新型コロナウイルス対策フェア・アカエイのスープ

昼間は寒く、夜はそれほどでもない。
昨晩に降った雨で地面が濡れていて、自転車での外出ができなかった。
知人宅に届け物をして、ついでに図書館へ寄った以外は、ほとんど家で過ごしていた。

Twitterなどで話題になっていた「トイレットペーパーの買い占め」は、近所のディスカウント・ストアで見た。
列を作って大量買いをしているような人達は1人もいない。スマホで撮影している人はいた。たぶんほとんどの人は「トイレットペーパーの枯渇はデマ」と知っているのだろう。
でも、見ている数分の間にも、ぽつぽつと買っている人がいた。
「デマとはわかっているんやけどね、でも万が一の安心を考えるとねー」みたいな雰囲気。お一人様1袋なので家族にも持たせていた。

 

我が国では、まだパンデミックは起きていない。
医療崩壊もしていない。
ただ、社会のタガが外れてしまった、と思う。安心のために。疫病に先行して。

 

雑に言えば、多くの人が「なんとなくの安心」を満たすために、よくわからないまま行動をした結果、棚からマスクやトイレットペーパーが消えてしまったのだ。
タピオカ・ミルクティーが流行った時に、別に甘いミルクティーやデザート・ドリンクに興味が無い人も列に並んだ。あのノリでマスクを買っているのだ。結果として、本当に必要な人達に必要な品が行き渡らない。

残念でならないのが、今の政権がそういう「なんとなくの不安」へ敏感に反応する事だ。説明もせずに断行する厳しい対応が、ことごとく「安全よりも安心」寄りの内容となっている。

不謹慎だが、もっとわかりやすい形で切実な被害が出ていれば、僕たちもこんな馬鹿なことをしていないと思う。日本国民の99%以上が、「感染者」の具体的な名前や顔を知らない。「新型コロナウイルスと肺炎の基礎知識」をテストしたら、不合格な人が多いだろう。
そんな状況だから、福島第二原子力発電所が震災で壊れた時ほど、切迫した情報への飢えが感じられない。特にテレビでは「街の声」ばかり取り上げる。
だから、身の回りで目につく、安くて、もしデマでもゴミにならない実用品を買ってしまうのだろう。
新型コロナウイルスに関しては、騒ぎはするけれど「正しさ」を求めるほど我々は真剣ではない(あるいは真剣になれない)というのが、今の状況だと思っている。どちらかといえば、病気そのものよりも、社会の急激な対策に、僕たちは振り回されているのではないだろうか。

 

 

トイレットペーパーが空いた棚には、餅や甘酒や柚子茶や酸素系漂白剤といった、病気とは関係の無さそうな有りそうな微妙な品が積まれていた。別に安売りではないけれど買っていく人もいた。なかなか商売上手だなあ、と少し感心した。
さすがに「対策フェア実施中!」とは書いていなかった。そういう事を言ってはいけないのだ。でも全体としては、どこか「お祭り」だよねえ、なんて思ってしまうのだった。

パンデミックものでおすすめの小説はこれ。
「天冥の標 2 救世群」

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:小川 一水
  • 発売日: 2010/03/05
  • メディア: 文庫
 

10章続くSF大作のうち2章め。1章が、よくわからない宇宙の何処の、遠い未来のお話で、この2章が現代。そして致死率8割かつ生存しても感染能を持ち続けるという恐ろしい疫病が世界に蔓延する数年間を描く。感染症というのは人の動きを制限する存在であり、発想としての「穢れ」が実効を持つ状況でもある。
物語としては「ここから始まり、次の時代へ」となる発端の章。でも、この1冊だけでパンデミックSFとしては読むことができる。

 

漫画ならこれ。
静岡県須走市か御殿場市のあたりを舞台にした作品。こちらではペストが発生する。大きな私立病院レベルの人員と設備で、アウトブレイク寸前で奮闘する医者のお話。こちらは、今の現実により即している。新型肺炎と違い、死者が多くて、特定の地域を封鎖する対応がある部分以外は、まるで現実。重苦しい話ではあるけれど、希望の話でもある。奇跡が何一つ起きないところも凄味を感じさせる。
基地の街、どうしようもない狭い田舎を描いた物語としても秀逸。もっと有名になってもいい佳作だと思っている。

 

 

 

晩ごはんは、アカエイのスープを作った。
オリーブオイル、少しのにんにく、タマネギ、唐辛子、そして塩を使う。
アカエイはここ香川県では、季節を問わず入手できて価格も安い。
あまり人気が無いのか、サメ類の常として日持ちがしないのか、値引きシールが貼られるのも早い。
1パックの量が少なく、骨が軟骨なので生ゴミが少ない点も、独り暮らしとしてはありがたい。

昨日のウマヅラハギと同じく、良い出汁が出る。肉の食感も面白い。
長くは煮込まず、最後に切ったプチトマトを入れて完成とする。

お昼ごはんは知人と外食をした。量の多い店だった。なので夕食には炭水化物の主食は要らなかった。
もしアカエイのスープに合わせるのならトーストかマカロニが良さそう。ご飯を入れても良いかもしれない。

 

 

今日は家にいて退屈しなかった。読書が捗ったのはもちろん、Twitterやその他のSNSで「不要不急の外出を自粛している人達に、これがおすすめ!」と紹介する動画やWebサイトだけで、何時間も過ごせてしまったのだ。


THE MAKING (30)ストッキングができるまで

特にこの「Science channel」の「The MAKING ○○ができるまで」はすばらしい。お菓子から自動車まで様々な製品の「できるまで」を紹介している。古い映像だが、見ていて飽きない。
自分にはまるで関係のない商品(例えばストッキング)も、作り方は興味深く見ることができる。

今から「ふ菓子ができるまで」を見てから、寝ます。

youtu.be

 

文明崩壊 上巻

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