今日もまたお昼ごはんは外食。
ちょうどJR藤枝駅前にいた頃にお腹が空いたので、何十年ぶりかのカナキン亭へ行ってみた。
先日読んだ本に「メンマラーメン」なる料理が載っていて、そういえばカナキン亭にあったような気がした(そして実際にあった)ことも、この店を選んだ理由。
結論から書くと、とてもおいしかった。
かつて、まだ「個性」を売りにするラーメン屋が希少だった昭和時代に初めて食べた「カナキン亭ならではのラーメン」。当時はとてもびっくりした。
豆板醤や粉唐辛子や酢がテーブルにあるのも驚いたし、家族で食べる普通のお店の「醤油ラーメン」とは違う、こってりした油や濃い味付けも新鮮だった。
塾の帰りだったのだろうか、子供だけでの外食であったことも含めて、とても印象に残っている。
その時に食べた「カナキンラーメン」に比べると、メンマラーメンは少し普通。
当時のカナキンラーメンにはピーナッツオイルみたいな不思議なコクがあった。メンマラーメンのスープは、出汁の風味に特徴はあるものの、一般的な醤油ラーメンに似ている。おそらく、店名を冠さないスタンダードなラーメンのバリエーションなのだろう。
最近は強い味付けと油と脂が当たり前のラーメン界隈だから、相対的に普通に感じるのかもしれない。
濃い色のメンマは味付けも濃いめ。
見た目ではそれほど多いようには見えなかったが、きちんと満足できる量だった。
中京地方に住んでいたときに何度も食べたメンマラーメンは、冗談みたいな山盛りのメンマが特徴だったから、最初は正直なところ拍子抜けした。
でも、この味付けならば、この量で十分。
なるほど老舗になったものだ、と感慨深い。
今日は時間も早く静かな店内だったけれど、繁盛している様子は伺える。
ところでカナキン亭のカナキンってなんだろうとぼんやり考えていたら、この本が見つかった。
カナキンとは羽布貼りの飛行機に使われる綿布。
そういえばカナキン亭の名物メニューに「プロペララーメン」ってあったなあ、と思ったら、どうやら店主とこの本の著者に繋がりがあるらしい。
思わぬところで繋がった。
といっても、お店のWebサイトに由来が載っていたので、答えは本当にすぐ近くにあったのだけれど。
さらに思い出すに、店内に飛行機の写真が飾られていた気もする。飛行機好きなのかもしれない。
そんな感じのカナキン亭。
行ってよかった。
またいつか、メンマラーメンが食べたくなったときには、志太地区における第一選択となるだろう。