偶然のブックイベント:かわね本のフリーマーケット

世間は土曜日だが、僕はお仕事。
今日は日の出よりも前に家を出て、ひたすら大井川の沿岸を北上していく。
その途中で何度も車を停めて仕事をしていくわけだが、最終目的地は井川集落に近い。静岡県の中部沿岸域に済む人間からすれば、これはもう日帰り旅行である。

一日のうちに何回もダムやキャンプ場を見た。
道の駅や地域振興施設も飽きるほど通り過ぎた。そういった場所では、マルシェやフェスみたいなイベントが開催されている。世間はとても楽しそうでキラキラしている、でも自分は特に楽しくはない。そういう土曜日だった。

 

 

ちょうど昼頃、本川根町にいた。
町とはいうが、それほど広くない。飲食店も少なく、村の中心にある集落といった趣の場所だ。

さて昼休憩と時間調整をどうしようか…と考えていたら思い出した。
今日はこの本川根町で本のイベントがあったはず。少し調べたら、町立の文化会館で「かわね本のフリーマーケット」が開かれていた。

午後に講談師の怪談イベントがあり、それに併せてフリマやマルシェが開催されているようだ。静岡市にある好きな古書店書肆猫に縁側」も出店しているようなので、行ってみることにした。

図書館が中に収まるこぢんまりとした文化会館は、そこそこの賑わい。
詩人さんから天然酵母パンの店まで、この手のイベントには定番の店や人が揃っている。

もちろん古本屋さんも何軒か並んでいた。
絵本と古い新書を1冊ずつ、それに「猫に縁側」では新刊本の「本のある空間採集」を購入した。この「本のある〜」は、四国に住んでいたときに大好きだった書店「ルヌガンガ」が掲載されているという一点のみで購入を決めたもの。まさかこんな場所で手に入るとは予想外だった。

 

 www.lunuganga-books.com

 

 

 

他にもパンやコーヒー、それにピザを折りたたんだ食べ物*1を買った。赤く書かれた「ハムチ」は"生ハムとリコッタチーズ"の略だ。これらは昼ごはんとして、町が用意した休憩室で食べる。

 

この休憩室が100%飾りっ気無しの「公共施設の会議室」で、笑ってしまった。マルシェやブックイベントというよりも、住民説明会みたいな雰囲気。でも、他に利用者が皆無だったから、落ち着いて食事ができた。

 

他にも衝動買いをした。
古道具のお店で、中国製の謎の電気鍋を買った*2。これは使途や目論見を、後日きちんと日記に書くつもりだ。

 

なぜか売られていたメノウの印材や、あまり綺麗ではない水晶なども安かったので購入。これらは玩具みたいな価格だったから、たぶん友人知人のお子さん達に譲ることになると思う。年に数回会うだけの彼ら彼女らには、科学館っぽい手土産を持ってくる謎のおじさんとして振る舞っているので。子供達の世界に、少し不思議なおじさんがいたら面白いのではないかと考え、そうしているのだ。

 

 

ともあれ、仕事の合間に趣味全開の時間を過ごしたせいか、その後も元気に過ごせた。
帰路はひたすら大井川を下り太平洋*3を目指したわけだが、仕事のカバン以外にも浮かれた品々が載っていると考えると、なんだかおもしろい。

このイベントに立ち寄れたのは完全な偶然だった。
いや、頭の隅に記憶していたからこその参加だったから、完全な偶然は言い過ぎなのかもしれない。考えても、よくわからない。
こういう時は、「幸運だった」で結論づけるのが良いのではないかと考える。運勢を信じているわけではないけれど、便利な概念ではある。

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:名前をど忘れした。調べればわかるけれど、不都合が無いので調べない。ポルポローネとかカンツォーネみたいな名前だった。

*2:古道具屋の主人は、これが何なのかよくわからないと言っていた。ただGoogleのAIに見せたところ、中国本土でポピュラーな電気鍋だと判明。説明書のPDFデータも入手できた。

*3:正確には駿河湾

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