案する。

ジャズやロックの世界でも同じようなアーティストは居る。
リスペクトした対象を壊さず、持ち味を活かし、さらに磨き上げる。本人も、それを望んでいる。

「そんなものが創作か」と言う人もいるだろう。
もちろん、創作である。好き勝手に「俺の考えたウルトラマンorガンダム」を新しく作るよりも難しいかもしれない。

 

 

まあ、そんな感じで良い映画だった。
セクハラ的な描写や、さすがにマニアしか喜ばないんじゃ…と思わせる台詞は気になったけれども、それでも面白く観ることができた。


映画館で見るのは今日が最後だが、いずれ動画配信か何かで、じっくり楽しみたいところ。SNSでは「ネタバレ」を気にする人がとても多いが、確かに他人に(他のオタクに)話したい内容ではある。

 

 

*1:とても重要な台詞ではあるが、主人公達の問題解決とは関係ない言葉でもあった。

*2:モビルスーツガンダム世界のロボット。

今日のおやつは紅葉饅頭

お土産にいただいた紅葉饅頭が、今日のおやつ。
和紙の風合いを真似たフィルムできちんと梱包された、駅ビルの土産コーナーに売っていそうな立派なものだ。広島の老舗なのかもしれない。

個人的には、箱入りで、個包装はされていなくて、賞味期限も短いものが紅葉饅頭なのだった。これは西日本に住む知人から貰ったものが、そういう”地元向け”だったから。知人の定番が、僕にとっての当たり前になっていたわけだ。

自分が広島県を旅したときも、古い個人経営のお店か、神社の参道にある茶店形式の店でしか買っていない。

それらの紅葉饅頭に比べると、ずいぶんとフォーマルな雰囲気。迷惑をかけた取引先にお詫びとして持っていくのにも使えそうだ。

そんなわけで、今日のこの立派な紅葉饅頭は、なんだか"そぐわない"気がして落ち着かないのだった。貰っておいて失礼な話ではあるが、そもそも個人的な想いというのは、7割くらいが失礼なものなのだと思っている。

 

おやつの事しか書くことがないくらいに平穏な日曜日だった。
運動不足解消のため散歩をしつつ本屋に寄った以外は、家事やパソコン仕事ばかりしていた。
家族の入院に対応するため、食材の下拵えなど作り置きもした。ちょうど庭の野菜が収穫期に入ってしまい、かなりたくさんの豆や野菜を「収穫→洗浄→加熱→保存」した。
なんだか一人暮らしをしていた時の、日曜日の午後のようだった。

 

 

そんな日曜日。
明日は映画を見に行く予定。でも時間がまだ決まっていない。

 

 

 

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