いいかげんな中華料理店

世の中は連休だというのに、僕は諸事情あって静岡県内のバイパスを西へ東へと往復していた。

想像していたよりは渋滞は酷くない。というよりも、普段の通勤・帰宅ラッシュや、午前中に配送や営業の車で混み合う時間帯よりも空いているところさえある。
少し県外ナンバーが目立つ程度で、昭和や平成の大混雑を知っている身としては、拍子抜けしてしまう。

途中いくつかの行楽地や大きな公園の横を通った時も、それほど混雑はしていなかった。臨時駐車場に繋がる車列で街が混乱…みたいな場所は見なかった。
それどころか、想定外に空いている場所さえあった。「季節の花は散ってしまったけれどイベントは開催中です。是非お立ち寄りください」という看板があったから、本来はツツジやフジの名所だった場所が4月の気温変動で花期がずれ、ゴールデンウィークに花が散ってしまったのだ。観光というのも難しいものだ。特に自然を見処にしている場所、さらにいうと一つの植物に依存するような名所は難しい。

 

 

 

そんな今日の昼食は炒飯。
朝にお弁当を用意している暇がなくて外食で済ませる事にしたのだが、さすがにファストフード店は混んでいる。
専ら外で働く人達を相手にしているような中華料理屋は空いていたので、遅い昼食を取るために飛び込んだのだった。

普通の炒飯を注文したのに、少量の高菜が混じっていた。
奥にある餃子はオマケとのこと。間違えて作ってしまったので食べて〜と付いてきた。
スープも、ランチ用が終わってしまったので適当に用意しました(だから普段とは違うのでゴメンネ)と言う。
いささかルーズというか、食品工場だったら謝罪会見が必要な事態である。でも場末の中華料理店だから、これで全く問題がないのだった。

餃子は水溶き小麦粉で"バリ"を作ったけれど不要ならば捨ててちょうだい、とも言われた。
なんというか、バンダナに黒Tシャツで腕組みをして「拉麺道とは」と語る店とは対極にあるような不思議なお店だった。
また行こうとは思わないが、これはこれで良い非日常だったのではないか。
お金を払う時に店員さんが「あっお客さんサラダって…なんでもないです」と呟いた事も、もう気にしない。

昼食後には少しだけ自分の時間ができたので、公園で開催中のマルシェ的なイベントに顔を出した。焼菓子を買ったら「○○さんですよね。ブログ見ています」と"特定"されてしまった。何度かイベントで見ていて、顔を覚えていたそうだ。静岡県は以外と狭いし、1人で焼菓子を買い込む中年男性は少ないのだろう。
しかし、びっくりした。反射的に「違います」と言いそうになった。

 

 

その後はまた、車での移動が続いた。まるで抑揚のないロードムービーみたい。
ひたすら移動ばかり、しかも(渋滞こそ無いものの)それなりに通行量のある道ばかり走っていたので、たいそう疲れてしまった。

今ようやく帰宅できた。
今夜は久しぶりに、しっかりとテレビゲームを遊ぼうと思う。読書(村上春樹氏の新しい長編)を読むほうがが身体が楽なので、ついゲームのほうを放置してしまう。そろそろ「オクトパストラベラー2」をクリアしたい。

 

お題「ささやかな幸せ」

 

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