富士山かぐや姫ミュージアム・歴史民俗資料館

昨日に引き続き、静岡県東部の富士市へ出かけていた。
生憎の曇り空で、富士山はほとんど見えない。
でも日差しは穏やかで、空いた時間に散策をするにはちょうどいい。

最近は、出かけた先の市民公園的な場所を歩いてばかり。車を持つ老人っぽさがすごい。

 

 

そんな今日の訪問先は、富士山かぐや姫ミュージアムと、歴史民俗資料館のある広見公園。新富士道路のすぐ横、東名高速道路の富士ICと、新東名高速道路新富士ICの間にある大きな公園だ。
富士の裾野の斜面を生かした、緑の深い場所である。

公園内にはバラ園や古い建物、復元された竪穴式住居がある。
大きな木がたくさん生えていて、なんとも気持ちが良い。普段は見かけない、山の野鳥にも出会うことができた。

明治や大正の建築を辿って歩くだけでも楽しいのではないか。製紙産業が盛んな富士市ということで、戦前からのお金持ちの家も移築されている。

 

 

歴史民俗資料館は、富士市の歴史と庶民の生活、そして製紙業の発展が主な展示品。
腰まで泥に浸かって田植えをしたような低地の生活から、水不足に悩む富士山麓の暮らし、駿河湾沿いの漁業民と、3つの"民俗"を展示している。
手が触れそうな場所に実物を並べているからか、それほど広くはない展示室なのに、とても楽しんで見ることができた。

2階部分は製紙業の紹介。何人かの"地域の偉人"が紹介され、紙の作り方や富士市での発展がわかりやすく並ぶ。絵柄付きの紙ナプキンを富士市で作っていたなんて知らなかった。

公園入口からはいくぶん奥まった場所にあること、そして外見が妙に立派なことが原因だと思うが、ここはとても空いている
そのせいか、どの案内看板にも「無料」と強調してある。
外見だけなら、行楽地にある観光施設っぽい。凝った公共施設を作りまくった時代の弊害といえるかもしれないが、見た目でちょっと損をしている気もする。

 

 

すぐ近くにある富士山かぐや姫ミュージアムは、「かぐや姫伝説」を軸にした市立博物館といった施設。こちらもあちこちで「無料」を強調していた*1

富士山と、その山麓かぐや姫伝説の舞台である。
富士山信仰や古典文学とも結びついていて、かぐや姫にちなんだ地名なども残っている。

古典文学で描かれる「かぐや姫」の比較や、地名・名所の地図、浮世絵から外国での書籍まで様々な書籍の紹介など、なかなかに凝った展示が並ぶ。
とはいえ、美術館の特別展のような踏み込んだアプローチは皆無で、特に興味がなければ飽きてしまう。類型の物語や、富士山信仰や不老長寿譚との関連くらいは盛り込んで欲しかった。なんとなく「かぐや姫の土地である富士市スゴイ!」みたいな雰囲気も鼻についた。

もちろん富士山や富士市の歴史も、きちんと展示がある。市の歴史博物館としては充実しているほうだと思う。
このミュージアムのためだけに訪れる必要はないけれども、公園散策のついでに立ち寄れば、良い時間が過ごせそう。
少なくとも僕は十分に堪能した。

 

お題「わたしの癒やし」

 

 

*1:施設名のプレートにさえ、ラベルシールで「観覧無料」が追加してある。

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