夕方、焼津市へ行く用事があった。
待ち合わせまで時間があったので駅の周りを少し歩く。
公園にフグを模した水道があった。
焼津市とフグは、ほとんど関係が無い。
これがマグロやカツオだったら、名産品として説明がつくのだが。
近くの橋の欄干は、人魚姫を象っていた。
タツノオトシゴや巻き貝に囲まれた、とても立派な鋳物の人魚姫。
しかしもちろん、人魚姫と焼津市の共通項といえば"海"だけだ。
焼津名産のカツオやマグロは造形がシンプルすぎて、キャラクターとして弱いのかもしれない。ユーモラスさを求めるのなら、あるいは神秘と美を求めるのなら、フグや人魚姫が適任だ。公園や川沿いの遊歩道には、他にもタコやチョウチョウウオを象ったものが沢山あった。
フグと同じ公園にあったゾウ。
これは焼津市らしさとは無縁のものだろう。
ゾウの滑り台は、動物型遊具の定番だ。
とはいえ、ちょっと造形がおもしろい。
目だけが写実的で、それ以外は現代アートといっても通用する大胆なアレンジが加えられている。滑り台としてはかなり小さいところも目を惹く。
焼津市は、全く馴染みが無いわけではないけれど、用事が無ければ立ち寄らない土地だ。特に駅前はそうだ。
なので、今日の散策はとても新鮮だった。たとえ港から離れていても、港町というのは独特の風情がある。カラスの代わりにカモメや鵜がゴミ捨て場を漁っているところなど、普段はなかなか出会えない。