浜松の夜と、葉山の夜

今は静岡県の西の端あたりにいる。
今日は仕事のトラブルで、突発的な出張となった。先ほどまでドタバタと働いていた。静岡県西部ならば、静岡県の真ん中あたりに住む自分ならば問題なく帰宅できる距離なのだが、時刻は遅いし、明日も早い。往復の手間とコストを考えると、今夜はトラブル場所(愛知県の東部)に近いあたりに泊まったほうが総合的に良いだろう、となったのだ。

それにしても狭い宿だ。
典型的なビジネスホテルだが、まるで東京都内のホテルのように狭い。だけど窓の外には広い遠州灘が見える。風景と部屋がミスマッチすぎる。

 

 

 



そういえば先週の今頃は、神奈川県の葉山に泊まっていたのだった。
三浦半島をあちこち巡るにはちょうどいい場所にある閑静な土地。すぐ近くには御用邸があって、周囲は豪華な家が並ぶ。巨大な邸宅はほとんど無いが、趣向を凝らした外観の素敵な家ばかりだ。お金持ちの人の引退後の住まいか、あるいは別荘か。

そういう場所だから、夕方も夜も散歩がとても楽しかった。
地元スーパーで買い物をしたり、細い路地を歩いているだけで時間がどんどん過ぎていく。そして坂の多い土地だから、疲労もどんどん溜まっていく。でも歩くのをやめられない。思い返すも、良い場所に泊まった。

しかしホテルはいささか変わっていた。
価格はビジネスホテルと変わらない。つまり安い。
しかし部屋は妙に広い。
大きなベッドが2つ、2人がけのソファーとテーブル、そして窓際には籐の揺り椅子。
テレビ台の横には書類仕事用のテーブルもある。
風呂やトイレはこぢんまりとしているが、巨大なクローゼット(というか押入れ)には予備の布団や枕が積まれていた。

おそらくこの宿は、かつて研修所・保養所に使われていたのだろう。それを改装して、安い観光向けのホテルにした。
だから部屋から日本庭園に出れば、そのまま隣の部屋に行けてしまう。最上階には展望室があって、企業経営者や創業者の自伝が並んでいる。「青年よ躍進せよ」みたいな詩が陶板になって飾られている。研修所だったのならば、1階ロビーにあるホワイトボード*1の存在も納得できる。

 

しかし元が何であろうと、一人で泊まる分には綺麗で広くて静かな宿である。
他の宿泊客と廊下で会うようなこともなく、寝るだけならば十分以上の場所だった。
鎌倉や逗子へも車ならあっという間、朝食もおいしかった。

夜に門限があること、玄関でスリッパに履き替えること、斜面に建っているせいで廊下が迷路になっている事を気にしなければ、良いホテルだと断言できる。

三浦半島と鎌倉周辺については、再訪を計画している。同じ宿というのも味気ないが、また選んでもいいかなと思っている。

 

 

ともあれ、今は浜名湖遠州灘海岸の近くにあるホテルの狭い部屋で、こうしてキーボードを叩いているわけだ。先週は旅、今は突発的な出張。ずいぶんな違いだが、案外こういう暮らしも悪くない。
毎週なら疲れてしまうが、時々なら楽しいものだ。

さて、そんなわけで今日はもう寝ます。明日は早いし、もう何もやる事が無いのだった。先ほど少しだけ外を歩いたが、葉山の街とは違って何も面白いものは見つからなかった。実家の近くと大して変わらないうえに、コンビニひとつ無いのだった。

 

 

 

*1:有料で借りることができる。

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