所用で静岡市の清水区を通る機会があった。
ちょうど昼前に清水区役所へ立ち寄る用事があったため、昼休みを兼ねた昼食を済ませることに。この区役所には地下に食堂があって、一般にも開放しているのだ。
今日は、この区役所食堂で最も高いであろう「上寿司」を選んでみた。
いつもわりと早い時期に品切れになってしまうので、気になっていたのだ。
今日は開店時間(11:00)直後だったから、数種類ある中から選ぶことができた*1。
内容は、握り寿司と巻物、それに小鉢。お椀をひとつ渡されて、2種類の味噌汁から選ぶことができる。ごく普通の社員食堂的な味噌汁と、鰹のアラのアラ汁があったため、今日は後者を選んだ。
なぜかこの寿司を注文した場合はコーヒーも飲める。よくある社員食堂的な給茶機は、お茶とコーヒーが出る。そしてコーヒー単品ならば50円なのだった。
寿司にコーヒーという組み合わせは謎であるが、あるいは清水区の人間には常識なのかもしれない。自分は清水区生まれ、祖父母の代から清水民族なのだが、寿司とコーヒーを合わせようとは思わない。
ともあれ、とてもおいしく楽しい昼食だった。
寿司ネタの多くは、いささか安っぽい。ネギトロは油が多めの模造品で、巻物には梅味や甘辛い味付けの、おつまみみたいなものが使われている。煮たアミエビの握り寿司なんて、はじめて食べた。食堂業務を請けているのが、水産加工品や海鮮丼などを扱い会社ではないかと推測する。
でも、マグロの切り身は、きちんとおいしい。
お世辞にも高級とはいえないけれども、お昼ごはんにこれは嬉しい。
しかも、赤身の寿司は数もある。このあたりは、遠洋漁業の拠点でもある清水区(旧 清水市)の面目躍如といえるかもしれない。
昭和の時代から変わらないような半地下の食堂。薄暗い蛍光灯と飾り気のないテーブルといった場所と握り寿司の組み合わせは、ちょっとおもしろい。安い寿司といえばスーパーマーケットでも普通に売られているが、あれは酢飯が冷たいのが良くない。
実際のところ、清水区の市街地ならば、いまでも古い個人経営の寿司屋に行けば、同じくらいの価格で「ランチ寿司」が食べられる。元々、寿司屋や鮮魚を扱う店が多い土地なのだ。
それに、この区役所の食堂だって、多くのお客さんは並寿司*2や鰹の竜田揚げ定食などを選ぶ。
ほとんどの品がワンコインか500円と少しだから、今回の上寿司よりも”コスパ”は良いはずだ。実際、同行者が注文した竜田揚げは、とてもおいしかった。
フェリー、水族館、そして今回は区役所。
なかなか珍しい場所で寿司を食べる人生である。次はどこで食べるのか、今から楽しみだ。そういえば飛行機では食べたことが無かったはずだ*3。