コードリールで小籠包

風が強く、暖かく、そして花粉の多い日だった。
午後には花粉光環を見ることができた。きっぱりと晴れているのに遠方の山は霞み、ある程度の距離から先は見えなくなる。
明るい晴天なのに見通しが悪く全体的に平坦な風景は、少しゲーム世界に似ていた。

 

 

そんな今日はおおむね平和。
しかし小さなトラブルに関わり、小籠包を貰ってしまった。

田舎町で用事を済ませ、車に向かって歩いていた時に中華料理店の前を通りかかった。
小さな居酒屋みたいな店で、車道に面した側に電光掲示板があり、お店の情報を表示していた。開店時間やお得なメニューや、飲み会プランなどがスクロール表示されている。
看板と駐車場の案内板を照らすライトも点灯していた。

電光掲示板は店から伸ばしたケーブルで電源をとっていた。ライト類も同じ線から分岐しているようだ。
ケーブルはコードリール(延長コード)を使用している。
そのコードリールから蒸気と煙が出ていたのだ。

 

 

よく言われているように、コードリールは巻いたまま使うと発熱する。
熱の逃げ場が無く、電磁的にも巻いたままというのは良いことは何もない。
でもこの店は、大きなコードリールの大半を巻いたまま、電光掲示板とライト2つに電気を流していた。

その程度の通電量で発熱するのだろうかと思うが、でも実際に湯気と煙が出ているのだから仕方がない。大きいとはいえ屋内用のものを長く使って劣化していたのかもしれないし、汚れなどが悪影響を及ぼしたのかもしれない。

 

 

とにかく炎が上がっては大変なので、お店に声をかけた。
結果的に、ボヤを防いだことになる。
今日明日に燃え上がることは無いだろうが、とにかく使い続けても良いことは何もない。

お店の人も、豆知識としての「巻いたままのコードリールやばい説」は知っていたようで、急いで対処すると言っていた。

そして、そのお礼として、冷凍の小籠包をいただいたのだった。

 

 

今日は3人で行動していたので、小籠包は3等分。それでも、一人あたり16個の小籠包が手に入った。

今夜は魚を買ってあったので食べていない。冷凍だから、明日以降のお楽しみにしたい。
ぼんやり歩いていて、ふと煙や湯気に気づいて、ちょっと声をかけただけで小籠包をたくさん貰えた。僕達は嬉しいし、中華料理店の店主もにこにこしていた。
童話みたいだ。

普段から世界がこれくらいに優しければいいのに、と思う火曜日の夜である。

 

お題「わたしの仕事場」

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