カンサーの「コーヒー・クイーン」

早朝から激務が続いた。
日が傾く前には自由の身となり、そのまま直帰。

同行者達は頑張った自分にご褒美なのだと、まだ明るいうちに居酒屋に行くのだという*1。確かに、何かしら即物的なご褒美が欲しい疲労具合だった。

そんな話をして解散したのが、ちょうど牧之原台地を通り過ぎていた辺り。
バイパスや高速道路ならば通り過ぎてしまう地域だが、せっかくなので僕は「カンサー」へ立ち寄る。

「カンサー」は古い喫茶店だ。
島田市から大井川を渡り、金谷の駅前を経て牧之原台地に至る旧道沿いにある。
ちょうど大地の縁にあるため、とても見晴らしが良い。

そしてこの喫茶店は、レトロなメニューでも知られている。

80年代風ファンシーな看板やショップカード、昔ながらの喫茶店らしいメニュー。でも、昨今の流行を取り入れてパンケーキや凝ったかき氷も楽しめるし、昼時にはスパゲティ等を食べに地元の人達も訪れる。

僕は子供の頃に、両親に連れられて何度かこの店を訪れている。
近くに旧東海道のハイキングコースがあるから、その時に立ち寄ったのだと思う。
あまりに昔の記憶なので定かではないが、当時ですらレトロ感があった。

そんな店で選んだのは「コーヒー・クイーン」という飲み物。
アイスコーヒーにミルクとバニラアイス、それに生クリームを入れて、カラースプレー・チョコレートで飾ったスペシャルなドリンク*2だ。

なぜこんなものを選んだのか、自分でもよくわからない。
普段は甘い飲み物なんて選ばない。
今日は昼食が早くて*3「カンサー」では軽く何か食べるつもりだった。
メニューには魅力的なプリン・ア・ラ・モードやホットケーキの写真も並んでいた。
でも、なぜか「コーヒー・クイーン」を選んでしまった。

 

そんな動機不明な選択ではあったが、全く後悔はしていない。
最初に少しだけアイスコーヒー部分を飲み、次に生クリームとアイスを食べる。それだけで、おやつにおける「スイーツ」要素は満たされる。その後は、少し甘いアイスコーヒーをゆっくりと飲みながら心身を休める。ジョッキみたいな容器で提供されるから、コーヒーはたっぷり残っている。

窓の外には大井川の扇状地と茶畑が見える。手元には文庫本。
これはこれで、すばらしい時間だ。

それにしても魅力的なメニューブックだった。
他にも注文したい品がたくさんあった。



 

「カンサー」は、レトロ喫茶(カフェ)としては県内でも有名店だが、自分はなかなか行く機会が無い。家からは遠いうえに、近隣に用事があるわけでもない。
だけど、たぶん近いうちに、この店だけを目的に再訪したいと思っている。

 

お題「ささやかな幸せ」

 

*1:僕はお酒を飲まない。酒に弱いし、そもそも車を運転している。

*2:スタバでいうところのプレミアムなビバレッジ

*3:10:20頃だった。色々とドタバタしていたのだ。

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