浜岡原子力発電所 浜岡原子力館

昨日に続いて、今日も御前崎方面へ。
午後に空いた時間ができたので、浜岡原子力発電所のPR施設である、浜岡原子力館に行ってみた。

子供の頃には何度か行った記憶がある。
当時に比べると、ずいぶんとインタラクティブというか、ゲーム性のある展示が増えていた。
例えば「電気を送る仕組み」の説明。昔はジオラマの前にボタンがあって、押すと送電線が順番に光って街へ電気が送られる様子を示していた。
今はモニターとコントローラーで「送電ゲーム」を遊びながら学ぶことができる。

もちろんパネルや模型の展示も充実している。
あの東北の原発事故で飽きるほど見た圧力容器の断面図などもある。

というかただの図面ではなく、実物大の炉心や周辺設備が再現されていて、とても迫力がある。

電力会社としては「これだけ厳重かつ多重の対策が施されているので安全ですよ」と伝えたいのだろう。確かに、実物大ならではの説得力はある。分厚い金属板、おそろしく単純な閉止装置、コンクリートの塊みたいな建屋基礎。
普段見る工場やビルの構造と比べると、桁違いに気を配っているのがわかるのだ。

ちょっといやらしいくらいに「原発は安全です。必要です」と繰り返す施設ではある。だけど「反対派」の人達には届かないだろう*1
彼ら彼女らではなく、興味の無い人達に、ぼんやりとした原発のかたちを伝えるには、とても良い施設に思えた。

 

 

とはいえ、浜岡原発は現在は解体中。
何年もかけて解体していく途中でも、安全性のアピールはもちろん必要なのだろう。

駿河湾遠州灘を望める立派な展望台もある。
エスカレーターでずいぶん高いところまで登るので、すばらしい景観が楽しめる。
ただし撮影禁止だ。眼下に原発の敷地が一望できてしまうこの場所は、警備上は大変によろしくないのだった。
形だけの禁止ではなく、警備員さんがチェックをしているところが、原発という施設の厳しさを体現している。この展望台こそが、原発のリアルって感じがする。

 

 

今回は仕事の合間ということで、さらっと流して見ただけだった。
それでも楽しみ、学ぶことができたし、行ってよかったと思う。
無料かつ快適、それに楽しい、それに非日常感もある。
こういう場所は、支持・不支持を問わず、とりあえず行ってみたほうが良いと僕は思う*2。ここに来て意見が変わるかどうかは、また別の問題。

 

お題「気分転換」

 

*1:いやらしいといえば、無料の映画を上映しているのも、地元の人へのサービスって感じで気になった。科学や電力に関する作品ではなくて、子供向け劇場映画というのが"いやらしい"。
しかも今回はあの「えんとつ町のプペル」だ。数年前のクソ映画だ。

*2:自分は、まだしばらくは原子力発電所は必要だと考える。条件付きで、やむなく賛成といった姿勢だ。

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