冬の雨と焼きりんご

朝から薄暗く、昼過ぎには小雨も降っていた。
でも気温は高い。
ベランダの温度計も、車の外気温表示も、19℃を指している。
静岡県の1月といえば乾燥していて、きりっと寒い印象があるが、今年は違うようだ。
庭の多肉植物も、今のところ秋のような色合いのまま元気に育っている。

 

 

 

そんな今日は、夕方の早い時刻に帰宅できた。
家族は出かけていて、夕食は要らない。
それならばと、焼きリンゴを作った。自分ひとりならば、甘いものを夕食にしてもかまわないだろう。老いた父の夕食に1個分の焼きリンゴを出したら老人虐待だが、僕が食べる分には自分へのごほうびなのだ。

ちょうど使い切りたいバターもあるし、酸っぱいリンゴも買ってある。
砂糖は少なめ、シナモンとクローブは気持ち多め。ラム酒も少しだけ使う。

とても良い焼きリンゴができた。
リンゴ1個分だから、これだけで満腹になる。
栄養的な偏りは、牛乳*1と野菜ジュースとチーズで補った。

しかし、やはり暖かな日には焼きリンゴは似合わない。おいしくいただきながら、何度も「何か違うなあ」と思ったのだった。


人生初の焼きリンゴが、おそろしく寒い日に新宿で食べたものだった。
まだ高校生の頃だ。寒さと人混みに疲れ果て、巨大なデパートに戸惑い、とりあえず入ったカフェで注文したのが、焼きリンゴだった。
あれは僕の甘党人生の原点だったのかもしれない。甘くて熱くて、家では食べられない特別なものだった。
今となっては、どうしてあの時に焼きリンゴを注文したのかもわからない。
しかし、その思い出に引きずられて、焼きリンゴはとびきり寒い時に食べるものだと思い込んでいる。

 

もうひとつ、厳冬期に楽しみたい甘いものとして、ショコラショーがある。
最近めっきり見かけなくなった。
しかし、気温19℃では、さすがにショコラショーは似合わない。見かけても、うっかり注文することは無いだろう。

 

お題「こだわりレシピ」

*1:カフェオレ

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