静岡市葵区の護国神社で開催中のクラフトイベント「ARTS&CRAFT 静岡手創り市」へ行ってきた。
さらっと回れば0.5時間程度の小さな会場だが、静岡県中部では貴重なクラフト系イベント。ここ数年は天候や疫病対策や私事都合により行かないことも多かったが、今日は頑張って参加してみた。
最近、手芸や工作の"熱"が冷めているような気がしていて、それに県外の大きなイベントも知ってしまうと、どうにも積極的に参加する気が起きなかった。でも、そういう時だからこそ、自分のモチベーションなんて無視して行動するほうが良い。こと趣味の領域においては、思いがけない変化とは良い方向に転がるものだ。
実際に、久しぶりの静岡手創り市は、なかなか楽しかった。
最終日の午後ということで全体に落ち着いてはいたけれど、活気もある。
日々、YouTubeやブログで制作方法を知る機会は増えたけれど、実物の完成品は作り方を知っていても(知っているからこそ)眼福なのだった。
後で知ったことだが、僕が会場を巡っている時に、友人夫妻がすぐ後ろを歩いていたそうだ。
僕の所作は「まるでバイヤーや記者に見えた」という。
そして、そのことを幾人かの出店者さんと話して笑っていたのだそうだ。
全く気づかなかった。
会場を出る時に声をかけられて、たいそう驚いたのだった。
しかし、僕がバイヤーあるいは記者といった「プロ」に見えた理由はわからない。
僕が特別に厳しい目や専門用語を駆使しているわけではない。
ただ、作家さん、出店者さん達には丁寧に接するようには心がけている。
周りの人達が手にとっている器でも、一応は声をかけるし、良いと思ったところは伝える。焼き物ならば、ぐるりと全体を眺めるし、かばんなら裏地まで確認し、重さ(軽さ)を確かめる。
自分でもレザークラフトを楽しんでいるし、両親は陶芸を趣味としていた。
仕事で金属加工や化学処理も学んだ。
そういった"場数"が、会場での振る舞いに、そしてプロっぽい印象へとつながったのではないだろうか。
そういう点では、茶道の経験は、大きな要素だろう。たった数年、勤め先での部活動みたいな習い事だった。もう茶杓の持ち方すら忘れてしまった。
でも、お茶の席で交わされた言葉や、手の添え方、相手への気遣いは、今の自分にもきちんと残っている。
静岡護国神社までは自転車を使った。
まだ花粉症が怖いが、マスクをしている限りはなんとかなる。むしろ、帰宅してから薬が切れてからが辛い。大丈夫だと思っていたのに、いきなり花粉症状態に陥るのだ。
ともあれ、暖かく穏やかな、良い休日だった。
自転車でずいぶん長い距離を走ることができたし、家事も捗った。
手創り市で買ったピンバッジも、いい感じだ。