早朝から健康診断のため病院へ行っていた。
腕の血管が見つかりづらいため、今回も採血には苦労した。4人目の看護師さんが、通りかかった医師の助言を受けながら「えいや」と刺して、ようやく血を採ることができた。ちなみに医師の語る言葉は、「現場」の人間である看護師さん達には全く響かなかったようだ*1。看護師さんは「あのセンセイは医学の話をしてくれるけどねえ、わたしたちは採血をしてるんだよ」と、医師が去った後で言っていた。
それにしても、他人の皮膚に金属を刺すときに「えいや」と言う人には初めて遭遇した*2。これが人生最後であって欲しいものだ。あの「えいや」には、間違いなく楽しそうな響きが込められていた。エンジニアが固着したネジを外そうとする時の「さてさて」と同じタイプの言葉だ。
ともあれ検査は午前中で終わり*3、午後は帰宅して自宅作業となる。
帰宅前にいくつか用事を済ませるために、藤枝市や島田市を巡った。昼食も、その時に済ませる。
島田駅前に至る旧東海道の商店街から1本裏手に入ったところで見つけた、古い中華料理屋に寄ってみた。ここは知人から勧められていた店。
店名は「一番」という。
いわゆる「町中華」ではあるが、奥に座敷もあって夜などは賑わうのではないか。昼は近所の人達が食べに訪れるような、落ち着いた雰囲気の店だった。
「採血した」→「血が足りない」→「レバー」という昭和的に単純な発想で*4最初はレバニラ炒めでも食べようかと思ったのだが、目についた「レバーチャーハン」を選んでみた。
レバーチャーハンは、レバーの入ったチャーハン。
他の肉類は無くて、味付けは濃いめ。レバーはたくさん入っていて、食べごたえがある。
チャーハンの量はちょうどよくて、安い店にありがちな「量で勝負」という感じではないのは嬉しい。おいしいスープも付いてきて、なるほど人気メニューなのだと納得する品だった。
レバーは、しっかりとレバーの風味がするので、添えられた紅生姜がとても良い働きをする。中華料理に添えられた紅生姜のなかでは、このレバーチャーハンのものが最も効果が高いのではないかと推測する。
ところでこの「レバーチャーハン」というメニュー。この店で初めて出会ったのだが、一般的なものなのだろうか。ちょっと検索してみると、レシピサイトでの紹介はたくさん見つかる。ニラを活用したレシピのものが多いようだ。
個人的には、この店のものが最初で、おそらくは最後ではないかと思っている。自宅でレバーを扱うことは少ないから、もし"次"があるのだとしたら、この「一番」を再訪するか、偶然に他の店で出会うことになるはずだ。
ともあれ、珍しいものを食べたので、今日は好い日なのだ。
夕方には本当に久しぶりの雨が降って、庭木も少しは元気になるだろう。ついでに夜が涼しくなれば良いのだが。
では寝ます。おやすみなさい。